プロジェクト135パート2 第97回 (ポルトガル)コインブラ大学-アルタとソフィア

 政治のリスボン、商業のポルトに次ぐ、ポルトガル第3の都市コインブラは文化の中心といわれています。そこに1290年ディニス王によって創設されたのがコインブラ大学です。創設後、リスボンに移ったり、またコインブラに戻ったりしながら、1537年にコインブラに落ち着いたのだそうです。世界遺産の名称にあるアルタとソフィアは地区の名前で、大学のある丘のあたりがアルタ区、それに続く旧市街がソフィア地区で大学及びその周辺が世界遺産に含まれています。ポルトガル第3の都市といっても人口9万人ほどの小さな町ですが、そのうち2万人以上の学生が学んでいる町です。
 
■今回場所は
 

より大きな地図で プロジェクト135 第97回 「コインブラ大学-アルタとソフィア」(ポルトガル) を表示
 
 
バスを降りたら怪しげな男性が。危険物を隠し持っていないかチェックしました。
 
これがコインブラ大学の学生用マント、東洋のオバさんに優しくしてくれました。実は絵はがきなどを売っていました。
 
これが旧コインブラ大学のほぼ全景です。コの字に建物が広場を囲んでいます。
 
これが創設者ディニス王の像です。
 
校舎はもともとの王宮が使われているそうです。
 
正面にあるのがラテン語の回廊です。この中ではラテン語しか使ってはいけない、決まりがあったのだそうです。
 
これがコインブラ大学でも特に貴重な、ジョアニア図書館です。
 
外観は他の建物より立派ということはありませんが、その蔵書はなんと30万冊、虫から守るためにコウモリを飼っているとか。
 
もう一度、違う角度からみたジョアニア図書館です。ここは残念ながら、内部の撮影禁止。そこで学生さんが外で絵はがきを売っているのです。内部へ入るのは完全予約制、10分間だけの滞在という物々しさでした。
 
外から広場へ入る為の「鉄の門」、別名「無情の門」というそうで、早い話が上級生が入ってくる下級生をいじめた所だったようです。
 
鉄の門を入って右側がラテン回廊です。この中ではラテン語しか使えなかったのだそうです。
 
ラテン回廊の正面です。
 
これが昔の教室でしょうか?なんとかの間と説明がありました。
 
昔の先生?
 
こんな立派な天井があったら気が散りませんかネ。
 
きっとこんな風に外を見ている学生もいたのではないでしょうか?ラテン回廊から見たソファア地区です。
 
これが旧大聖堂だそうです。
 
旧市街の向こうを流れるのがモンデゴ川です。あの先が大西洋です。
 
旧大学の中にあるサン・ミゲル礼拝堂の内部です。
 
正面の祭壇も立派ですが、左右の壁のアズレージョも見事なものでした。
 
17世紀のものだそうです。日本のお風呂屋さんも昔、タイルの絵がありましたが、ポルトガルから伝わったのでしょうか?
 
アズレージョの壁もですが、このパイプオルガンもあまり見たことないものでした。大きさでいえばもっと大きなものを見たことがありますが、このラッパのようなオルガンは初めて見ました。
 
ここも、立派な世界遺産なのです。マークがあるでしょ。
 
コの字型の旧コインブラ大学の外に今の大学の施設が散在しています。こちらは文学部棟です。
 
こちらが学生寮?世界遺産ではありません。
 
寮と寮の間の建物をよく見て下さい。子供を育てる、教育、に関する彫刻だと思うのですが…?
 
旧大聖堂へやってきました。
 
正面の祭壇は、どうやるとこんなに細かい彫刻ができるのか不思議なほどでした。
 
物語は見る人が見れば解るのでしょうね。説明は聞いたはずなのですが…。
 
正面だけではないのです。この大聖堂は、派手さはありませんが、とても立派な聖堂でした。1162年に初代ポルトガル国王アフォンソ・エンリケスによって建立されたのだそうです。この人、どこかで出てきてますヨネ。
 
この町では自転車はこれしか見ませんでした。
 
仕方がないので次の町でみた自転車も載せちゃいます。
 
コインブラは大学の町、ちょっと離れた大西洋岸の町ナザレはパレスチナのナザレからから聖職者が聖母マリア像を持ち込んだので、町の名がついたとか。それはどーでも良いのですが景色の良い町でした。
 
反対側から見るとこんな所なのです。全然知りませんでしたが、かなりスリリングな場所ですネ。
 
ナザレは知られざるサーフィンの穴場なのだそうです。海水浴に良さそうですネ。
ポルトでは働け、リスボンでは遊べ、コインブラでは学べ、ナザレでは鰯を食べろと言われているそうです。なるほど、コインブラは大学の町、ナザレは海の町でした。世界遺産は教会などの宗教絡み、または要塞やお城などの政治的な場所が多いように思うのですが、大学・教育が世界遺産の要素というのは少ないように思います。コインブラ大学はその少ない例の一つだと思いますが、ポルトガル最古、ヨーロッパでも有数の大学といわれてみれば、礼拝堂まで備えたその規模や30万冊の蔵書といわれるジョアニア図書館など納得できる部分はありました。ただ私たち不勉強者から見ると、良く理解できない部分もあり、また、とても遠くて不便なところでもあり、よほど教育というか、大学に興味のある方でないとその面白さは解らないかもしれません。紹介しておいてこんなことをいうのもどうかと思いますが、ここはついでに行くところかもしれません。さて次回は、詩人バイロンが「エデンの園」と称賛したというシントラです。ご期待ください。