プロジェクト135パート2 第86回 (イタリア)マテーラの洞窟住居

 マテーラといってもイタリアのどこだか全く知りませんでした。バジリカータ州マテーラ県といわれるとなお解らなくなりました。ここはイタリア南部、長靴のカカトとつま先の中間のへこんだあたりです。次に行くアルベロベッロより日本人が少なく、これから人気が出るのではないかといわれています。ここはサッシと呼ばれる洞窟住居が有名で、1993年に世界遺産に登録されています。マテーラのあるクラヴィナ渓谷は石灰岩の浸食によって形成され、渓谷にはこのサッシが何層にも重なって存在しています。このサッシがいつ頃から作られたかははっきりしないそうですが、8世紀から13世紀にかけて修道僧たちが住み着き、130以上の洞窟住居を構えていたといわれているそうです。今までに、ずいぶんいろいろなところへ行って見て来ましたが、ここマテーラの洞窟住居はとてもユニークで、今まで見て来た所で似ている所が思い当たらない印象的な場所でした。
 
■今回場所は
 

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これがマテーラの旧市街、世界遺産のほぼ全景です。私の立っている場所と、旧市街の間にクラヴィナ渓谷があります。この写真だと向こうまで平面のように見えますネ。
 
反対側の旧市街からクラヴィナ渓谷をのぞいたところです。
 
旧市街から渓谷を挟んで見た崖です。一枚目の写真は向こう側の上から撮ったのです。崖には、古代人の住居跡とみられる洞窟がたくさんあります。逃げてきた修道僧たちはこんな洞穴に住居を造っていったのでしょう。
 
これが現在のマテーラの旧市街です。半分以上は使われていないのだとか。
 
わりと立派な、現在も使われていそうな建物と、どうみても人は住んでいないでしょといった感じの家が混在しています。
 
プランターのようなものが置いてある家は住んでいるんでしょうネ。
 
上からのぞいてみても、人がいないのです。
 
町のメインストリートと思われるところでも人はチラホラでした。
 
いるのは観光客風の人ばかり。
 
石灰岩で、ボロボロ崩れていました。
 
立派な建物なんですけど、チョッと恐い感じでした。
 
やって参りました、マテーラ大聖堂です。
 
こんな小さな、古い、不便な場所によくも建てたと思うほど立派な大聖堂でした。
 
当然といえば当然なのでしょうけど、大聖堂は町の中心、旧市街を見下ろす場所に立っていました。
 
内部は巨大というほど大きくはありませんが、かなり手の込んだものでした。
 
柱や天井もあまりきらびやかではありませんが、とても豪華な感じがしました。
 
壁のフレスコ画も一部剥げ落ちてしまっているのが、かえって本物くさくて好感が持てました。
 
中心のマリア様(だと思います)の絵はとても素朴で良かったのですが、まわりの飾りが豪華すぎてチョットなーと思いました。
 
誰かさんのお棺?もうこの辺になると良く憶えてません。
 
その他、知識のある方には興味深いだろうと思われるものがたくさんありました。
 
町の中はどこもかしこも階段だらけ、そのうえ石畳なので歩きにくく、とても疲れました。
 
ホラ、見て下さい。町があるのはこんな場所なのです。階段でなければ行かれません。それにしてもこの教会はなんでこんな断崖絶壁の上に建てたんでしょう?
 
正面から見ればなんということのない場所なのですが、
 
なんとこんなところに建っているのです。サンピエトロ寺院です。
 
これが洞窟住居の内部です。サンピエトロ寺院の近くに当時の農民が使っていた道具や家具をそのまま残して観光客用に見せてくれています。
 
当然きれいにしてあるのでしょうが、わりと快適そうに見えました。
 
さて、マテーラで見た自転車です。頑丈そうでした。
 
これもかなりの年代物のように見えました。
 
これはとても新しそうでした。
 
そしてこれが駐輪用の道具だと思うのですが、違いますかね。
 
この町には鍛冶屋さんもいたそうです。そんなのばっかり見てないで、後ろの自転車も見ろよーと言われてしまいました。
 
それでは本日のランチです。まずパン。
 
そしてサラダ。この日のサラダはとても美味しかったです
 
本日のメインは…見て下さい、この大きさ。さすが肉好きの私でも食べきれませんでした。
 
そしてデザートです。これでお昼ですから、毎日こんなの食べていたらどうなってしまうのでしょうネ。
 
マテーラの荷馬車です。とてもカワイかったです。
 
お別れはマテーラの洞窟住居近景です。
今回のマテーラはほとんど予備知識もなく、正直にいえば次回のアルベロベッロのついでのような気持ちでやって来たのですが、どうしてどうしてとても印象的な場所でした。向こう岸の断崖にあるいくつもの穴が太古の人々の住居で、8世紀から13世紀に東方からイスラム勢力を逃れた僧侶が住み着いたのがこの町の始まりだそうですが、現在もまだ人が住んでいるのが驚きでした。文化遺産というと、一般的に私には難しすぎるのですが、ここマテーラは見れば解りました。詳しい歴史や成り立ちを知らなくとも、ただスゴイ!!と思いました。イタリアは私にとってローマ、ベネツィアなど華やかな都市の印象しか持っていなかったのですが、全く違いました。貧しいイタリアの農村の典型がここにはあったのだそうですが、今でも、一見スラム街のような遺跡は見る価値がありました。階段ばかりの町なので自転車が少なく、トーチャンは心なしか不機嫌そうでした。私はとても興味深く来てよかったと思っています。さて、次回はいよいよアルベロベッロです。なぜいよいよか?次回をお楽しみに。