今回の「平泉」は2011年に世界遺産に登録された日本では12番目の文化遺産で、東北地方では初の世界文化遺産です。ユネスコに登録されるまでには、いろいろな経緯があったようですが、浄土思想と結びついた浄土式庭園や中尊寺をはじめ、多くの建築物、黄金の国ジパングの伝説などにより2011年6月に登録されました。2011年6月といえばあの大震災の3ヶ月後で、東北の人々はこの登録で大いに勇気づけられたことと思います。平泉といえば中尊寺と思いますが、世界遺産には中尊寺だけでなく、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山などが登録されており、その他にも柳之御所遺跡などが拡大登録を目指しています。今回、私たちは中尊寺と毛越寺を見て来ました。 |
■今回場所は |
より大きな地図で プロジェクト135 第74回 「仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」(日本) を表示 |
このディーゼルカーは長井線、フラワーラインの終点、荒砥駅です。 |
なぜ岩手県の平泉へ行くのに、山形県の長井線の駅にいるのか?実はこのプロジェクト135パート1、自転車旅の第一回は山形県だったのです。この石のタヌキ、あのときずぶ濡れの私たちを迎えてくれた宿のシンボルです。パート1山形県をご覧ください。同じポーズで写っています。 |
今回私たちは車で平泉ともう一つの世界自然遺産、白神山地を訪ねることにしました。そこで山形経由にしたのです。ちょうどリンゴの時期でした。 |
中尊寺本坊の表門です。この門はもともと一関の伊達矢部宗勝邸の門で、1659年にここに移建されたのだそうです。 |
本堂です。中尊寺の中心道場で、建物は1909年に再建されたものだそうです。 |
有難い仏様です。 |
本堂へ着くまでにまず入る坂道です。 |
月見坂というそうですが、途中までかなりの登坂です。 |
杉の大木が並んでいます。 |
そして途中に見えてくるのが弁慶堂です。 |
衣川で立往生したという弁慶です。 |
弁慶堂から見える衣川です。 |
そして本堂にたどり着きます。 |
経蔵です。平安時代の古材を用いて再建されたものだそうですが、国内最古の1122年の棟札が伝えられているそうです。 |
こちらが薬師堂です。 |
中尊寺はお堂だらけです。 |
そしていよいよ金色堂です。ここに写っているのは実は金色堂の覆堂で、金色堂はこの建物の中にガラスケースにカバーされています。 |
覆堂の中は撮影禁止で、この金色堂の写真はガイドブックを撮ったものです。こんなお堂が覆堂の中にガラスケースに納まっています。 |
金色堂の中の仏像群です。ガイドブックより。 |
正面から。 |
旧覆堂です。もともと金色堂を覆っていたものですが、1963年に今の新覆堂が建設され、この場所に移築されたそうです。正応元年(1288年)鎌倉幕府によって建てられたそうです。 |
白山神社です。お寺の中に神社?そうなのです、中尊寺の鎮守白山神社だそうです。 |
白山神社は能舞台で有名なのだそうですが、残念ながら修理中でしたが、一部だけ見えるようにしてありました。 |
さて、これは誰でしょう?そうですあの松尾芭蕉さんです。「五月雨の降り残してや光堂」はここ平泉で詠まれたものです。 |
白山神社の能舞台は工事中で見られませんでしたが、なんと秘佛御開帳に出会えたのです。これは平泉が世界文化遺産に登録されて5周年、また東日本大震災が発生して5年、「一字金輪佛頂尊」の御開帳だったのです。これも撮影禁止。パンフレットから撮りました。 |
トラックを撮ったのではありません。建物のずっとむこうに見えるのが世界遺産の一部、金鶏山のはずです。 |
そしてやって参りました毛越寺です。 |
これが毛越寺の本堂です。立派ですが、近年に再建されたものです。 |
やはり毛越寺の真髄はその庭園の美しさでしょう。これが浄土を表しているといわれる浄土庭園です。 |
この日は天気も良く、極楽浄土とはこんな場所かと感じられる心地でした。 |
かくして3連休を利用してくっついて来た我が娘は、平泉駅から一人仕事へ、私たちは次の目的地白神山地へ向かったのであります。 |
藤原清衡、基衡、秀衡、泰衡と続く奥州藤原氏、そこへ義経、弁慶と関わり結局は頼朝に滅ぼされるまでのおよそ100年、最盛期の平泉には10万人の人口があったそうですが、今の人口はおよそ9千人とか。「夏草や兵どもの夢のあと」。松尾芭蕉がこの地へ来たのは元禄二年(1689年)、義経が衣河館で自害し、奥州藤原氏が滅亡して500年目にあたる年だったそうです。私たちは今回プロジェクト135第一回の山形から車でまわって平泉まで来ましたが、芭蕉が「五月雨を集めてはやし最上川」と詠ったあたりを走ってきました。世界遺産のほんの一部を見てきたのですが、十分に価値はありました。交通の便も良く、駅にも近く、お勧めです。次回は白神山地です。お付き合いください。 |
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