プロジェクト135パート2 第52回 (アゼルバイジャン)城壁都市バクー

 アゼルバイジャンといって、あーあそこ、と分かる人はかなりの地理通、ましてその首都バクーなどまるで見当がつきませんでした。コーカサスという名に興味を持ち、アゼルバイジャン、グルジア(ジョージア)、アルメニアの三国を指すと知り、これらがカスピ海と黒海に挟まれ、北にロシア西にトルコ、南はイランに囲まれた地域と分かるまでには時間がかかりました。コーカサス3ヶ国のなかでアゼルバイジャンは一番大きな国で人口は940万人あまり、その首都バクーは人口208万人ほどでカスピ海に面しています。石油が出るので原油、石油製品、天然ガスが主要輸出品ですが、もともとは農業や牧畜などが主産業の国です。バクーの町は5世紀頃からあったとされますが、もともとペルシャ人のゾロアスター教徒の多い町だったそうです。そこへアラブ人とともにイスラム教が到来、その後、オスマン帝国、さらにロシア帝国に占領されるなど、バクーはアゼルバイジャン固有の文化はもとより、アラブ、イラン、ロシアなどの影響と文化が共存する独自の景観を持つようになりました。バクー城内は、それらのモスク、メドレセ(イスラム学院)宮殿、浴場など建築物や技術の集積、景観の優れた例として2,000年に世界遺産に登録されました。今までに見て来た世界遺産の中でも、特別異国情緒を感じる物でした。
 
■今回場所は
 

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この地図の右側の水色がカスピ海、左側の水色が黒海、上がロシア、左下がトルコ、下がイランそして右下の赤丸がバクーです。
 
バクーへは日本からの直行便はなく、今回私達はカタールのドーハで乗り換えました。
 
ドーハ、そうですあのドーハの悲劇で悔し涙を流したあのドーハです。空港には何故か巨大なクマのぬいぐるみがありました。
 
バクーの空港へ着いた時はもうクタクタでした。
 
そして、いきなり昼食なのです。何しろもう飛行機乗り続けで観光どころではないのです。これがまず出て来るサラダです。
 
次にスープ。
 
それからメイン。この日はドルマというぶどうの葉でひき肉を包んだものが出ました。おいしかったです。
 
そして紅茶とデザート。これがコーカサスの定番です。
 
そしていよいよ城壁都市へ。
 
これはなかなか攻め難いかもしれません。
 
城壁と見張塔が美しいバランスを見せていました。
 
内側には御多分にもれず、おみやげ物屋さんとひまそうな売り子?売りおやじ?つかれちゃったっと。
 
何といっても、あっちこっちと戦ったのですからもう頑丈このうえなし、といった感じです。
 
大砲。
 
岩とばし機。本当は何というのでしょう?
 
モスクの向こうにはフレームタワーという超近代的ビルとテレビ塔。バクーはアゼルバイジャンのドバイともいわれるそうで、石油景気に沸いているのだとか。
 
城壁に残る銃弾の跡。
 
銃弾の跡は今は昔、現代はこんな具合のバクーでございました。
 
アゼルバイジャンは絨毯でも有名なのだそうです。素敵な物がたくさんありました。
 
コワイですネー。
 
こんなのが、あちこちに使われていたようです。
 
城壁は全体でこんな風になっていたようです。
 
廟内、つまりお墓です。
 
ハンマーム、つまりお風呂の跡。
 
モスクのミナレット
 
廟内、とてもシンプルでした。
 
乙女の塔。悲しい言い伝えがあるのだそうですが、忘れてしまいました。
 
ありました、自転車です。アゼルバイジャンには自転車がないのかと思うくらい見ませんでした。乙女の塔が自転車を呼んでくれました。
 
からくもあと一台、カスピ海をバックに走る自転車です。
 
アゼルバイジャンは87%の人がイスラム教徒だそうであちこちにモスクがありました。
 
その代表的なビビヘイバットモスクです。
 
外観はシンプルですが内側は豪華絢爛です。
 
ご覧下さい。これ純金だそうです。モスクに入るには私達も頭をスカーフで隠さなければなりません。
 
モスクのすぐ下にある造船所です。
 
火の山「ヤカレダー」というそうですが拝火教、ゾロアスター教の聖地だそうです。地中からの天然ガスが燃えています。
 
こちらが拝火教寺院です。今では全世界に10万人ほどしか信者はいないそうですが、インドの拝火教の人がお金を出して造ったそうです。
 
かつてはこんな風だったとか。
 
バクー郊外にはこの様な石油掘削用のヤグラがたくさんあります。かつてはこれが林のようだったそうです。
 
現在ではこのような大規模な物がたくさんあるそうです。
城壁に囲まれたバクーの旧市街、モスクやミナレットに見られるイスラム教の世界、古くからのゾロアスター教の聖地やその寺院などシルクロードの時代やそれ以前を感じられる景観と、石油掘削ヤグラやフレームタワーに代表される近代的街並みのギャップが何とも不思議なバクーでした。次回の「ゴブスタンの岩絵」は今回の旧市街より、もっともっと古い時代のもの、ご期待下さい。