プロジェクト135パート2 第34回 (ノルウェー)ブリッゲン

 ブリッゲンといわれて、それが何だかすぐに分かる人はよほどの物知りではないか、と私達不勉強コンビは思ってしまうのです。調べました。ブリッゲンとは、ノルウェー第二の都市ベルゲンの中心部にある、ハンザ同盟時代からの木造の建築物群なのです。最盛期の15世紀にはドイツ北部を中心に200都市を越えたといわれる都市が結んだハンザ都市同盟は、一言でいえばその都市の資源はその都市の商人が独占的に扱い、外来の商人は排他する同盟だったようです。そんな中の一つベルゲンの資源はニシン、サケ、サバなどの水産物、とりわけタラの干物は全ヨーロッパへ大々的に輸出していたようです。そのタラの干物を保管、出荷する為の倉庫、出荷場だった大きな木造の建物が集まった地区、ブリッゲンだったのです。ブリッゲンはノルウェー語で阜頭という意味で、ハンザ同盟時代ドイツ人街だった地区にカラフルで奥行の深い木造倉庫がならんでいます。
 
■今回場所は
 

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ブリッゲンのある都市ベルゲンはおよそ北緯60°のあたりにあり、昼がとても短い町です。私達が行った12月は冬期で、朝10時になっても町の様子はまるで夕方です。
 
これが当時の代表的産物タラの干物です。信じられないぐらい大きかったのですネ???
 
ナーンテ、これが本物です。コチンコチンでハンマーでたたかないとこわれません。
 
ノルウェー産塩サバなんて日本でも見ますヨネ。
 
現地の市場で見たヒラメです。
 
このマリモみたいなのがウニだそうです。
 
カニやエビ、日本の市場とあまり変りません。
 
これが港の反対側から見たベルゲンの町です。真中あたりの三角屋根が集まっているあたりが今回紹介するブリッゲン地区です。
 
近寄って見るととても大きな建物が集まっているのが分かります。
 
今は1件ずつはおみやげ物屋さんだったり、レストランだったり、ブティックだったりします。
 
ここは大工さんだったのでしょうか?
 
家の中で作業していました。
 
表通りに面している所はあまり幅がないのですが、その奥行きの深いこと深いこと。
 
奥行は表通りの幅に対して10軒分ぐらいの深さです。
 
奥でも店になっている所がたくさんありました。
 
奥への通路を挟んで左右の建物が階段などで繁がっている所もありました。表の広さに対して税金がかかる制度でもあったのでしょうか? アムステルダムや京都のように。
 
この大きな建物が木造なのです。
 
そして、2階や3階から荷物を上げ下し出来るようになっています。
 
建物の間をぬけると広場がありますが、これが平らではないのです。ベルゲンは山から海へ段階的に開発された町なのだそうです。
 
なんな訳で、店の扉もすこしかしがってます。イエ、私はまだ素面です!!扉がかしがっているのです。
 
ホラ、ストランもちょっと傾いてるでしょ!!
 
ハイ、ハイ、今回も飲みました。でもちょっとです。これ、ノルウェー産北極ビールです。いくらだと思いますか ? スーパーで40クローネ、800円ぐらいするのです。
 
エーエー、たまには店でも飲みました。でもこのコップに入ったビール、何と78クローネ、1,600円近くするのです。傾くほどなんて飲めませんでした。
 
物価の高さで驚いたのはビールだけではありません。10NOKと書いてあるのは10ノルウェークローネという意味です。およそ200円。さて何でしょう ?  そーです。トイレです。
 
ノルウェーの人はよほど高収入なのか、ハタマタ外でトイレへ行かないのか ? 私達貧しい日本人は交替で入ろうか、と相談してしまいました。
 
そんな訳で道端で今後の日程どーでしょう ? と思案しました。
 
そして街中の両替所でノルウェークローネの補充をしたのです。
 
そんな物価高のノルウェーでは自転車は強力な味方です。雨でも一番安い自転車で移動します。
 
ブリッゲンの町の中にも駐まっていました。
 
そんなこんなを全てひっくるめて、世界遺産ブリッゲンはあるのです。
 ヨーロッパというと石の建造物の印象が強いのですが、ブリッゲンを見て改めました。北緯60°といえば稚内よりもっと北、カムチャッカのまだ北で、どんなに寒いのだろう、きっと石の頑丈な建物の中で生活しているのだろうと想像していたのですが違いました。まず、ベルゲルのあたりは暖流が来ていて、12月中旬に行ったのですが雪でなく雨でした。気温も‐1℃~‐3℃ぐらいで、外に出てもそんなに寒く感じませんでした。ノルウェーは海岸以外は山が続き、森林が多く木材が豊かな土地柄、木造建築が多いんだそうです。日本でも木造建築は多いですが、特殊な神社や仏閣を除いてあんなに大きな物、古い物は知りません。よくも現代まで残ったものだと感心しました。また、こんな地球の裏側の北の人々の生活を実際に見られることは有難いことだと思います。50年前の人達だったらこんな気楽に、こんな遠くまで来られなかったろうなーと我が極楽とんぼはまだまだ見た事の無い、珍しい、素晴らしい所を見に行くのでございます。次回は今回の続き、西ノルウェー‐フィヨルド群-ガイランゲルフィヨルドとネーロイフィヨルドです。お楽しみに。