プロジェクト135パート2 第8回 ベルンの旧市街

 実は今回ベルンに長期滞在し、そこからスイス国内、各地の世界遺産などを訪ねました。それには紹介しております “スイスパス” がとても有効でした。出掛ける前に日本で詳細の計画を立てていけば現地でもっと時間を使えたとは思いますが、逆に疲れたとき、雨のときなどホテルで次の計画を立てるのも結果的には丁度良いペース配分が出来ました。

 遠くへ出掛けないとき、ベルンの市内、とりわけ旧市街を何日も歩きました。わざわざその街を訪ねるわけではないので、のんびりといろいろな部分を何日もかけてみることが出来ました。

 ベルンの旧市街の基礎は1191年、ツエリンゲン家によって築かれたそうです。U字型に流れるアーレ川に囲まれており大聖堂、塔門、石造りのアーケード、沢山の噴水など中世の雰囲気を残す街並みとともに、現代都市としても機能的な点が評価されて1983年に文化遺産として登録されました。

 
■今回場所は
 

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ベルンのランドマークというべき大聖堂です。塔の上の方は工事中でした。旧市街の南側、アーレ川のほとりに立っています。
 
聖堂の中は人がほとんどいません。このベルンの大聖堂だけでなく、スイスでは有名な建物、世界遺産などでもあまり人がいません。日本だったら大変な人がいると思うのですが、、、。
 
ベルンの旧市街は30年前に世界遺産に登録されたのですが、当時スイスの人もあまり関心を示さなかったそうです。私達のような観光客が増え、その他の世界遺産も増え、スイスの人、特にベルンの人が自分の街が世界遺産だと認識し始めたのはこの10年ほどだとか。日本とは大分違います。本当に人が少ないのです。もったいないような情景です。
 
外側の彫刻も大したもので、これを見ているだけでも飽きないと思います。
 
アーレ川の北側から旧市街越しに見た大聖堂です。旧市街を見ればいつでも大聖堂が見えます。
 
旧市街の全体を見るのに最適な場所がバラ公園です。どこから見ても大聖堂が見えます。
 
ベルンの街はとても自転車の多い街です。特に街乗り用の自転車が多かったと思います。
 
普通の人が普通の自転車で普通に走っている、そんな風情があちこちで見られました。
 
ごく普通、日常的な、日本でいえばママチャリのような使い方なのだと思いますが、どことなくスマートに見えませんか?
 
それもその筈、スイスでは自転車は文化的なもの、かっこいいものとして扱われているのです。??このチューブ、ギア、ペダルなどがディスプレイされているお店は何屋さんだと思いますか?何と貴金属屋さんです。
 
このチューブの膨れているところなど何とも知的ではありませんか???
 
スイスの駅には旅行案内所があります。これはベルンの案内所です。これからあそこへ行きたい、列車の手配、宿の手配などとても親切です。ただ、宿は有名地のホテルは揃っていますが、私達のようにちぃさな町、あまり人の行かない所のホテルは、“そこにホテルはない” など嘘ばっかり。きっとコミッション貰えるホテルのリストにはないのでしょうね?
 
これがベルン市内を走っているトラムです。スイスパスで無料です。自転車とトラムの間が日本では考えられないくらい狭いのですが、みんな平気で走っています。私では無理です。
 
トラムの中はこんな感じで、長く乗る人は少なくいつも空いています。
 
この写真はベルンの名物が3つ写っています。一番奥に時計塔、手前に噴水塔、左手ビルの下がアーケードです。
 
この時計塔はベルン最古の建物の一つで、1191年に建造されたそうです。時計が取り付けられたのが1530年。
 
この仕掛け時計は毎正時4分前から鳴り始め、鐘の音に合わせて鶏の時報、小熊のパレード、道化師などが次々に現れ、一見の価値があると案内書にはあるので、期待していったのですが、鶏や熊の出てくるところがばらばらで、何が何だか分かりませんでした。
 
もう一つの名物、ベルンのアーケードは通りの両側、建物の一階部分が通路になっており、その奥にショップが並んでいます。
 
これが真夏の日差しを遮り、雨の日も快適に買い物ができる優れものです。ずいぶん古い建物の下もアーケードになっていて、スイス国旗が誇らしげです。
 
ベルンの名物に噴水があります。その数の多さは驚異的です。これはトラムの停留所の前にある ”子供くいの噴水” です。子供の頭にかぶりついている食人鬼で、子供に危険を警鐘する意味があるのだそうですが、なんともグロテスクなものでした。アッ、私の後ろに立っている塔の話です。
 
ベルンにはこの他に、”バグパイプ吹きの噴水”、”アンナ・ザイラーの噴水”、”モーゼの噴水” など、至るところにあります。
 
スイスの街には噴水が多いですが、ベルンは特に多い気がします。
 
ではこの辺でベルンをちょっと離れて、スイスの山で出会った花々をお見せしましょう。
 
このあたりは黄色い花が多かったように思いますが、ここでは紫も混ざっていました。
 
こんな感じの花が至るところにありました。
 
でもやっぱり黄色が多かったでしょうか。
 
上の花を撮ったのはインターラーケンの東、ブリエンツから登山列車で登ったロートホルンの辺りです。このSLがもくもく煙を吐いて急勾配を登り降りします。
 
見ている分にはとても風情があるのですが、なんせ煙くて2、3日のどの調子が悪くなりました。
 
ベルンの街を取り囲んでいるアーレ川はかなり幅が広く、流れも速い川です。川の向こう岸に橋げただけ見えるのが、はるか上の大どりに架かる橋、その上をトラムが走っています。
 
この川で人が泳いでいるのです。というよりも流れて遊んでいるのです。旅行者が真似をして毎年何人か溺死するそうです。
 
橋のたもとまで自転車で来て、裸になって歩き出す若者、なにをするかとおもっていると、、、。
 
橋の上から飛び込んだのです。水煙の立っているところは最初の子、2番目の子はまだ空中ですがわかりますか?
 
ベルンの街は自転車だらけです。駐輪もあまりスマートでないものもありました。
 
でも自転車屋さんはとてもスマートでした。
 
この写真はベルンではありませんが、自転車に乗っている人もとてもスマートでした。
 
ベルンの市街は何百年も同じたたずまいを保ってきたのでしょう。
 
その裏で、大聖堂も修理中でした。道路の石畳も敷き替えていました。次の何百年も、この石畳が使われるのでしょう。
 
再びベルンを離れて、スイスで良かったもの、気づいたことを紹介しましょう。このところ、135で47都道府県を周っていたころより食べ物の出てくるのが少ないとのこと。もしかすると自転車旅行のようにお腹が空かないのかもしれません。自分たちで食べたのではないのですが、ある日の隣の4人組がお昼に食べていた盛り合わせです。いかにもスイスです。これとワイン2本、全く残しませんでした。女性二人いたのです。
 
上の大食漢にあったレストランのあるリギ山近くの風景です。こんな風に体を使っていればお腹も空きますよね…。
 
ベルンで泊まっていた宿のすぐ下のアーレ川のほとりには、小さなレストランがあります。遠くに見える橋がトラムの通っている橋です。わかった!今回は写真に撮るようなものはあまり食べていないのです。食生活貧しかった、、、、
 
アーレ川のほとりとトラムの通りを結ぶ木の階段。風情はあるのですが、急で長くて、一度で沢山です。
 
猫だってバテてました。
 
やはりスイスといえば山。これはフラン。モンタナの氷河を見下ろしているところです。ここは世界遺産ではありませんが、とても印象的でした。
 
これが上から見下ろした、プラン・モルテ氷河です。何ともいえない静けさでした。
 ベルンに滞在して、8つの世界遺産を見てきました。世界遺産でない、きれいな所へもたくさん行きました。なぜ世界遺産なのか分からないようなところもありましたが、それは自分たちの勉強不足なのでしょう。さすがに世界遺産に登録されているところは素晴らしいところが多く、写真ではその本当の良さはお伝えしきれない感じで残念です。

 135の国内47都道府県を行くのばかりでなく、日本に限らず、世界の良いところ、素晴らしいところを訪ねたいと思います。世界遺産1から8まではスイスでした。

 次回は日本、屋久島へ行こうと思っています。お楽しみに。