プロジェクト135パート2 第5回 サンクト・ガレンの修道院

 今回は、どちらかといえば苦手な、知識の無さから皆様にその本当の良さをお伝えできるかどうか不安な文化遺産です。

 このST.Gallen修道院はスイスの東部に位置し、612年に聖ガルス(Gallus)が僧院を建てたのが始まりで、その後8世紀に修道院が創建されたのだそうです。修道院の聖堂もフレスコ画などで有名だそうですが、修道院付属図書館は8~12世紀の医学書の写本(手書き本)が2,000冊もあることや、蔵書が140,000冊もあり、修道院付属学校とともに中世ヨーロッパの学問の総本山となっていたそうです。

 行く前から気が重かったのですが、どーしてどーして、街並みやフリーマーケット、自転車の様子など期待以上というか、私達にもその良さがわかるものが沢山ありました。

 
■今回場所は
 

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何とも立派なパイプオルガンではありませんか。さすが文化遺産、、、と思ったら、これは修道院の聖堂ではなく、隣の教会のパイプオルガンでした。
 
フレスコ画で有名と書いてあったのに、天井に絵なんてないしな、、、と悩みました。
 
本物の聖堂はこちらでした。外から見たところではびっくりするほどの規模とは思いませんでした。
 
中に入って、しげしげと眺めるにウーンこれはさすがと感じました。私のように知識がなくともこれはすごいと思いました。以前に行ったミュスタイアの修道院とは規模の点、色彩の分かりやすさなど明らかにこちらの方が素人受けします。
 
全くの素人である私でも、これはどこにでもある絵ではないなと分かります。カメラの腕ももうちょっと良ければもっと皆さんに良さをお伝えできるのに残念です。
 
ところで皆さん、フレスコ画というのはどんな絵のことをいうかご存知ですか?私たちは知りませんでした。調べたところ、壁に漆喰を塗り、乾かないうちに、フレッシュなうちにその上に絵を描く技法のことをいうそうです。なるほど、だから8世紀の絵の上に19世紀に絵が描かれ、20世紀になって下の8世紀の絵が保存状態良く発見された、などということが起こるわけですね。
 
これが、当時中世ヨーロッパの学問の総本山と言われた、サンクトガレン修道院付属図書館です。案内書によれば写本の数、蔵書の数、天井のフレスコ画など見るべきものが盛りだくさんのようですが、勉強に関連のあるものは根っから苦手な夫婦は外から見て終わりにしました。もったいなかったですかね???
 
土曜日だったせいもあるでしょうが、ここサンクトガレンの街には自転車が沢山走っていました。それもごく普通の自転車にごく普通の人が乗っていました。
 
ヨーロッパ特有の石畳を、日本でも見かけるようなスタイルの人が日本にもありそうな自転車で走っていました。
 
ヨーロッパ、とくにスイスでは、自転車はとても大切な楽しみの一つなのだと感じられます。特に家族で楽しむための重要な道具なのだと思います。
 
年代や、性別にかかわらず、うらやましい光景があちらこちらで見られます。
 
駅の売店で、自転車の雑誌が自然に売られています。
 
子供も小さい時から自転車に親しんでいます。おかーさんも道具がそろっているので安心して自転車で子供を連れて歩けます。
 
普通の恰好で、大荷物を積むことも当たり前のようです。
 
教会や修道院前の広場は大体マーケットが開かれるようです。日本でお寺の門前で市が立つのと同じことなのでしょうか?
 
こんな物何に使ったのか?買ってどうするのか?と思えるものも並んでいます。
 
小さな子供が品定めをしています。いずれこの子たちは店を出すようになるのでしょうか?
 
市場のわきを、買ったものを下げて自転車が通ります。
 
市場の中を自転車で伸し歩く女の子達。
 
その横で、結婚式の記念写真を撮っていたカップル。私見てしまったのですが、実はこの花嫁さんはビーチサンダルを履いていました。皆さんいろいろな苦労があるようです。
 
サンクトガレンは中世の頃から繊維産業で栄えた町で、その富で修道院に付属図書館を作ったそうです。今でも修道院が街の中心ですが修道院の周りには木彫りの装飾出窓がついた中世からの家々が並び、当時の栄華を伝えています。
 
今それらの飾り窓の着いた建物はカフェレストランやブティックになっています。
 
賑やかにはやっている店もあれば、静かな店もあります。
 
あと、この街だけではありませんがヨーロッパの街には銅像が多いと思います。日本の場合には神社やお寺などに誰でも知っているような人の銅像があると思いますが、こちらでは街中にあまり知らない(私たちが知らないだけでしょうが)人の銅像が立っています。
 
これなんか日本で言えば xx小僧でしょうか?
 
ここサンクトガレンは聖堂や図書館の中だけでなく、街の建物の外壁に絵が描いてあるのも特徴の一つかもしれません。
 
ここに住んでいる人には毎日のことで珍しくもないのでしょうが、外壁の絵を探して歩くだけでもかなり楽しめます。
 
飾り窓といい、外壁の絵といい、この街は中世からの繁栄、いかにも余裕の生活をしてきている人々が住んでいそうな町でした。
 
日暮れ時、サンクトガレンの駅では、どこかから帰ってきたサイクリストが駅のホームを歩いていました。
 行く前は、文化遺産という言葉に少し気が重かったのですが、ここサンクトガレンはとても分かりやすい街でした。図書館の蔵書などを紹介できたら興味をお持ちの方にはもっと喜ばれたと思います。でもほら、私たちは不勉強な老夫婦なのでお許しください。興味のある自転車とか市場とかが私たちにはふさわしいのでしょうね。

 スイス中の鉄道にタダで乗れるスイスパス、まだまだ有効期限があります。次回にはスイスパスについてもう少し詳しく説明させていただきます。

 さて次の世界遺産はドコにしましょうか?スイスパスの使えるうちにもっとスイスの遺産を廻ります。