自転車旅行 第25回 広島、岡山、兵庫(前編、広島~岡山~香川)

 "お寒うございます"の挨拶がおかしくない季節になり、お日様の有難さを感じています。今回は、前々回九州と同じく修学旅行感覚満載になってしまいました。というよりも、野次馬グルメ編のようになってしまい、テレビで見たから行ってみようとか、雑誌に載っていたからこの日の夜はここにしようとか、自転車の楽しさを紹介する筈の企画がどうやら自分たちの趣味の旅になってきたようです。
 今回の香川県は135で2度目となりましたが、フェリー利用で海側から行ったので風景が陸を走っているのとは違い、大きな地図や絵を見ているようでとても面白いものでした。
 
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  早朝の全日空、羽田空港発券カウンターです。シニア割引は予約できないのですが、カウンターで空席があればシニア割引で乗れるのです。
予約状況が△印になっていたりするとドキドキしましたが、大丈夫でした。今までに乗れないことは一度もありません。今回もOKです。
  搭乗口に着くころに日の出を迎えます。
  朝のコーヒーを飲むぐらいの時間的余裕があります。
  あっという間に楽ちんで広島着。
  前回の神奈川編では鍵を忘れてしまい名所を見られませんでした。
今回は、ばっちり鍵をもって出たので安心です。
  広島といえば?
そーです。まず、『カキ』を思い浮かべます。
今回はいろいろなカキを頂きました。
まず宮島駅前でカキフライ。
  宮島の名物にアナゴ丼があるのは知りませんでした。
私には、うな丼の方が美味しい気がします。
  アナゴで作ったちくわです。
これはあっさりして美味しかったです。
  そして、カキの塩辛。
生のカキを麹に漬けたようなもので、舌がしびれるような感じがしました。
トーチャンは絶賛していました。
  では、こんなに種類のある食べ物は何でしょうか?
広島名物『紅葉まんじゅう』です。
店の外の看板です。
  出来上がるとこんな具合にして売っています。
  甲子園などで広島代表を応援するとき、しゃもじを打ち鳴らしますが、広島がしゃもじの発祥の地だからだそうです?
  宮島では厳島神社。
引き潮で大鳥居まで歩いて行けました。
貝がいっぱいでした。
  水の無い海、その上の厳島神社。やはり満潮の時の方が迫力があったような気がします。
  「あ~ら、おばちゃん、乗っけてあげるよー!」と妙に親しげな女性の車引き。
  余りの迫力についつい乗ってしまいました。自転車にはいつも乗っているのですが、人力車は生まれて初めてです。乗り心地は今一つでした。
  宮島から広島へ戻り、原爆ドームへ。
  私たちは徒歩でドームや平和記念公園を見て回ったのですが、このお嬢ちゃんはマイバイクで回っていました。
  広島のお好み焼きはうどんか、焼きそばかどちらかを選べます。どちらにしても大変なボリュームです。
  食べ終わったら、満腹でこんな具合でした。
  今回出かける直前に、B級グルメのグランプリで備前・日生のカキオコが5位に入っていたのを見て、「よし、これ食べに行こう!」ということになりました。
広島から日生までは電車、と決めていました。なんとその日の予報は雨。
  広島、岡山までは新幹線。
岡山から備前・日生までは赤穂線。岡山から播州赤穂行に乗ります。
自転車2台はだいぶ嵩張ります。大体車両の最前部か最後部が置きやすくなっています。
2両編成のこの日の赤穂線はワンマン運転。女性の運転手さんでした。
  無人駅が多く、機械化されていない駅では最前部の運転手さんに切符を渡して降りる仕組みです。2両目は扉が開きません。
2両目の最後部に自転車をすっぽりはめて乗ったのですから、こんな具合の車内を運転手さんの所まで自転車2台持っていかなければならなくなったら、と考えると道中心配で仕方がありませんでした。
  駅はこんな感じの所が多く、心配で心配で最前部まで行って運転手さんに聞いてしまいました。
「日生は全部開きます!」答えてくれた運転手さんはとても良い人です。
  日生の駅ではB級グルメ、カキオコの歓迎がありました。
  これが待望のカキオコです。
カキまし(増し)で食べました。期待通り大変美味でした。
  天気予報通り外は大雨。というより嵐に近い状態でとても自転車に乗れる状況ではありませんでした。
夏ならともかくこの寒いときに雨に打たれながら自転車に乗る年寄り、なんてシャレにもなりません。
などと言いながらサボる相談は簡単に決まってしまう私たちなのです。
  日生の宿は宴会場が主で、大きな水槽にはシマアジ、ハモ、フグ、カワハギ、ワタリガニ、その他、おいしそうな魚がうようよしています。それが安いのです。
これは袴エビの踊り、こんなに量があって980円。しまエビをもっちりしたような味と触感でした。
  カキのてんぷら600円です。
あと一つあったのですが、写真を撮る前に食べてしまってトーチャンに怒られました。
  イイダコの踊り。
まだ箸にくっつくのです。
  合間にちょっと生。
サボっている日は疲れもなくご機嫌なのです。
  炙りさんまの握りずし。
これいくらだと思います?
なんと、890円!!
「しゃりがちょっと硬いかなー」などと贅沢さえ言わなければ、私、日生に住みたーいといった感じでした。
ところで私は日生を読めませんでした。備前"ひなせ"と読むそうです。
  今回の計画を立てていて、地図を見ているうちに、日生と小豆島の大部(おおべ)を結ぶフェリーを見つけました。
これも日生に行きたくなった理由の一つです。
  フェリーの出発時刻まで、日生を探索。昨日と打って変わって良い天気になりました。
  昨日着いた時は泣きたいような横殴りの大雨だったJR日生駅。
今日は歓迎してくれているようでした。
  日生は岡山県ですが、カキの養殖が一大産業のようです。
カキ棚に吊るす種を入れる貝を、吊るす紐の手入れをする漁師さんたち。
  カキ棚に吊るす、貝の山。
  カキの加工場。
ベルトコンベアの左の方に海があり、船からカキを乗せ、右側の加工場に運びます。加工場の中には沢山の人がカキを剥いています。
ここには19セットのコンベアがあるそうです。
  剥いたカキの殻は建物の外側に沿って違うコンベアで流れていきます。
  その外側で殻つきカキで売れるように殻の周りをきれいにしているおじさん。
  かくして円盤に入れて1,500円。
  さー、船着き場へ。
  フェリーに乗るのは自転車が最後です。
  船の中では自転車はこんな具合に停めておきます。
  およそ一時間ほどで小豆島に着きます。
あっという間に小豆島が見えてきました。
  船から降りるのも自転車が最後です。
  皆さんは小豆島というと何をイメージしますか?
私は、オリーブ、24の瞳、寒霞渓などを思い浮かべていたのですが、実は石というか、岩が小豆島の大きな産物だったのです。
大阪城の石垣用に切り出した石を送ったそうです。その残骸が島のあちこちにあります。
  道路の横には今でも石垣の所が多い気がします。
  道路は側道が広く、車はほとんどなく、全島貸切状態です。
  フェリーの着いた大部から土庄町小海地区にある、大阪城残石記念公園まではおよそ6km。
その間とても立派な家が沢山ありました。
  およそ400年前、大阪城に使う石を小豆島各地で切り出したそうですが、もう十分ということで、残された石が島の中に2,800個以上残されたそうです。
石といっても半端なものではありません。一つがこんなに大きいのです。
  小海地区を担当したのが細川家だそうで、この公園が整備された時の記念碑がこれまた大きな石で作られていました。
  そんな昔にこんなに大きな石をどうやって山から切り出したか?がこの公園の資料館に展示されています。
  山から切り出してきた石を海上輸送で大阪へ運んだそうです。
石を載せて海上輸送した筏、修羅というそうです。
私と比べてみてもらうと、その大きさがお分かりでしょう?
  その修羅を海上に浮かべて、このようにして輸送したのだそうです。
  資料館の周りにはこんな大きな石が沢山、ごろごろしています。
  さー、満足したので鍵を開け、今夜の宿はおよそ10km戻った小部です。
 自転車旅がだんだん楽しさを増してきました。走り慣れてきたこと、袋の出し入れにも慣れて億劫でなくなったこと、コースづくりに変化を持たせられるようになってきたこと、ばれないようにサボれるようになってきたこと、ペース配分が適切になってきたこと、おいしい店を探せるようになってきたこと等など、理由はいろいろ考えられます。
 一つの理由ではないでしょうね。慣れてきたころに楽しいことは終わってしまうのです。
 後編【香川・兵庫】兵庫が終わるとあと5都県になってしまいました。沖縄はもう予定をしているので年内に行くとして、あと4都県は来年にしようと思います。寒くなってきましたし、終わっちゃうの寂しいし、、、