北海道は、今までに2回、一度は列車で函館、札幌へ、一度はフェリーで小樽から海岸線一周の自動車旅行の経験がありますが、今回は自転車で内陸の旅です。
旭川空港から入って、帯広空港から帰ってくるおよそ200kmの旅、美瑛や富良野の花は見られるかな~。とにかく雄大な景色を堪能すべく出かけました。台風4号が後ろからやって来るのが心配ですが、まぁ北海道は大丈夫だろうと根拠のない強気でルンルン気分で出かけました。 |
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わが町坂戸からは、羽田空港までの直通バスが出ているのです。早朝3時起きして始発を待ちました。バスと飛行機の取り合わせは 乗り換えもなし、荷物も入れてしまえばお任せでとても楽です。 | ||
そのうえ、カウンターで空席があれば、私たちはシルバー割引が適用されます。予約は出来ないのですが 普通 空席の無い事などめったにないと思います。旭川まで通常38,150円が割引だと12,170円ですヨ、使わない手はありませんよネ。 | ||
空港に着いたら早速自転車を組み立てて出発です。この日はまだ台風は遠くうっすらと日差しがありました。 | ||
トイレで自転車用に着替えて来て出発。 | ||
北海道の人はとても親切です。どっから来たの?どこ行くの?何しに行くの?どこに泊まるの?これ全部旭川空港からの路線バスの運転手さんが、バスを私の横に止めて尋いてきたことです。美瑛に行くのに物凄くたくさんのコースを教えてくれました。わっかんないけどアリガトー。 | ||
何しろ北海道はどこもかしこも真っ直ぐな道ばかり。道幅も広く、自転車用レーンも整っていて、とても走りやすいのです。ですが、一本間違えたら大変なことになりそうで、いつものヤマ勘走りはできませんでした。 | ||
なんせ、車はいない、人は歩いてない、見渡す限り一直線。車はぶっ飛んでるし、迷っても聞く相手がいないのです。 | ||
何とか美瑛の入り口へたどり着きました。開拓が始まって百年の記念碑、さすが北海どー。 | ||
美瑛の丘は長~い坂道を上下しながら汗かきかき登りつめると、ワーっと360度開けて、それまでのハーハー息に集中していた意識が一挙に解放されてしまいました。 | ||
波打つ農地が大きな区画できれいに仕切られているのでとても気持ちが良かったです。 | ||
美瑛の丘にはいくつものビューポイントがあり、それぞれ広い駐車場が整備されています。まず出てきたポイントがセブンスターの木。タバコのCMに使われたそうです。 | ||
次のビューポイントは、ケンとメリーの木。スカイラインのCMに使われたそうです。 | ||
ケンとメリー近くのペンションではこの木を客寄せに、地元産ジャガイモを使った「いももち」を売っていました。美味しかったです。 | ||
ケンとメリーもスカイラインです。 | ||
美瑛の丘から市街に下りる途中にカルビーの工場がありました。地元産ポテトを使ったポテトチップスを作っているとか。 | ||
美瑛の町はまるで外国のようでした。道幅が広い、自転車レーンがご覧の通り、車がほとんどいない、人なんてもっといない、静かな町でした。 | ||
街路樹の根本にはスズランが。 | ||
今夜のご馳走、本場のアスパラ、これがゆでアスパラと | ||
アスパラとベーコンのバター炒め。 | ||
台風4号は本州を直撃、時速60kmで北上中。ゲッゲッこれでは明日は北海道か? | ||
翌朝、うーん、ちょっと雨模様かなー? | ||
朝ご飯はバイキング、根がいやしいものでついつい沢山盛ってしまうのです。 | ||
雨もですが風がひどくて、それも向かい風。美馬牛峠、深山峠を越えて富良野の平野部へ出るのですが、下り坂もこがないと進めないような、強風でした。とても写真を撮るどころではありませんでした。雨が顔に当たって痛いほどでした。 | ||
気温も低く、国道は怖いので、平野部の広域農道を走りました。遮るものが何もなく、よろよろと富良野を目指しました。こんな時はいつも何で自転車で走らなければいけないの?ちっとも楽しくない!!と思ってしまうのです。 | ||
富良野は盆地です。四方を山に囲まれたとてつもなく広い平野が富良野です。時期が早くて、たいして花も咲いていませんでした。あーあっ、何でこんなとこ走っているのかしら、早く宿につきたいなーとぼやきながら風に向かってもがいているところです。 | ||
両側から山がだんだん近くなり、富良野が近いと思われるころ、横切った鉄道の駅が“鹿討”いかにも北海道らしい名前でしょ?トーチャンが例によって“特別に富良野まで電車で行こう”って言ってくれないかなーと期待したのですが無視されました。電車は来たのですけど、、、 | ||
でも、富良野の民家でお茶をご馳走になって、ホッと一息つけた時は、やった!と温かくなりました。なーんて嘘です。これは富良野の、“北の国から”資料館の中にある、黒板五郎さんの家のセットです。よくテレビを見てましたので蛍になったようでした。 | ||
富良野のご馳走です。このお寿司屋さんはかなり独創的で、これが“ミニちらし”。ケーキを入れる容器ようなものにそれぞれの具を盛りつけてあります。一人前で二人が大満足でした。これで2,100円はお値打ちだと思います。富良野の強風もなんのその、美味しいものを食べさせてくれればいつもご機嫌な私なのです。 | ||
富良野は北海道の“へそ”なのだそうです。へそ神社です。この穴に両側から手を入れて握り合えると絆が強まるのだとか?何故かトーチャンはやるのが嫌だというのです。 | ||
私が富良野名物へそ踊りの真似をしたからでしょうか? | ||
富良野のホテルは素泊まり、つまり朝食もありません。前日に買っておいたおむすびとパン、お茶に牛乳の簡素な朝食です。でも食べられればいいのです。どこで朝ご飯、次はどこでお昼、晩は宿でか町でかなどおよその目安を決めておかないと食べ損なってしまう危険性があります。北海道は極端に店が少ないのです。 | ||
昨日が寒かったうえに天気予報では今日の最高気温が10度とのこと、そのうえ小雨、昨日ほどではありませんがかなり強い向かい風、トーチャンは偉い、荷物の中にタイツと長袖を入れてあったのです。それでも寒かったです。 | ||
富良野はメロンの名産地だそうです。道端の生産者が出している店で、地産地消としゃれました。美味しかったー。幟の様子で風の強さが想像できるでしょう? | ||
このコースでは空知川を何度も横切ります。 | ||
水量が豊富でした。 | ||
旭川、美瑛、富良野と概ね237号線をたどってきました。下金山のあたりで富良野市から南富良野町に入ります。 根室本線は次の金山駅で237号線から離れて幾寅へ向かいます。237号線をそのまま行くとその先は占冠村(しむかっぷむら)。私たちは金山で左へ、道道金山幾寅線へ入ります。 | ||
今日の目的地かなやま湖森林公園、ログホテルラーチは金山駅から登って登ってその上に急坂シェルターを2つ越えかなやま湖畔を6㎞程走ったところです。 | ||
途中は車もほとんどなく楽しみ放題でした。 | ||
なんせ、今朝は自前の食事ですから、早朝6時30分には宿を出ているので、お昼前にホテルに着いてしまいました。さー、ここで問題が起きました。立派なホテルなのに昼食のサービスはございません。お飲物は提供させていただきます。仕方なく?ビールになってしまったのです。 | ||
どーしてもの場合は売店でカップめんを買ってください、つまみになるものも売ってます。というわけで、この日の昼は宿泊予定のホテルで、カップラーメンとビールとつまみの昼食と相成ったのであります。今朝出たホテルからここまでの通過した集落には食堂は一軒もありませんでした。 | ||
昨日、今日と雨にあたり、強風に吹かれたので、宿で温泉に入って温まり、潤滑油も摂って気分よく過ごしているのだから… | ||
自転車さんにも気持ちよくなってもらおうと、汚れを取り、本物の潤滑油をたっぷりあげました。 | ||
翌日の朝ご飯は結構な和食でした。こんなの出せるんだからお昼もやればいいのにねーとブツブツ言いながらしっかりいただきました。今日は多分狩勝峠まで食堂はないものと思われます。 | ||
始業点検です、といっても私は前後のタイヤの硬さを見るだけですけど。 | ||
今回私が楽しみにしていたことに、高倉健主演、鉄道員(ポッポヤ)の撮影現場見物がありました。 | ||
根室本線幾寅駅が映画では幌舞駅として使われました。現在はJR幾寅駅として存在しますが、駅の入り口には大きく幌舞駅の看板がかかっています。 | ||
駅舎内には当時のポスターや衣装などが展示されており、駅前には食堂セットや床屋さんなどがそのまま残されていました。 | ||
幾寅で国道38号線に出て、落合駅を目指します。 | ||
この日も寒くどんよりとしていましたが、幸い雨は降らず助かりました。 | ||
落合を出て、すぐにおじさんたちが集まっていました。この写真の左のおじさんは元山仕事をしていたそうで、その当時使っていた道具を家の横に展示【?】してありました。初めは胡散臭そうに無愛想だったのですが、興が乗ったのかこれが何とか、こっちがかんとかと説明してくれました。何かとても自慢げでした。 | ||
サー、今回のハイライト、狩勝峠にかかります。道はたいして急ではないのですが、長ーい直線の登りが続きます。どこまでも、どこまでも、坂道が続くのです。 | ||
まだまだ続くのです。嫌になるほど続くのです。 | ||
狩勝峠の茶店が開いていたのが分かった時は本当に救われた思いでした。名物豚丼と定番のラーメンを半分ずつにしました。 | ||
が、断然豚丼に軍配が上がりました。 | ||
ここからは大好きな下りです。しかもあまり急坂でなく何もしないのにちょーどよい速さで進みました。今回の旅で一番気持ち良い部分だったかもしれません。 | ||
今夜の宿は新得温泉、民宿のようなところでした。ビールは自販機で500ml缶400円、やすい。 | ||
朝ご飯は定番の鮭、のり、たまご、納豆、煮物、結構でした。2食付5,800円。これは安いでしょう? | ||
翌日、台風4号は温帯低気圧に変わったとはいえ北海道のすぐ横です。またまた雨の予報です。 | ||
この頃の天気予報は憎らしいほどよく当たります。雨降りの中の自転車は楽しくありません。が、帯広まで何が何でも、行かねばならんのです。 | ||
狩勝峠の向こう側ではほとんど畑で、酪農は見なかったのですが、こちら側、十勝平野ではあちこちに牧場らしきものがありました。 | ||
大きな牛が、みなこっちを向いていました。餌くれると思ったのでしょうね。 | ||
この日は帯広まで国道38号線をひたすら走ります。 | ||
何か ごとごと、あーあっパンクです。見渡す限りの麦畑、どーしよーと思っていたら、意外や意外、トーチャンがちょろちょろッと直してしまったのです。 | ||
こんなこと出来るなら、家にいる時ももっといろいろ手伝ってくれればいいのに、と思ったのです。いいませんでしたけどね。 | ||
ランプ、油、タイヤ外し、工具、チューブ、空気入れ、タオル、軍手、ワイヤー錠、バッグカバー、冬用タイツ、長袖シャツ、いざとなるとどこかから何かが出てきて問題解決。家でおーいあれくれなどと言っているのと同じ人とは思えません。 | ||
道具を片付けるころになって、反対側走行中の若い女性が戻って来て、“大丈夫?手伝おうか?”【たぶんそう言っているのだと思うのですが】と近寄って来てくれました。トーチャンの出番です。ひとしきり会話して、オーストラリアから一人で来て、3週間かけて北海道を回るのだとか、どこの国でも自転車乗りはいい人なのですね。 | ||
帯広駅に予定通り昼前に着き洋食屋さんに入りました。土曜日だったせいか、はたまたこじゃれているせいか23人の客のうち男性は4人だけという、さしずめ女子会御用達のお店でした。とてもおいしかった。 | ||
帯広は大都会ですが、さすが十勝平野、街中にエゾシカが群れておりました。 | ||
最終日、この旅一番の雨。駅前の宿から帯広空港までは26km、リムジンバスがホテルの前に停まるよ、とか空港まで1,150円で安いよとかいろいろいったのですが、今回のトーチャンは情け容赦なく旭川空港から帯広空港までは完走するのじゃと霧雨の中を出かけました。 | ||
駅から空港までは160mほどの登り、でも、あまり登りとは感じないほど緩やかでした。 | ||
途中でトーチャンがタオルを挟んでくれたので、私の被害は少なくすみましたが、自転車もお尻もびしょびしょ、空港の建物が見えた時には本当にホッとしました。 | ||
びしょびしょになってしまった自転車は空港で丁寧に拭いてから袋に入れます。 | ||
ここまで出来ればしめたもの、あとは空席を見つけてシルバー割引です。 | ||
サー、締めはおびひろ名物豚丼です。狩勝峠の豚丼に比べると空港のは、豪華です。温泉卵や山芋がトッピングできます。峠で軍配の上がったものよりも、空港のは断然おいしかったです。完走してホッとしたからかもしれません。 | ||
テレビや写真などで雄大な大地ときれいな花はしっていましたが、残念ながら今回は季節が早くてラベンダーは見ることができませんでした。大きな区画に植え付けられているジャガイモ、トウモロコシ、麦や菜っ葉、などなど、遠くから見るととてもきれいでした。起伏があるのと相まって見通しが良く、気持ちが晴れやかでした。今回は天候には恵まれず特に強風の向かい風や雨もあり、初めてのパンクもあったりして、自転車旅にはかなりきつめでした。何の根拠もなく北海道は緩い旅、天気も大丈夫だろうと出かけたことを何度も悔やみました。
でも、旭川空港のバスの運転手さんや、オーストラリアからのお嬢さんなど、人の優しさが印象に残りました。まっすぐな道、広い道で、車のスピードが凄いので大型車が横を通るときは怖い思いをしました。大荷物を積んだ若者グループに何組か出会いました。きっと夏場には自転車旅、ツーリング族が多くなるのだろうと推測できました。 この旅はかなりきつかったです。天候の悪影響がかなりありました。大体昼前に目的地に着くような日程なので何とかなりましたが、日程によっては泣きたくなったと思います。年寄りは無理せず、毎日楽しく楽に走ることが肝心だとつくづく思います。プロジェクト135を始めてからほぼ1年たち、もう半分以上回りました。今回の難所、狩勝峠も難なく越えられました。静岡で阿部峠を越えたころに比べると、とても楽になりました。自転車旅の本当の楽しさがわかってきたのかも知れません。なんといっても私は乗るだけですから楽しいのかも知れません。もしかしたら私、自転車旅中毒にかかっているのかも知れません。だってあんなに辛いと思ったのにまた別のコースに行きたいなーと思ってしまうのですから。 |
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