自転車旅行 第6回 青森県

前回は番外で海外を見てきました。 今回は気合を入れて青森縦断です。
実は埼玉のあと自転車に乗っていなかったので不安でした。
出来るだけ楽そうなコースを時間を掛けて探しました。
でも実際には結構きついところもありました。 
十和田、奥入瀬、八甲田の紅葉を楽しみに出かけました。
 
  出発前の準備です。
地図でコースを探し、時刻表で列車時刻をチェックし、泊まる所を選び、、、、、、
  肝心なのはこれを上手にメモすることです。
現地で見やすくしなければならず、あまり簡便にすると見た時に意味が解らなくなったり、使い勝手の良いメモがなかなか出来ません。
  出発前の準備でもうひとつ、と言うかもっと大切なことに自転車の整備があります。
自分で全部手早く出来ればそれが一番ですがなかなか。
我が家のトーチャンはちょっと出来るのですが、時間がかかります。
その上、やってるうちにいやになってしまいます。
そこでお薦めは近所の自転車やさんと仲良しになることです。
  ラッキーなことに我が家の近くにこの4月から新しいお店がオープンしました。
その名を ルブラン、ご主人は野沢さんといってとても親切です。
  出発の朝、偶然にも川越駅で同好の士に出会いました。
彼も同じく青森まで『はやて』で行って、なんと埼玉まで自転車で帰ってくるのだそうです。
私から見ると鉄人です。
  十和田南までの沿線は実りの秋でした。
  昔ながらの天日干しもありました。
  無事目的地 十和田南駅に着きました。
  駅で組み立てて、ブレーキと変速機の調子を見る試運転。
  それにしても何もない駅前でした。お昼ごはんを探すのに苦労しました。
さて本番の朝。
  まず膝 伸ばして。
  また割りやって。
  アザラシになって。
  背中を伸ばして。
  十和田南から十和田湖へ行くには発荷峠を越えなければなりません。
  奥入瀬渓谷とは十和田湖をはさんで反対側になりますが、沿道には別の渓谷がありそれなりに綺麗なところでした。
  発荷峠への上りも心配した程きつくなく、気持ちよく登れました。
  発荷峠から見る十和田湖は曇り、紅葉もまだで感激するほどのものではありませんでした。
  十和田湖畔は車も少なく快適でした。
  ご存知 高村光太郎作 乙女の像。典型的日本女性の体系で私は何故かほっとします。
  この小さな橋が秋田県と青森県の県境です。危うく見過ごす所でした。
  あの先の標識を右折するといよいよ本日のハイライト、奥入瀬渓谷です。
  ご存知の方も多いと思いますが、奥入瀬渓谷には車道と、車道とは別に人だけの遊歩道が平行して走っています。遊歩道は、自転車を押して歩きます。
  私の自転車にはボトルが2つだけなのでまったく問題ないのですが、トーチャンのには例によって大荷物が着いているので、階段のある遊歩道は長く歩けませんでした。
 
この後はステキな紅葉が…
  今夜の宿、遊魚荘は 養魚池を持っている それこそ知る人ぞ知るヒメマスの宿です。
  晩御飯はひめます づくし。中でもひめますの刺身は抜群でした。
おや、、今夜はビールがない?
イエイエ画面のそとに、、、、
  遊魚荘の在る十和田湖温泉は奥入瀬渓谷を下りきった焼山にあります。
標高が低いので紅葉はまだまだです。
  次の目的地猿倉温泉は標高850m、そこまでの登りが今回で一番の難所でした。
が、そこまでが広大なブナ林の中を切開いて作った道路、高度が増すにつれて紅葉が濃くなり、それはそれは見事な紅葉の海でした。
  ブナの紅葉の海を独り占め。なんとも豪華な気分です。
  谷地温泉の分岐あたりまで来ると、ブナ以外も加わり、ますます濃くなります。
  ついに八甲田山が姿を見せ始めました。
  紅葉の豪華さと坂のきつさ、いいことばかりではありません。
  今日の目的地 猿倉温泉は、番頭さんによれば、一日前の紅葉のほうが輝いていた、とのこと。私にはこの日でも十分に綺麗でした。
  翌日は、最終目的地 浅虫温泉を目指して、紅葉の海の中を出発です。
  八甲田山をバックに紅葉の海を行く私です。
  田代平のあたりまで下ってくると、またまた紅葉には間がある景色になりました。
  雪中行軍遭難碑です。猿倉温泉から八甲田山をおよそ半周したことになります。
それにしても200名近くの死者が出た雪中行軍訓練、何とかならなかったのでしょうか?
  遭難を知らせに戻り、雪中で仮死状態で立っていたという後藤伍長が発見された場所、の案内板です。私のヒートテック貸してあげたかった。
  自転車に乗っていると、大体どこから来たか、と聞かれます。次は何のためにきたか?
そして、失礼にもほとんどの人が、あんたいくつと聞くのです。このおじさんなんか、いきなり年齢聞いたんですよ、、、
  いよいよ最終日、夏泊半島一周に挑戦です。
  今までの山の中と違い海沿いの道を快適に走りました。
  写真では分かりにくいですが、海の向こうは津軽半島が良く見えました。
  たくさんの漁船、左手奥には青森市、その向こうに岩木山がうっすらと見えました。
  今日はお昼抜きかと心配になった半島先端の大島。ここに釣り船、貸しボート、干物屋さん、ついでに食堂、といった風情の店がありました。
  写真を撮ると言ったらお母さんは、着替えてくると叫びました。何とかそのまま撮ったのですが、絶対前に出るのはいやだ、と私の後ろに隠れました。
  残りの半周は、もう飽きてきて、
  景色もいいけど、ツカレタナーとぼやき始め、
  あのおっかない4号線走って帰るのやだな、、、、
  へ 、へ 、へ 、言ってみるものです、小湊駅でトーチャンは自転車をたたみ始めました。
  しめしめ と思っているうちに自転車は袋の中。
  私は電車のお客様。時間がたっぷりあったので、トーチャンが自転車をやっているうちに町の酒屋さんで缶ビールを調達、駅のベンチで ぐびり といったのであります。宿まで自転車で帰るときはこうはいきません。 ひっ、ひっ、ひっ、
  翌朝、新青森駅では鉄道記念日のイベント中。一日駅長さん達のお見送りを受けました。
  ”ねぶたん”と”ハネトン”も私を見送ってくれました。
  トーチャンはミス青森に見送られたと言い張っているのですが???
今回の青森は良いことが沢山ありました。
まず、天気に恵まれたこと。
初日、十和田南駅から大湯温泉まで冷たい風に吹かれてこれは雨になると急ぎました。
宿に着いてお風呂に入っておよそ1時間後、大粒の雨と雷、突風が吹きニュースで秋田県に竜巻注意報とのこと。
翌朝は嘘のように快晴。 その後は全行程晴れ。
最終日、夏泊半島から電車で帰った日、夜中に雨、翌朝は曇り。
第一回の山形で大雨の中を走ったご褒美か、快適な天気でした。
やはり自転車に乗るには良い天気が一番です。

次に良かったのが温泉です。
場所が場所だけに、温泉の本場、毎日毎日温泉三昧でした。
それもただ温泉に入るのではなく、自転車で汗かいてからですから気持ちの良いこと良いこと。
あと、今回はコースが私向きだったと思います。
何度か降りて押すことはありましたが、おおむね乗ったまま上り切れる坂でしたし、あまり辛くなかったのは、自転車に慣れてきたこともあるかもしれません。
以前は上り坂で辛くなってからギヤーを変えていたのですが、今回は早め早めに変速できるようになった気がします。
もっと慣れれば押さないで上れるところが増えるのかもしれません。
今回、自転車の自由度と言うか気ままに勝手が出来る楽しさを強く感じました。計算した予定時間よりも早く着きそうなら、遊覧船に乗ったり、ブナ林で長めの休憩を取ったり、予定になかったコースを走ってみたり、疲れていやになったら自転車をたたんで電車で帰ってみたり、とても開放された気分になりました。
だんだん自転車が好きになりそうな予感がします。
何といっても走った後に温泉でしょう、ビールでしょう、好きになりそうなのは自転車そのものでは無いのかもしれません。
あまり寒くならないうちに次回を考えよう。