岩手国体 中村龍太郎

9月末の金曜日に38.2℃まで熱が上がってしまい、その週末のレースはパス。
久々に土日が空いたがひたすらに寝る。国体を控えているので「薬を飲んではダメだ」と自力で治そうとするけど、思った以上に熱がひかない。
ドーピングに引っかからない薬を教えてもらい、飲んで寝たら一気に下がった。さすが半分は優しさでできているだけある。
平日の全精力を休むことに費やす。木曜日に定時で退社して岩手へ。
ハヤブサは全席指定で各席にコンセントがついていたりと快適。20161006_191442
盛岡に到着し、駅に降り立つとめっちゃ寒い。
半袖で出たので急いでパーカーを着る。今回はこのパーカーと千葉県ジャージしか持ってきていない。死んだ。
東北本線で紫波中央駅へ。いきなりのワンマン運転でドアの開閉が押しボタン式。
開かないドアに困っていると、後ろの人が「こうやって開けるんだよ。常識だろ?」みたいな感じでボタンを押す。
「スイマセン…」と萎縮する。
紫波中央駅に着くと千葉県の監督の手嶋さんが迎えに来てくれていた。
順天の監督でもあるので学連の時から存在は知っていたが、このように絡むようになるとは思ってもみなかった。
孫が大学生で千葉県代表なのでかなりの高齢なのだが、すごい元気。
うちのじいちゃんもそうだが、耳が悪いようで、自分の発する言葉がどう聞こえているかがわからなくなるのだろう。
話を聞きとるのに全神経を耳に集中するため、聞く力が身に着いた気がする。
宿について風呂に入ってすぐに就寝。
朝周回練でもできるのかと思いきや、できず。ぶっつけ本番のスクラッチに。
会場に早く着いたのでロードで軽く走ってくることに。両親が既にコースを車で一周したとの連絡があったので合流して試走することに。
速攻で道に迷い合流が遅れる。一周したあと会場に戻るとレーススタートの一時間前。IMG_20161007_111118
急いで準備して中へ。スクラッチは10人上がり。足の調子がわからないので自分からはアタックせずに金魚の糞走法。
二人前の奈良のアタックについていくと、4人で抜け出すことに成功。ここからが地獄。
後ろは追うのを諦めたようで、後ろからきた2人が合流すると、何故かペースが上がる。
残り一周で集団をラップしそうな勢い。既にツキ位置だったけど、どうせ上がれるからと半ギレで千切れる。
若い衆には老体を労わる走りをしてほしいこと、この上ない。6位で予選通過。

次の日の決勝もほぼ同じ時間。違うのは土砂降りの雨。
恐れていた事態だ。寒い。思わずロードの相方でもある原に手袋を借りる。
前に走った競技では落車が頻発。とにかく生きて帰る、あいるびーばっく。
スタートして様子見。昨日のダメージが残っていたので自分としてはラストのスプリントにかけたいところ。
皆エーヤをマークしているようで、その隙にアタックしていく選手は全部回収された。
自分は一度6人くらい先行したところで集団のペースが落ちたので「まずい」と反射的に飛び出す。
単独で追いついたけどその後先頭がペースを落として回収される。無駄足。
残り二周半でいい感じでエ―ヤの後ろにつけた。
が、既に足はいっぱいいっぱい。集団ペースが上がり反応が遅れ、車間が開いたところに他県の選手が入ってきた。
残り一周で後ろから群馬の小林君が上がっていくスピードを見て、もはや諦めしかなかった。
スプリントに参加できる足はなく、13位でゴール。疲労が激しい。
自分の目の前で滑り落ちていく選手を見たり、後ろで落車の音がしたりとナーバスなレースだったけど無事に帰還。
安心したのか3本ローラーで派手に落車。右手の平をついて、腰を打ちつけた。
濡れた三本ローラーには二度と乗らないことを固く決めた。
午前中で終わったので午後は部屋でゆっくり昼寝。手の平が内出血を起こして紫色に変色していたのでひたすら冷やす。IMG_20161009_171244

次の日はロードで、自走で会場へ。
予報は晴れると信じていたのにシトシトと降っている。
手の方は抑えると痛いけど、ブラケットを持つ部分には当たらないので問題ない。
手首の方まで紫色が広がって、中二病が発症するかと思った。
レースのスタートは各県で場所が決まっているのでピリピリしなくていい。
パレード走行で先頭まで出る。レースがスタートしてエーヤのファーストアタック。さらばじゃ
平坦メインのコースなので集団の中にいると楽。
それでも各県二人なので強い人に逃げられると自分で牽かなければならないから面倒になる。
なのでなるべく先頭でこなす。
中島さんやおっぺいのアタックに反応したけど、逃げれず。
逃げが出来たのは自分が補給を獲ろうと下がった後。これはタイミングが悪かった。
オッペイや中島さんを含む集団は8人?
気づいたら50秒差まで広がる。集団のペースは思った以上に上がらない。
残り3周の登りでいよいよやばいと思ったのでゆっくりアタックしてみる。
鹿児島の水谷君(シマノ)がついてきたけど、二人だと追いつくのは難しそう。
下りで集団が後ろに迫ってきたので諦める。
自分の足を使ってしまうけどローテに入る。残り二周手前の平坦で捕まえる。
オッペイに「捕まえるのが早いよ」と言われたけど僕だけじゃない。
以降登りでペースが上がるかと思ったけど、そうでもなく。
むしろ平坦でのアタックによるペースの上げ下げがきつくて、足を削られる。
心配していた最終周の補給地点の登りでのペースアップはなく、勝負は最後のスプリントになるかと思ったが残り5kmからの山梨の鮮やかな攻撃。元々山梨県民の僕としては「かっけぇ!」と思うほど、タイミングが良かった。
僕はというと集団のペースが上がるたびにポジションを下げて、ラスト1kmでは既に最後尾。登りで遅れ、一人でゴール。33位。14729383_1108750899201602_4802460423727650397_n

photo by konno atsukoさん

自分としても狙っていたし、千葉県からも期待されていたので悔しい結果に。
病み上がりで不安しかなかったが、キチンと休息をとったから思った以上に走れたとポジティブにとらえることにする…続く。