皆さんこんにちは。FELTサポートライダー、トライアスリートの飯田です。
昨年は1年間に渡り、トライアスロンデビューの為のコラムを私主体でお話ししてきましたが、今回は少し志向を変えて、より初心者目線からのアドバイスにする為に、皆さんから頂いた質問にお答えする形式で行きたいと思います。
題して
「自転車乗りの方におくるトライアスロンのすすめ」
今回、ご登場頂くのは、今年、トライアスロンデビューを目指す、
自称「坂バカプロモーションスタッフ」RYOさんです。
ちなみにRYOさんはロードレースにも参戦する自転車乗りで実はランニングも結構速くて、更に既にある程度泳げて、非常にポテンシャルが高いのではないかと噂されるライトウェイプロダクツジャパンスタッフの方です(笑)
という事で、早速ですが始めていきたいと思います~。
目次
Q1 トライアスロンって3種目を連続してやるという、見るからにきついスポーツだと思うのですが、それを続けられているのは何故ですか?
「3種目連続」 「超・・いや、長距離」 「競技時間が長い」
これらのフレーズからきついイメージがかなり先行しているようですね笑
無理もないですよね。実際、私も始める前そう思いましたし、
始めたばかりの頃は、
「これはとんでもないものを始めてしまったぞ・・。」
と思ったものです。
しかし、まず一度大会を実際に見て頂くと判るかと思いますが、実に幅広いレベル、年齢層の方がチャレンジして、しっかりと完走している事がわかるかと思います。
中には、70歳以上の方もいらっしゃいます。
この事実に多くの人がトライアスロンを続けている一つのヒントがあると思います。
しかし実際にやってみると単体種目の方がはるかにきつい場合もあります。
確かに3種目連続で行うきつさもありますが、3種目それぞれで動かし方が違うので、トータルの競技時間に比べれば身体への負担は分散されます。
故に、過酷なイメージに比べ、やってみると意外にチャレンジできるのだと思います。
また3種目あるので、トレーニングも準備もやる事がたくさん。
これもまた大変な事ですが、ポジティブにとらえると、とてもやりがいのある、奥の深いスポーツです。
また海、川、湖、プール、平地、山、暑さ、寒さ、風、雨・・・様々に、そして刻々と変化する自然の中で長時間身体を動かす、非日常性。
特に競技時間がトップ選手でも8時間、最長15時間にも及ぶアイアンマンディスタンスの完走した時の達成感は日常生活ではなかなか味わえない感覚で、日常生活にも大いに刺激を与えてくれるはずです。
こうした様々な要因が、その過酷さをも上回る魅力で、多くの年齢、レベルの方がトライアスロンにチャレンジして、そして続けているのだと思います。
Q2 自転車だけで結構忙しいのですけれど、はたして日常生活の中で3種目もトレーニングできるものなのでしょうか?
これは実は多くのトライアスリートの悩みでもあります。
しかし結論から言うと可能です。(いや、可能にしなければなりません笑)
コーチの立場からすると、自転車を既にやられている方は、基礎的な体力と自転車に乗るスキルは身についていますので、その点で全くの運動未経験者の方に比べると自転車に関してはアドバンテージがあると捉えて、トレーニング計画を組み立てていきます。
方法としては色々とありますが、
一度、自転車のトレーニングの頻度を落として、未経験種目の克服に着手します。今回のケースでは、スイムとランですね。
更に未経験2種目を一度に強化もなかなか難しいと思いますので、まずどちらか一つから攻略していきます。一般的には苦手な方の多いスイム→ランの順番でしょうか。
運動されている方なら、なんとなく感じている方も多いかと思いますが、ここで重要なのが頻度です。未経験種目ほど、頻度(練習と練習の間隔)をできるだけ開けないようにしていくのが上達のコツです。
平日は良くて3回、1時間程度、土日のいずれかに少し長めに時間が取れるというパターンが多いと思いますので、練習は週4,5回と仮定して、
自転車週4回だったものを、スイム2回、自転車1回、ラン1回
5回の方は、スイム2、自転車1、ラン2
辺りでしょうか。
慣れてきたらスイムの頻度と1回あたりの練習量を上げていくイメージになります。
ちなみに頻度ですが、できるだけ等間隔が望ましいです。
毎週月、火にスイムより、毎週月、金にスイムの方が良いという事です。
(毎週月、火だと翌週まで5日間も空いてしまう。)
また強化種目は、できれば早い段階で一度でも良いので、専門家の指導を受けた方が課題の抽出ができ、やるべき事が明確になるので上達のスピードも上がります。
これで1,2カ月続けてある程度レース完走の算段が経ってきたら、次にスイムの頻度を一度落とす、またはそのままでランの頻度を上げていきます。
ここで
「自転車の練習そんなに減らしても大丈夫なのか?」
と思う方も多いかもしれません。
もしかすると一時的に少し自転車自体のパフォーマンスは落ちるかもしれませんが、スイムとランの練習が有酸素運動ですので、思ったより落ちないはずです。また元に戻るのも早いはずですのであまり心配はいりません。
逆に他の種目を練習するようになってから(つまりトライアスロンを始めてから)、
故障が減った、かえって元の種目のパフォーマンスが上がった。
という声も良く聞くくらいです。
トライアスロンに取り組むことで、クロストレーニング効果が期待でき、スポーツの違った魅力、奥深さみたいなものを感じる事ができる可能性は高いですね。
Q3 トライアスロンのレース参加費は、自転車レースに比べると圧倒的に高い気がするのですが・・・それは何故ですか?
はい、正直に言ってトライアスロンは(も)とってもお金がかかるスポーツだと思います(笑)
そしてエントリー費もマラソンや自転車レースに比べると高いです。平均すると、51.5kmのスタンダードディスタンスのレースで2万円、ミドル~ロングで3万円~4万円程度。
アイアンマンディスタンスですともっとかかります。(もちろん大会によって差があります。)しかも近年は価格も上昇傾向にあります。しかしこれは何もトライアスロンに限ったことでなく、都市型のマラソンでも同じですよね。
何故高いか?
大会主催者が儲けようとしている?
いえいえ、そんな事は決してありません。
実は国内大会ではこのエントリー費でもギリギリの予算で開催している所がほとんどだと聞きます。
その参加費の高さの理由は実に様々ですが、ここでは単純に
「3種目あるから、3種目分の運営費用がかかる。」
と考えた方がシンプルかもしれません。
まず3種目分のエリア(場所)の確保だけでもなかなか大変です。
国内では公道を使用する場合は交差点などに警備員を配置するなどの決まりがあるようで、そうした部分での費用もばかになりません。
これに加え、スタッフ(人員)、機材、大会関係物などに多額の費用がかかります。
またトライアスロンの場合、スイム会場やトランジットエリア(スイム、バイク、ランのグッズを置く場所)のスペースと選手の安全確保の為、ランニングの大会のような数万人規模の大会を行う事は日本ではかなり難しく、ほとんど不可能ですので、どうしても参加人数に制限がある。となると収支に限度があり、どうしても参加者一人あたりの負担額は大きくなり、結果、参加費が高くなってしまう。
という事になるようです。
大会にはたくさんのスポンサーがつくので、そのスポンサー料で!
という声も聞こえてきそうですが・・・スポンサーもどんな大会にもそんなに簡単につくものではなく、またそのスポンサードも永続的なものではありませんので、あまり頼りにできない部分があります。
参加費を払ったからこそ、そこまでの準備を入念にして、レースは思いっきり楽しむ。
こんなスタンスがいいですね。
もっとも、トライアスロンの場合は、ゴールしたら参加費の事なんて、すっかりどこかに忘れてしまう程の充実感や達成感が得られると思いますのでご心配なく(笑)
今回はここまでです。
次回のテーマは
「トライアスロンを始めるのに必要最低限な道具」
予定です。
さて、次はどんな質問が飛び出してくることやら・・・私も楽しみです。
皆さんの中でも、もしトライアスロンにチャレンジするにあたって聞きたいことがありましたら、ぜひ質問をお寄せくださいね。
飯田忠司
プロトライアスリート
日本トライアスロン連合指導者養成委員
トライアスロンスクールI-STORM代表
主な成績
2011年 佐渡国際トライアスロンAタイプ 優勝
2012年 佐渡国際トライアスロンAタイプ 2位
2013年 五島長崎国際トライアスロン エリート2位
スクール情報(I-STORMサイト)
www.i-storm-tri.com/
オフィシャルサイト
www.iidatadashi.com