GTのフルサスペンション入門機「VERB ELITE バーブエリート」を実際に山道で走り、その性能をチェック。
ライダー:Kenji Jinno (裏山ライドTokyo)
i-Drive搭載のフルサスペンションモデルで148,000円(税抜)と廉価ながら評価の高い GT VERB Eliteをトレイルで試走した。
美しい曲線と立体的に造形されたスイングアームを持つアルミフレームは15万円を切るフルサスペンションバイクとは思えない存在感を放つ。
目次
信頼のi-Drive機構
廉価モデルでありながら、GTが時間をかけて開発・熟成させたi-Drive機構を搭載し、上りも下りもしっかり対応できるバイクというコンセプト。
SENSORと比較すると若干ホイールベースが短く設計されており、軽快さと快適さのバランスが実に「ちょうど良い」と感じられる。
フロントフォークの動きもスムーズ。
右肩のダイヤルで簡単にロックアウトできるのも便利だ。
ハンドルにリモートレバーはないが、すぐに手の届くところに操作しやすいダイヤルがあるので使いやすい。
トレイルを楽しむためのリアサスペンションシステム
スイングアームは6061アルミでボリュームのある造形がかっこいい。
チェーンリングの後ろに見えるのがリアサスペンションシステムのピボット。
高めのピボット位置のため、後輪は衝撃を後ろに受け流すように動き、スムーズなストロークになる。
もちろん、BBをメインフレームから独立させてキックバックをコントロールするi-Driveシステムを搭載しており、BB周辺部はそのあたりの「秘密」が詰まった機構になっていて、メカ好きは見ているだけでも楽しめる。
リアサスペンションユニット。
エア圧でスプリングの硬さを調整でき、赤いダイヤルでリバウンド調整も簡単に行える。
アプローチの平坦路。
ダンシングしてもボビング(ペダリングに合わせて車体が沈み込んでしまう現象)が起こりにくいことが実感できる。
アンチボビングとペダリングロスの少なさ、これは上位モデルと共通のGTのフルサスペンションバイクの特徴で、比較的廉価なこのVERBシリーズでもそれはしっかり実感できる。
15万円程度という価格を考えると、はっきり言って驚異的な性能だ。
激しい登りのコース
15kgを超える車体は押し・担ぎといったシチュエーションになるとやはり少々重さを感じざるを得ない。
しかし逆に言えば、乗って漕ぎ出せばその重さをほとんど感じず、むしろ軽快に走るという特性こそがこのVERBの凄いところだとも言える。
軽快なペダリング
登りで発揮されるi-Driveの真骨頂、ペダリングロスはほとんど感じない。
登りでこぎながら根っこなどを超えるシチュエーションでも、ギャップをしっかりと吸収しながら、一定のトルクをかけながら登っていく。シッティングでもダンシングでも不自然な挙動がなく、気持ちいい。
ダウンヒルの走行感
下りに入ると、その軽快さとスムーズさにもう一度驚く。
SENSORと比較すると若干ホイールベースが短く設計されていることもあり、左右の細かいライン選択が軽快に行える。
トレイルを楽しむのに最適
ヘッド角はSENSORと同程度で下りも不安なく安定しているのだが、ホイールベースはやや短めにして左右にも振りやすく、遊べる味付けになっている。
いろいろなところが「ちょうど良い」のだ。
まさに、上りも下りも楽しめる一台に仕上がっている。
まとめ
ペダリングロスのない心地いい上り性能と、下りでも余裕を持って左右にコントロールできる軽快さと安定感の両立。
ひと昔前なら超高級バイクでもなかなか実現の難しかったこの「ちょうど良い」味付けがこの15万円前後のバイクで実現しているのは、冷静に考えてみれば驚くべきことである。
担いで登らなければならないようなシチュエーションが連続するのでなければ、このVERBはくるくるとペダルを回せばどこまでも行ける、グイグイ登って下れる、街乗りからトレイルまで、マルチパーパスなモデルとして素晴らしい一台だ。
GTの各種MTBは今回インプレッションを行った裏山ライドTOKYOでレンタルバイクとして試乗出来ます。
利用可能日や車種などは公式WEBサイトをご覧ください。
http://www.ura-yama.com/BIKE/country/pg290.html
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