SR SUNTOUR社は、世界No.1のサスペンションフォーク生産数を誇るメーカーです。
そのラインナップには、グラベルロード用に設計された「GVX」サスペンションフォーク(リンクはこちら)も含まれています。
今回は、このGVXサスペンションフォークの日常的なメンテナンス方法について詳しく紹介します。
目次
メンテナンスの基本:外側の汚れを落とす
メンテナンスを始める前に、まずフォークの外側に付いた汚れをしっかりと落としましょう。これがメンテナンスの基本です。
フォークの分解手順
フォークの上下を切り離す
GVXサスペンションフォークの特徴として、フォークエンドがダンパーシャフトの真下に位置している点が挙げられます。これにより、ボトムボルトを緩める際の工具と方法が従来のフォークとは異なります。
サービスホールのキャップを外す
フォーク背面の下部にあるサービスホールのキャップを、細めのマイナスドライバーなどで外します。軽く持ち上げると外れますが、傷つけないように注意してください。
ボトムボルトを緩める
スルーアクスルを抜いた後、フォークのボトム部分から5ミリのアーレンキーを差し込みます。ボルトを左回りに回し、2~3ミリほど浮くくらいまで緩めます。次にプラスティックハンマーで工具の頭を軽く叩いて、ボルトの圧入を外します。
ボトムボルトの取り出し
ボトムボルトとボトムケース(ロアーレッグ)の圧入が緩んだら、ボルトを完全に緩めてサービスホールから取り出します。左右のボルトの色が違いますが、進行方向に向かって右側のボルトはオイルカートリッジのボトム部にアーレンキーを挿してダンピング調整を行えるよう、ボルトの真ん中に穴が開いています。ダンピングの調整は3㎜のアーレンキーを差し込み、右周り(時計回り)に回すとダンピングが効くようになります。
フォークの分離
ボルトが外れたら、フォークの下側(ボトムケース)を下方へ引っ張り、フォークを上下に引っ張って切り離します。
ダストシール部の洗浄とグリスアップ
- ダストシール部の清掃ボトムケースが外れたら、ダストシール部をきれいにし、グリスを塗布します。汚れたまま使用すると、フォークの動きが悪くなり、摺動部を傷める原因となります。
- グリスの選定グリスはメーカー純正のもの、もしくはゴムや樹脂を侵食しないものを使用することをお勧めします。SR SUNTOUR社からも純正グリスが販売されています(リンクはこちら)。
フォークの再組み立て
- 準備組立てに入る前に、ダンパーカートリッジから出ているダンパーシャフトを最大限に伸ばし、エアー室に3気圧ほどのエアー圧を入れておくと作業がしやすいです。
- 組み立て分解の逆の手順でフォークを組み立てます。ロックアウトレバーを右回りに回してロックアウトが効くか確認し、作業終了です。
- ロックアウトレバーの調整ロックアウトが効かない場合は、ロックアウトレバーを親指で真上に持ち上げ、フォークの肩から外します。レバーを外すと、中に樹脂の歯車のようなパーツが出てくるので、これを右回しにしてロックアウトが効くように調整します。
結論
GVXサスペンションフォークは、SR SUNTOURブランドの中でも比較的簡単に分解でき、メンテナンスを行うことでフォークの動きが格段に良くなります。最近フォークのメンテナンスをしていない方や、したことがない方はぜひメンテナンスを試してみてください。
以上、SR SUNTOURのGVXサスペンションフォークのメンテナンス方法についてのご紹介でした。これであなたのフォークも快適に動くようになるでしょう。