スポーツバイクに乗り始めたころ、自転車店のスタッフさんに「バイクと一緒に買っておいた方が良いものは何ですか?」と質問をして返ってきた答えが、
「ライト」
「インフレーター(携帯ポンプ)」
「(交換用の)チューブ」と
「その入れ物」等々・・・
と聞かされ、一緒に揃えたのを今でも思い出します。
かれこれ30年程前(ん?もっとかな?)の話になりますが、必要な物は今でも変わっていない印象を受けます。
そこで今回はパンクの際、有ったら救われる(かもしれない)「インフレーター(携帯ポンプ)」について触れていきたいと思います。
自転車用ミニポンプの種類
一言で「携帯ポンプ」というといろいろな形のものが出てきますが、そこは目的によって選ぶと、「いざ」という時に苦労しなくてよいと思います。
大まかにグループ分けすると
・携帯性重視タイプ
・空気圧重視タイプ
・サスペンションにも対応できるマルチタイプ
等々、といった感じですが、代表的な物を紹介していきたいと思います。(*今回紹介するものはどれもバイクのボトル台座に固定が出来るホルダー付きです)
・携帯性重視タイプ
メリットとしては、とにかく小さく、ものによってはジャージのポケットに忍ばせることも可能なものもあります。
デメリットはというと、小さいが故に1ストロークでタイヤに送り込める空気の量が少な目なので、ストロークの回数が自然と増える傾向にあるということと、高圧まで空気を入れるには多少のテクニックと腕力が必要ということ・・・
写真はcrankbrothersGEM(https://www.riteway-jp.com/pa/shop/9618/)
・空気圧重視型タイプ
メリットとしてはボディーサイズが大きいため1ストロークごとに送り込める空気の量が多いこと。また、ホースを伸ばせるものであれば、ポンプを地面に押し付けることで、高圧まで空気圧を上げやすいです。
デメリットとしてはボディーが長い分、ポンプのホルダーや入れ物が必要になる事。
写真はSERFAS MP-04G(https://www.riteway-jp.com/pa/shop/10451/)
・マルチタイプ
今回ご紹介するポンプのメリットはなんといっても、サスペンションにも空気を送り込めることと、高圧でも空気を送り込めるパワフルさ
デメリットは、1回の空気の排出量が少ないため、ストロークの回数は増える傾向にあるということになります。
写真はBBB DUALPRESSURE BMP-39(https://www.riteway-jp.com/pa/shop/9566/)
ミニポンプの使い方
ということで、ポンプを選んだら、次はその使い方・・・
ちなみに今回の携帯性重視の代表選手のGEMさんはポンプヘッド部のフタを外し、中身のパッキンとプラスティック製のコマの方向を逆さにすることで米式と仏式のバルブに適したものに変更して使います。写真のように「パッキンの大きな穴をキャップ側側」「樹脂のコマの細い突起がある方をキャップ側」に向けると米式用になります。
サイズ感はこんな感じです・・・
また、ポンプの底部がハイボリュームとハイプレッシャーの切り替えダイヤルになっていますので、空気補充時に切り替えると効率よく空気圧を上げられます。(目安の表記もありますが、40PSIの手前でも硬くてポンピング出来なくなったら、切り替えるとよいです・・・)
携帯ポンプを使う際に起きやすいトラブルとしては、特にフレンチ(仏)式バルブに空気を入れる際にバルブの先端を曲げてしまうこと。曲げてしまうと、バルブのロックがキチンと機能しなくなったりします。そのような状態にならない為にも、出来るだけ、バルブ部とポンプヘッド部の位置がズレないように注意して空気を入れていくことが重要になります。
ということで、私はこんな感じでタイヤとポンプの位置がズレないように片手でタイヤとポンプを固定し空気を入れています。
しかし、ここで問題が・・・
「最近のバイクはリムハイトが高い!」これだと相当手が大きくないとポンプヘッドとタイヤを同時に支えるのは厳しいですよね・・・
結果、このような方法で空気を入れる方が大多数かと思います。とりあえず、タイヤの上から押さえていた親指は封印して、とにかくポンプヘッドは動かないように・・・
しかし、そのような状況で高圧まで空気圧を上げていくのは慣れないと非常に厳しかったりします。
そこで最近、私が愛用しているのはこのタイプ
ホースが伸ばせて、地面にポンプを押し付けられるタイプ。バルブのロック機能があれば、バルブ曲がりのリスクも減らせ、モアベターですね・・・ちなみに今回、紹介するMP-04G(以下グリフターさん)はバルブ口に対しポンプのバルブ口をねじ込んで固定するので、バルブ折れや、空気圧が上がった際にバルブからポンプが外れるということも避けられます。
しかも、今回紹介するグリフターさんはハイボリュームとハイプレッシャーモードの切り替えで中間のシリンダーを伸ばしたり、ロックしたりすることも可能です。
ちなみにモードの切り替えは、中間のシリンダーを下げ切った状態でシリンダー自体を「LOCK」の方向にひねることで中間のシリンダーの固定が出来るようになります。これがハイプレッシャーモードなので、ハイボリューム時はその逆ですね・・・
この機能により、ある程度高圧まで空気圧を上げられることから、修理後も長距離を走る可能性のある、ロングライドに行く人にもオススメだったりします・・・
使用時はこんな感じ・・・
脚を展開して、ホースを伸ばして、バルブにつないで、ハンドルを地面に押し付けて使用します・・・
ちなみに使用時、ハイボリュームモードでは245㎜から475㎜の230㎜のストロークで空気を注入しますが、ハイプレッシャーモードでは120㎜のストロークで空気を注入します。
携帯時の全長が290㎜程有るので「携帯におけるスマートさ」からは少しかけ離れますが、比較的簡単に空気を入れることが出来ます。(ちなみにこのポンプ、同シリーズの4代目ですね・・・)
そして、サスペンション付きのマウンテンバイクでオフロード走行をする方にはこちら・・・
サスペンション調整にも使えるポンプがオススメです。
見た目には少し太めのサスペンションポンプですが・・・
仏式バルブのアダプターも付属するので、仏式のチューブにもキチンとエアーの補充が出来ます。
ちなみに切り替えはポンプ底部の切り替えスウィッチにて・・・
この切り替えにより、タイヤにもサスペンションユニットにもエアーを入れられるので実際に走行するコースのコンディションに合わせたエアー圧の管理が可能です。
ハイプレッシャー時はシリンダー内の1部屋分のエアー外に逃がしてしまうことで圧を上げやすくしますので、ポンピング時は「シュッ!シュッ!」とエアーが逃げていく音がします・・・
他のポンプに無くてこのポンプにある物・・・それは、サスペンション用のポンプらしく減圧用のボタンも装備されています。正確にエアー圧調整をしてあげることで、サスペンションのトラブルを回避するだけではなく、快適に走行することも出来ますね・・・
バルブにポンプの先端を接続する際はポンプの先端のみひねることが出来る構造なので、確実にバルブとホースをロックすることが出来ます。
ただし、1ストロークで入るエアーボリュームは少ないので、夏の時期に山中でのパンク修理に使うと空気を入れるのに時間がかかり、地域によってはパンク以外に蚊とも闘うことになるかもですね・・・
以上、私的な観点から携帯ポンプについて御紹介をしましたが、「備えあれば憂いなし」的なアイテムですので、ミニポンプをまだ備えていない方は、スペアのチューブやタイヤレバー等と一緒に備えてみてはいかがでしょうか?