プロジェクト135パート2 第19回 (モロッコ)古都メクネス

 メクネスは城壁に囲まれた都市で、1675年から1729年までアラウィー朝の首都が置かれた都市です。この世界遺産は人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例として1996年に正式に登録されました。メクネスの最盛期は上記17世紀アラウィー朝のムーレイ・イスマルの時代ですが、彼は古い建物を片っ端から壊し、数多くの城壁や門、モスクなどを建設し、豪華な王国を造ろうとしたのだそうです。これは同じ時代にヨーロッパで太陽王として君臨していたルイ14世が造ったヴェルサイユ宮殿に対抗したのだと伝えられています。首都としてのメクネスは約半世紀続いただけで、歴史の舞台は第17回で紹介したマラケシュや次回お届けするフェズに移り、この町は衰退していきます。現在のメクネスは眠りこけているといわれているそうですが、重要な文化遺産のあるメクネスは、見る価値の十分にある世界遺産といえます。
 
■今回場所は
 

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エル・マンスール門です。そんなに巨大なものではありませんが、全面にモザイク、どれだけ手間をかけたのかうかがい知れます。
 
確かに、他の都市に比べると比較的静かだったかも知れません。
 
旧市街を囲う城壁の向こうに見える塔がグランモスクのミナレットです。
 
威圧的な城壁が市街を囲んでいます。
 
その周囲には自転車が停まっていたり、、、。
 
移動販売車がいたり、、、。
 
道路に勝手に店を出していたりします。
 
マンスール門のモザイク、、、みたいですが実は、お昼を食べた町中の普通のレストランの天井のモザイクです。
 
こんな具合です。モロッコでは、レストランと言わず、地面と言わず、モザイクや装飾品がいたる所にあります。
 
これは両方とも同じレストランです。
 
皆さん、この赤い服のオジさんは何をしていると思いますか?これは糸をまいているのです。道路で、反対側を若い男の子に持たせてクルクルと。
 
どう見てもこの城壁は威圧的です。決して友好的な感じはしませんね。
 
そんな街にも自転車は走っていました。この人、もう少し大きい自転車の方が良いと思うのですが、、、気にしないのでしょうか?
 
城壁の外側は自動車と馬車が普通に一緒に走っています。
 
内側はのんびりとした広場になっていて、何をしているのだか解らない人が至る所にいます。
 
そんなところをのんびり来るとチョッと大きめの門。あまり立派には思いませんでした。
 
それがあなた、近づいて見ると大変な門でした。
 
この門の左右にはこのような装飾の窓が連なっているのです。
 
これ2枚前の写真の門の赤い所に二ヶ所ドアが開いているように見える入り口です。さー、中へ入って見ましょう。
 
中は、床と言わず、階段と言わずモザイクだらけなのです。
 
壁もモザイク。
 
だんだん凄くなりますよー。
 
天井も見て下さいネ。
 
ここはヴェルサイユ宮殿に対抗した都市を作ろうとした17世紀の王の安置されているムーレイ・イスマル廟の中です。
 
この建物の、壁や天井のモザイクや漆喰彫刻は、今までいろいろな所を見て来ましたが、間違いなく最上位といえます。
 
この漆喰彫刻なんて、なかなか見られませんヨ。
 
こんな格好で入って来ちゃってスミマセンといった感じでした。この廟の凄さに考えさせられてしまいました。
 
第18回のヴォルビリスの古代遺跡が西暦40年頃で今回のモロッコの旅では一番古く、次が第16回のアイット=ベン=ハドウ、そして今回のメクネスが17世紀、そして17回のマラケシュと新しくなります。
モロッコで最も古いもの、それは化石です。
 
モロッコは大昔、海の底だったそうで、アンモナイトなどが採れるそうです。この写真は化石の入った岩を切り出して、お土産物に加工する工場で撮りました。
 
何故メクネスを紹介しているのに化石の話しになってしまうのか?そーなのです、珍しく永い時を経て、後世に残るものと、消えてしまうものの違いは何なのかしら、、、などと考えてしまったのです。

何億年も前の化石、何千年前の遺跡、何百年か前の建物などを考えると、私の人生今まで70年ほど、あと何年生きるのかわからないけど地球の歴史から考えるとほんの一瞬なのヨネーなどと思うのでございますヨ。

 
そーです。気を取り直して、いつもこうして楽しければ良いのです。
 
気分を変えてモロッコの食べ物のお話しをしましょう。市場では各種の肉が豊富でした。
 
これは輸送中のケバブです。この車を指差して現地のガイドは本当にケバブだ。と言ったのです。
 
これが調理済みのケバブです。
 
これが輸送前のケバブです。モロッコはどこもかしこも羊や山羊だらけでした。
 
野菜は良く出ました。
 
チキンも出ました。
 
そしてモロッコの自転車は、本当にどこにでも走っていました。
 
通学車。とても遠くまで行くようでした。
 
町でも、、、。
 
砂漠でも、、、。
 
のみの市でも、、、ともかく自転車はエライ、と思いました。
 
ところで皆さんモロッコは正式にはモロッコ王国といって王様がいらっしゃるのはご存知ですか?左がムハマンド5世1956年フランスから独立を勝ち取った王様です。5年後に急死したあとが真ん中のハッサン2世、右が1999年に即位した現在のムハマンド6世です。
この写真は、アイット=ベン=ハドウの集落を案内してくれたガイドの家にあったものです。
チュニジアに始まったアラブの春で、アフリカの王様達が失脚している中、モロッコのムハマンド6世はいち早く選挙を認めるなどの民主化を受け入れて、嵐を防ぎ今でも安㤗なのだとか。賢い王様です。
 メクネスは、行く前はあまり期待していなかったのですが、モザイクや漆喰彫刻などのほどこされた建物は期待以上でした。古都と言うだけに、グイグイと来る生命力のようなものはあまり感じませんでしたが、その落ち着きのある風情はチャンスがあればまた行って見たいと思わせるものでした。サー次回はいよいよモロッコの最終回、1981年モロッコで最初に世界遺産に登録されたフェズ旧市街をご紹介します。

 お楽しみに。