自転車旅行 第28回 沖縄県(後編)

 沖縄は色々な点で異国情緒にあふれていました。
 まず、海が全く違います。淡いブルーと緑を混ぜたようなサンゴ礁の海。
 家も違います。どの家も庇が長く日差しの強さが良くわかります。
 土地の名前が違います。今回滞在していた今帰仁(なきじん)のように読めない地名が沢山あります。
 食べ物が違います。豚肉がふんだんです。
 お酒が違います。日本酒は無いといってよいでしょう。泡盛です。50度です。ビールを飲んでいると隣のお客さんが「こっち飲め」と、泡盛をご馳走してくれます。嬉しいような怖いような、、、。
 人の見てくれが違います。割と小柄で目が大きく、人懐っこいというかオープンというか、"人類みな友達"みたいな感じです。
 今回は6泊7日同じところに泊まり、レンタカーと自転車で沖縄を満喫しました。
 
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  まず、海の違い。
この写真は古宇利大橋の上から撮った写真ですが、ここだけが美しいのではなく、沖縄のまわり中がきれいな海でした。
  典型的な沖縄の家。
これは昔からの古いタイプの家です。
  これが新しいタイプ。
船の横の丸い柱の所まで庇になっています。
  沖縄の食べ物というと皆さんは何を連想しますか?ゴーヤ豆腐ですか?
ゴーヤほど有名ではありませんが、これは南京豆で作ったジーマミ豆腐です。(漢字だと地豆豆腐と書くようです。)
むっちりして、コクがあってとてもおいしかったです。
  沖縄名産、海ブドウです。
プチプチしていてとてもさっぱりしています。
  もずくのてんぷらです。
お味は?うーーーん??
  ではこれは何でしょうか?
多分、"もつ炒め"と言いたいですよね?
  沖縄ではこういうのです。(中身のピリ辛)
  さて、では沖縄の人。
辺野古近くの"かっか食堂"のご夫婦です。とても親切で、このお父さん、西海岸は比較的平坦だけど、東海岸は自転車では無理と教えてくれました。
おかーさんは「埼玉へ行ったことがある」から始まり、私に喋る隙も、食べる間も与えずに、喋り続けていました。
  おかーさんの力作なす丼です。
これは沖縄料理というよりもおかーさんのオリジナルだそうです。とてもおいしかったです。
  今帰仁城で若者たちを見送って、私たちは名護の反対側、古宇利島を目指します。
  沖縄には馬場が沢山あったそうですが、今残っている中で一番当時の面影を残しているのが、ここ"今帰仁の馬場"だそうです。
どう使ったのか、、、。
説明を読んでも良くわかりませんでした。
  沖縄の良いところは、ほとんどの所に、"側道が整っていること"、"自動車が少ないこと"。
怖い思いをすることは一度もありませんでした。
  困るのは土地鑑がないので標識を見てもどっちだかよくわからない。
関西の時より、もっとわかりませんでした。
  それと、沖縄の道は起伏の多いことが特徴かもしれません。
"かっか食堂"のおじさんに平坦と言われた西海岸でさえかなりの起伏でした。
  古宇利島の近くでは、絶滅したといわれていた"ジュゴン"が目撃されたそうです。
草食だそうで、島の近くの浅瀬に生える海草を食べた跡があったそうです。
残念ながらこの日は会えませんでした。
  古宇利島でかぼちゃを作っている人と立ち話し。
遠くに古宇利大橋が写っているのですがわかりますか?
ほぼ直線で、2kmもあるとても景色の良い橋です。
  古宇利島は一周4-5km。
こんなちいさな島にどうしてこんなに立派な橋が必要なのかよくわかりませんでした。
  今帰仁の辺りには畑に電灯を設置して、何かを育てていました。
最初はこんなに小さいのです。
  それがこんなになって、、、。
  出荷前にはこんなになるのです。
さぁ、これは何でしょうか?正解は"菊"です。
これも沖縄の特産の一つで、内地に出荷するのだそうです。
全部を一度に植えるのではなく、順番に出荷できるように段階的に植えるのだそうで、同じ時期にいろいろな成長段階の畑を見られるわけです。
  さて、今日から引っ越しです。
最初の3泊はスタンダード、後半の3泊はデラックスです。一人1,000円高くなりますが、その差は大きかったです。まず、自転車を置くスペースが全く違います。
自転車用のスペースではありませんが、、、。
  左右にある寝室の真ん中の共有スペース。
オリオンビールが見えますか?
  お湯も沸かせます。
ビールも冷やせます。
  外観はこんな感じです。
トレーラーハウスは初めての経験でしたが、快適でした。
でも贅沢をしたい人にはお勧めできません。私たちの様に朝食だけのビジネスホテルが好きで、夕食は自分たちで探す方が好き、ほっといてもらうのが快適、という人種には向いていました。
  今回は、物凄い田舎の村で6泊もしたものですから、近くの食堂は完全制覇。
時には部屋でこんな食事の日もありました。これはこれで楽しいのです。
  最終日、快晴。
これは真面目に走らなければと、この日は今帰仁、名護、本部、海洋博記念公園、一周およそ45kmのコースに出発です。
最初の登り、多少緊張していたかもしれません。
  寒くもない、景色は良い、車は少ない、快調です。
  遠くに古宇利大橋が見えます。
  海岸に下りられるところで一息。
  海岸にはマングローブの小さいのが生え始めていました。
さすが沖縄です。
  今まで走ったいろいろな所の中で、今回の沖縄は道路事情は最高だったと思います。
北部の田舎だったからだと思います。
那覇の辺りはもっと混んでいるのでしょうね。
  日曜日の"ツール・ド・おきなわ"ロードレースの名残がありました。
  ジャングルの中のようですが、名護市内の公園です。
  沖縄料理に疲れてしまったので、いつも食べ慣れた料理でお昼です。小食でしょ?
  名護から本部、海洋博公園と続く道は観光の名所で、交通量も多いらしく、片側2車線。
その上に立派な自転車専用の道路が延々と続いていて、日本全国こんなだったらなーーと思ってしまいました。
  この環境で、市民ライダーもたくさん見かけました。
  遠くに海洋博公園の一角が見えてきました。
あの白いビルの向こう側、かなりの上りを覚悟しました。
  海洋博公園と我が家の間に備瀬のフクギ並木があります。
道沿いに風よけとして植えられているのですが、小径はトンネルのようになっていて夜は怖そー。
  あー、ようやく我が家に帰ってきました。
今日は天気が良くて暑かったし、坂道は多かったし、疲れたーーーー!!
  それでもって、その夜はこうなった訳です。
  翌日、帰り道で万座毛に寄りました。
私の立っているところもあんな風になっているのかもしれません。
  嘉手納空港を見下ろせる道の駅屋上です。残念ながら飛行機もヘリコプターもありませんでした。市街地にこんなに近いところに、こんなものがあるのですねーーー。
  羽田の食堂でこんな方にお会いしました。
みなさんご存知ですよね?
とても感じの良い方でした。
  帰りのバスから見た東京の夜景です。
今帰仁に比べると別世界ですね。
 沖縄はとても暖かったのですが、東京に帰ってきたらまるで冬でした。暖かいときの自転車はとても楽しいのですが、寒いときは正直楽しくありません。
 遠方が終わり、残りあと4都県になりましたがもう寒いです。ここまで来て怪我をしないようにと、トーチャンがあとは来年に回そうと言ってくれています。汗をかいて走ってこそ楽しいですからね。
 沖縄の道は、とにかく平らが少なくて坂道だらけ、それも急。厳しさひしひしでした。でも海岸線を走ると海の色や景色など、今までにないものでした。また多くの人々との出会いで、人懐っこく、心から親切で話しかけてくれる温かみを感じました。
 去年の7月、山形から始まったこの"プロジェクト135"も残すところあと4都県になってしまいました。皆さんに自転車の楽しさを少しでも紹介できたらと始まったのですが、自分が楽しくなってきてしまいました。
 お読みいただいている方のうちどなたか自転車を始めた方いらっしゃいますか?
 来年の春、暖かくなったらあと4つ、楽しませていただきます。