自転車旅行 第22回 九州 (前編、大分~熊本)

 前回から2週間なので、疲れは取れています。体も自転車を忘れていないのでいい感じに出かけられそうな予感がします。でも2日目に阿蘇の峠越えがあり、コースの半分以上が上りなので少々ビビッています。毎回帰って来てから近所の自転車屋さんで整備してもらうので、自転車は完璧なのです。自転車は心配ないのですが、、、今回は特に長旅なので体調が心配です。頑張ります。九州は美味しいものが沢山ありそうなので楽しみです。行った事の無いところが殆どなのでこの点も楽しみです。天気が良いとありがたいのですが。。。。
 
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  天気予報を何日も前から念入りに見て日程を決めました。問題は台風がいつ通りすぎるかでした。1日後ろに遅らせたのが大正解でした。
  今回の袋詰めはことのほか念入りのようでした。なんせ長旅なものですから。
  羽田行一番バスは4時35分発。まだ真っ暗です。
切符を予約した時「最後の2席です。」と言われたのですが、20人ほどのグループがいたのです。予約なしで待っていた人たちは補助席、こんなの初めてでした。
  大分空港行始発は、残席三角マーク、シルバー割引なので予約はできません。何とか乗れてラッキーと思ったら三角は航空会社の見栄でした。機内はご覧のとおりガラガラでした。
  大分空港から大分駅まではノンストップバスで二人で2,500円、結構な距離がありました。
  JR大分駅周辺は大開発中で改札口までがえらく遠くてトーチャン大仕事でした。あっ、私、腰痛くするといけないのでエレベーターに乗せるとかのちょっとの距離以外はトーチャンが2台運ぶのです。トーチャンの腰が痛くなったら?このプロジェクト135は終わるのです。
  豊後竹田までの豊肥本線は1両のみ。この電車に2時間乗るのです。
  出発が早朝なので大分駅で牛飯を買い込みました。これがとてもおいしかった。
  そのうえサービスでつけてくれる味噌汁を2人で食べるからと2つも貰ってくるのです、うちのトーチャンは。
  大分と熊本を結ぶ豊肥本線は単線です。豊後竹田まで2時間のうち多分45分ほどは入れ違いや、特急列車の待ち合わせなどで停車していたのではないかと思います。
  1両なのですがトイレが付いています。後ろの端っこに、邪魔にならないように自転車を置いてあるのですが見えますかね?
  沿線はすでに稲刈りも終わり長閑な田園風景が続きます。
  豊後竹田駅は立派な駅です。早速自転車を組み立てて豊後竹田探索です。
ここから大分県制覇。
  早速出てきました広瀬神社。あの『坂の上の雲』のロシア通のおじさんを祭ってある神社です。
  豊後竹田と言えば岡城が有名だそうです。日本100名城の一つだそうです。立派な石垣と石段が残っており、時間をかけて散策できました。
  二の丸跡近くに滝廉太郎の銅像がありました。少年時代を竹田で過ごし、岡城で遊んだそうです。荒城の月はここのイメージで作ったとか。
  街の中には、滝廉太郎記念館があります。実は彼が住んでいた家で、12歳から14歳まで住んでいたのだそうです。
  豊肥本線はこんな鉄橋を渡るのです。列車に乗っていれば感じませんけど、下から見るとちょっと怖いですね。
  みなさん『佐藤義美』さんてご存知ですか?
竹田出身の童謡詩人で『いぬのおまわりさん』の作詞者だそうです。
閉まっていたのですが、記念館の前で敬礼。
列車の中で牛飯を半分こで食べたのが10時半ごろ、お城に上ったり、町中を歩いたり、4時前にはお腹がぺこぺこになってしまったのですが、食べ物屋さんは全て5時から。
 
  そんな中で表戸を開けていた店、「すいませーん、仕込中なんで6時からなんですよー」と言われたのですが、「そのまま仕込みして、ビ-ルだけ飲ませてくれない?」とか何とか言って座り込み、結局もつ鍋を作ってもらいました。
  なんで竹田で博多もつ鍋か?などと考えてはいけないのです。何か食べられれば上等なのです。
店を出たのは開店前の5時半ころでした。美味しかったですよー、竹田へ行ったら皆さんもどーぞ。
  初めは迷惑そうにしていた店の人も最後は機嫌よく見送ってくれました。
  翌日、大分県豊後竹田から熊本県阿蘇までの県境越えです。さーて今日の天気はっと。えー午後から雨ー?
  の予報が大外れ!!ご覧の様な快晴でご機嫌な一日でした。
  国道57号線、阿蘇の大分側は緩い登りが続きます。ほんの70-80cmの側道ですがあると無いとで大違い、気持ちよく走れます。
  このぐらいの側道があれば言うことないのですが、あったり無かったり、なかなか、、、
  道路脇にはキャベツ畑。収穫の真っ最中でした。
  県の県境です。この近くに"下りが急なので注意"の看板が何度も出てきました。
  一度、一息入れようっと。
  出ました、7%、9%の急な下り坂。おまけに先の大水で斜面が崩れ、仮橋が出来ているところもあり、自転車で走ることは想定されていない道路でした。端に止めてよけることもできず、怖かったの一言でした。
  ここを越えれば阿蘇までは得意の下り坂、ルンルン気分です。
  JR阿蘇駅には昼前に着きました。若者なら今日の出発地豊後竹田から明日の目的地熊本まで一日で楽に走れると思いますが、私たちは距離を稼ぐのが目的ではないのです。楽しまなくちゃ、とここで宿泊です。
  ホテルチェックイン後、駅まで戻って、阿蘇山行きのバスに乗り中岳へ。すごい迫力でした。
  ホテルに戻って夕食、の筈だったのですが、6時からしかやってなくて、駅前には何もなかったし、と、缶ビールを飲みながらテレビを見ているうちに眠くなって、疲れていたし、夕食抜きで寝てしまいました。明日は朝のうち雨、その後晴れの予報。夜中にピカピカどどーんと雷、大雨、あーあ、雨かーと思いながら、お腹すかして寝てしまいました。
  翌朝は雨。
どーせ今日は熊本までの下り坂、ゆっくり出かけよう、と朝ご飯。晩御飯抜きだし、ゆっくりでいいし、朝カレーでしっかり食べました。
  いつも朝は出来るだけ早く出かけるのですが、この日は雨の上がるのを待って9時頃に出かけました。まだまだ嫌な雲が沢山ありました。
  国道57号線は、長い長い下り坂、多分40km/h位のスピードが出ていたと思います。寒いし怖いし、脇道を探して57号線から外れました。
  これが大正解、車の無い緩い下りをのんびり楽しみました。
  でも曇り空でとても寒くて、なんとなく暗い気分でした。
  ソーダ、タイツ持ってるじゃん、誰もいないから平気、平気。でもトーチャン写真とらないでよ!!!
  ジャーン、もう大丈夫です。ほんと自転車の用品って優れものが多いですよね。
  タイツをはいて、ポカポカしてきて明るい気分で走っていたら、天気も良くなってきました。逆か?天気が良くなってきたので明るい気分になってきたのかしら?天気予報はぴったり当たりました。
  お昼にラーメンを食べた交差点の向こうにとても立派な家が有りました。何人ぐらいで住んでいるのでしょう?
  見えてまいりました熊本城。もちろんここも日本100名城の一つです。
  熊本の有名な自転車屋さんです。ホテルに入る前に通りかかりました。トーチャンの顔見知り、何してんのと驚かれました。
  ホテルは熊本城のすぐそばです。残念ながら大浴場がないので、お城の反対側の立ち寄り温泉にしてまで遠征しました。
  泊まったホテルは国家公務員の宿泊施設だったところです。もちろん一般の人も泊まれます。お城側と裏側の部屋でツインで1,500円違うのですが、えいや!とお城側に泊まって大満足、お風呂の後はビールでしょう。後ろにお城が移っているのがわかりますか?
  お城とお月様、上の写真で私が邪魔でお城が良く見えないといけないので、、、、、
  熊本へ来たら馬ですね。昨日は夕食代かかってないんだから今日は豪華馬刺しで行こうということで、行ってしまいました。お皿の中の左手、コーネと言ってたてがみの下の脂身だそうです。右が馬刺し。
  レバ刺し
  タンとハツ。今、世間ではユッケやレバ刺しなど生食を出してはいけないとか言っていますが、熊本では馬刺しは今でも大通りです。何でも馬は体温が高く寄生虫がいないのだとか、本当でしょうか?
  さて、これはなんでしょう?『ひともじぐるぐる』と言う食べ物です。この葱と言うか野蒜というかは人の文字のような形をしているそうです。それをぐるぐる巻いてあるから、人文字ぐるぐるなのだそうです。美味しいです。
  我が家の近所のお医者さんの娘さんとこんなところでお会いしました。
  ここのホテルの朝ご飯が今回の旅で一番でした。
  天気は晴れ、今日は熊本港までおよそ14km、フェリーで島原港へ、島原港から諫早までおよそ41km、トータル55km程走ります。天気でよかったーーー。
  長ーーい橋の向こうがフェリー乗り場です。側道も広く、車も少なく快適でした。遠くに長崎県、雲仙普賢岳が見えます。
  フェリーに乗り込みました。小学生が大勢で賑やか、いえ、うるさい30分でした。後ろに見える山は熊本県です。
  島原に近づくにつれて雲仙普賢岳が大きくなってきます。火砕流の流れた道が今でもはっきりと見て取れます。
 九州、前編は結局天気に恵まれました。美味しいものがありました。よく考えると前半3泊で夕飯は2回しか食べておらず、その2回がもつ鍋と馬刺し、よっぽどゲテモノ好きと思われるでしょうね。私たちは何でもおいしく食べられるのです。
 雄大な阿蘇の景観、立派で逞しく美しい熊本城、熊本と島原の意外な近さ、下り坂の寒さなどなど、テレビなどで見るのと実際に体験するのの違いを大いに感じました。雨上がりのトラックのしぶき、干上がった海の匂い、寒かった後のお日様の温かさなど、良いにしろ、嫌なことにしろ、体感することの大切さ、この年齢にして135でなければ味わえない経験です。

例によって、「どこから来たの?」と聞かれることが沢山ありました。「埼玉」と言うと、一瞬の沈黙があり、「まさか全部走ってきたんじゃないよね?」と続きます。「飛行機も汽車も自転車は無料」と言うとぐっと反応する人が殆どです。「そのうえシルバー割引どこでも12,000円」と言うともっと興味を示します。沢山の人に自転車旅の楽しさを知ってもらおうと始まった135ですから、自分たちが楽しそうじゃなくちゃね、トーチャン。辛くなるようなコース作らないでね、美味しいもの沢山ね、さー後編は長崎、佐賀、福岡と続きます。お楽しみに。