自転車旅行 第15回 四国 愛媛・高知県 後編

丸亀駅で城攻めチームを見送っくた後、私たちは列車で宇和島へ。いよいよ今回のハイライト足摺岬、四万十川、室戸岬と続きます。

徳島県、香川県でも関東地方に比べれば交通の便に恵まれているとは言えませんが、これから始まる愛媛県西部、高知県は別格の不便さでした。そこで自転車が生きるわけです。列車のあるところはできるだけ利用し、無いところを自転車で旅しました。行ったことのないところばかりなのでワクワクします。

 
■今回のルートを地図で確認
― ブルーライン: 自転車ルート
― ピンクライン: 電車ルート

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  岡山県鬼の城を攻めに行く、のぶ&阿部ちゃんチームを丸亀駅でお見送り。私たちは宇和島城を攻めに行きます。
  宇和島駅裏側の自転車屋さん。おばさんがいきなりあらわれてお店の方はびっくり仰天??
  宇和島で、何を連想しますか?
駅前の像
  すごい看板を見つけました。
どんな花が????
  この花の上にあの看板なのです。
エッ????
  この上に看板出さなきゃー。宇和島の花です。トーチャン若い娘にすぐ声かけるのです。取っちゃだめですよ。
  宇和島城は石段が滑りそうで怖かったです。今頃城攻めチームは鬼の城でしょうか?
  翌日は高知県宿毛を目指して出発です。周りは田植えの時期でした。
  今回の旅で初めて海辺へ出てきました。この先は海ばかりの日程でしたが、初めて出てきた海は新鮮でした。
  長旅ですが、荷物はトーチャンだけ。所々で宅急便を利用しました。私の自転車きれいで軽そうでしょう?
  四国のうどんやさん、どんぶりにうどん玉を好きなだけ入れて、いくつ入れても料金は同じ。私は3個入れました。後から来た若い人は6個入れていました。それにしても今回は良く麺類を食べました。
  愛媛県から高知県へ、県境のトンネルを越えたら途端に土砂降りの雨。まるで違う国のようでした。
  あわてて道端でカッパを着ていたら、本格的な合羽を着たお遍路さんがやってきました。毎年春と秋に10日間ほどかけて88か所全部回る計画だそうです。
  ずぶ濡れで宿毛に着いたら、町は宿毛駅周辺ではなく、東宿毛駅周辺とのこと。土佐くろしお鉄道で一駅乗って繰り出しました。岡山駅で見た、南風と同じやなせたかしさんの絵だらけでした。
  宿毛の町で食べた飛び切り美味しかったこれ、さてなんでしょう?
  答えはこれです。
  さー、それではトンゴロってなんでしょうか?
  答えはこれ、海の魚だそうですが、ワカサギを大きくして骨ばらせたような味でした。
  ところで、四国ではビールというとほとんどの店で中瓶が出てきます。大瓶が出てきたのは今回の旅で1軒だけでした。四国の人はあまりビールを飲まないのでしょうか?ビールは“たっすい”のでしょうか?
  次の宿泊地は土佐清水。ゴールデンウイークで大阪勤務の娘も合流、この日は用心してビシネスホテルでなく民宿にしました。これ3人分の夕ご飯です。ものすごく豪華だと思いませんか?これで1人1泊9,000円はお得です。毎日インスタントじゃーね。
この後はいよいよ足摺岬へ。
  じゃーん、いよいよやって参りました足摺岬、宿毛の大雨を取り戻すように快晴。素晴らしい眺めでした。展望台、天狗の鼻からの眺めは格別。海岸線が切り立って人を寄せ付けない面があり、道路の起伏も大きく、岬の展望台付近の駐車スペースが狭い。先端にいるという気持ちは何とも言えないものがあります。
  この日は娘もいることでレンタカーを借り観光としゃれ込みました。龍串でグラスボートに乗船、テーブルサンゴやウツボなどを見ながら、“見残し”で下船。“見残”とは…。昔弘法大師がこの地方を歩かれたとき、ここを見残したと悔やんだところからその名が残ったとか。
  波や風によって浸食され、岩が蜂の巣状になっていたり、観光地とはいえ野性味にとんだ景色を満喫しました。
  アーア、それにしても135kgには遠い体型ですねー。まだまだ頑張らなければ。観光ばかりしてないで自転車のらなきゃー
  今夜の宿は四万十市、中村。ちょうど公家行列の日でした。おかげで町は人が多く、夕飯の場所を探すのが大変でした。がっ、めげない私たち、おいしいものを食べるには情熱と行動力が必要なのです。まず、アオサのてんぷら50点。珍しいだけ。
  ごりのから揚げ、60点。美味しかったけど、ちょっと塩が効きすぎていました。
  ウツボのから揚げ、30点。ごつごつして、ちょっと生臭くて、残してしまいました。
  太刀魚の焼き物、80点。トテモ美味しかったのですが大きすぎてマイナス20点。
  ウナギの白焼き、70点。ちょっと冷めてました。あ、これ皆一品ずつ頼んだのではなく”何とかセット”についていたのです。念のため。
  まだまだ…。私たち辛党だと思っていらっしゃいませんか?
  えーそーなんですけど、甘いものだって。
  甘いものを食べたところのオーナーの趣味だそうです。イタリアの有名ブランドだそうです。
  四万十川を見物しました。沈下橋、この上を自動車も通るのです。怖かったです。
  橋桁が3本あるのは珍しいそうです。
  観光ばかりしていると本来の135の目的を忘れてしまいそうです。四万十市、中村から特急南風で高知市を過ぎ後免駅へ。土佐くろしお鉄道、ごめんなはり線で奈半利へ。ここが後免駅です。何かさびしくて、でも天気が良いのが救いです。
  後免、奈半利線は一両、なのにトイレがあり、車掌さんがいます。
  後免から奈半利までの直通もあるのですが、今回は途中の安芸駅どまりで奈半利行に乗り換えました。手前の一両が高知へ戻り、向こう側が奈半利まで行く一両です。
  今夜の宿は吉良川町。奈半利からおよそ15km、駅で自転車を組んで、太平洋を見ながら、ほんのひとっ走りです。
  吉良川町も古い街並みが有名だそうです。徳島県の美馬脇町も立派でしたが、こちらも立派でした。遠くに吉良川町が見えてきました。
  軒が三重になった漆喰塗の特徴のある街並みが続きます。
  この町の困ったことは食べ物屋さんの無いことでした。宿を予約した時に、夕食も朝食もできないが、周りにお店はありますとの情報、いつもの通りそこらで食べればいいやと気楽に行ったのですが…。まず宿は普通の民家。お好きにどうぞといった風情。炊事道具は一般家庭のように完璧。自転車旅の醍醐味は上げ膳据え膳。
なんで私が…。
  でも確かにお店はありました。昔、魚屋さんと思われるお店が塩、野菜、乾物など何でも屋、今のコンビニになったようなお店がありました。ここで目の前の海で取れた魚をお刺身にしてもらいました。
  ビールは300m先の釣具屋さんにあるとのこと。なぜ釣具屋にビールなのかは不明ですが、いいのです、あれば。
  つまみは取れたて鯛のお刺身、舞台は太平洋…
  15㎞ほどとはいえ、走った後の、プフウアーーー
  トンビも空から狙っているような、
  そんでもってこんなになっちゃって…
  はたと気が付けば、もう夕方、潮が満ちてきて、そろそろお宿へ帰らなければ。今回の四国で最高の夕食でした。明日は室戸岬を経て、徳島県までおよそ70km走る予定なのでこのくらいにしておかなければ。
長距離走の一日が始まります。
  翌朝、本日も快晴。昨日の晩餐会場を後ろに見て、快調に出発です。私にとっては長距離走の一日が始まります。
  早朝、6時半に宿を出たので、車もなく、気持ちの良い一日の始まりでした。
  足摺岬は起伏の激しい、走りにくい道でしたが、室戸岬への道はほとんど平坦で走りやすい道でした。
  何故かクジラがいました。捕鯨の歴史があるのでしょうか?
  着きました、室戸岬。足摺岬に比べて、海面近く、見晴らしはあまりありません。でも達成感は十分ありました。
  室戸岬はジオパークとしても有名だそうで、地球の成り立ちに興味のある方には堪えられない場所だそうです。室戸ジオパーク行のバスが奈半利駅から出ていました。
  海辺に出ると岩にあるいろいろな縞模様が時代を感じさせます。サンゴのかけらや、貝殻、穴の開いた石など多様さが目につきます。
  岬にはとても大きな中岡新太郎像が道路脇に立っています。坂本竜馬ばかりじゃつまらないですよね。
  展望台から眺めおろした室戸岬です。
  トーチャンのカメラはセルフタイマーが付いているのです。今まで使ったことなかったのですが、やってみました。やりゃーできるじゃん!
  四国全体にいえることですが、特に室戸岬周辺には弘法大師ゆかりのものがいろいろあります。弘法大師が修業したという御厨人窟(ミクロドと読むそうです。)水が染み出て、ピチャピチャ状態でした。
  青年大師像です。走っていてびっくりする大きさでした。
  ところで、このあたりの鯉のぼりには、子供の名前を染めた大漁旗を一緒に挙げる習慣があるようです。
  立ち寄ったちぃさな漁港で網の手入れをしていた漁師さん、イセエビ漁をするそうです。夕方網を仕掛けて朝獲りに行くそうです。天然のイセエビですって。
  室戸岬までは平坦な道が殆どだったのですが、岬を回って徳島県に入るあたりからアップダウンが多くなりだんだん疲れてきました。ねーもー徳島県に入るから、そろそろなんとかしてよーと訴えているところです。
  アーラ不思議、JR牟岐線、鯖瀬の駅です。駅があったのは良かったのですが、何と次の電車が来るまで25分。自転車2台を袋に入れて、乗り込めるでしょうか?その次の電車は2時間後、周りはご覧のように何もなし。ビールの自動販売機など夢のまた夢。トーチャン大汗かいて頑張りました。だって私はたためないのです。
トンネルから列車が出てくるのと、これとこれ持つ!!それよこせ!!と気合がかかったのがほぼ同時、20分ぐらい汗が引きませんでした。徳島駅まで約2時間、トーチャンはげっそりしていました。
  乗れたおかげで、最終宿泊地徳島で最後のご馳走になったのです。今回の四国の旅で一番たくさん食べた魚は鰹です。なかでも塩たたきはお気に入りです。
  そーそー、今回食べた中でユニークな名前、“ハゲの薄づくり”じつはカワハギです。このネーミングで気を悪くする人もいるでしょうね。
かくして、長かった四国の旅もようやく終わりを迎えたのです。
やはり長旅で間違いなく疲れました。猪の鼻峠越えはヒーヒー言いながらもスキッといきましたが、室戸岬を過ぎてからのアップダウンはだんだんと重くなってきました。トーチャンが走る時間を長い日、短い日と塩梅してくれたおかげでやりきることができたと思います。
まだまだ道半ば、少しはうまくなったのでしょうか?
初めての所を訪ねると、知らないことばかりなのです。まさに、百聞は一見に如かずをズンと感じています。

次の一見はどこになるのでしょうか、楽しみです。