ツールド熊野2017 DAY3 第2ステージ 中村龍太郎

目覚ましで起こされる前に部屋の明るさで目覚める。二度寝が出来ないほど頭がすっきりしていたので同室のユキを起こすまいと一人でハンマークライムを見る。
「JPTのレースをプロツアー選手がやってみた」みたいな企画。途中からペタンクールが強すぎた。

宿からは自走で会場まで行ける距離。日差しは強いが陰にいれば涼しい。119.2kmと山岳コースにしては短いが獲得標高は1624m。

熊野倶楽部に到着し、伊賀先生にスタートマッサージをお願いする。WAKOSの日焼け止めを塗りたくってスタート地点へ。
例年通り、交通安全のタスキをかける。MATRIXの田窪が三人分を体に巻きつけていて、なんか既視感。

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ツールド熊野は第一ステージと第二ステージにパレード走行があるが、これが割とキツイ。
第一ステージは街中を抜ければ信号とかが無いので速度も速く、ゆるーい練習会くらいになるからいいのだが
第二ステージは割とペースの上げ下げが多くて集団内にいると余裕がない。徐々に下がってしまったが、前に上がるのは諦める。

例年だと、逃げできる→千枚田のんびり→札立の麓までに逃げキャッチ→札立で本命動く→逃げ切り、な展開なので、今年もそうだろうと思っていたから最後尾で良いだろうと。

レースがスタートして例年通り最初の坂でペースが上がる。ここで逃げが出来ればいいのだが、集団のペースが上がったまま。
下りに入るも、アタックが頻発しペースが速い。
シマノ先頭固定のアップダウンのハイペースで集団にしがみつくのがやっと。ずっとペースが速いと思っていたけど、いつの間にか逃げが出来ていた不思議。
千枚田麓の折り返しで逃げが出来ていることに気付き、しかもホセ選手や西園さんが入っていたので「あ、これ今日はずっと速い展開だ」と悟る。
案の定千枚田はハイペースを刻みバラバラになる。人数はまだいるので落ち着いて登り切り、下りへ。
前を走るLXがコーナーに突っ込みそうになったのに釣られてヒヤッとした場面もあったが、下りきる。
小さい集団でローテを回し、イランの選手の投げ捨てたゴミがオージーの前輪に挟まって、オージーが伏字をしないといけないレベルでの暴言(なお僕は英語力が無いので何を言っているのかはわからないが)を吐いていたこと以外は何も問題なくメイン集団に追い付く。人数はだいぶ減っていた。

札立の麓まではUKYOのコントロールになるが入口手前で先頭付近まで上がる。
札立に入り、アタックがかかるわけではなく、淡々と速いペースで走る。プジョルの前にジョンが出てきて「ジョン、君はスプリンターだよ?」と教えたかった。
あざみラインの馬返しのように、札立にも下り区間が一瞬出てくるが、その前に集団からナチュラルに千切れる。
丁度山岳賞ジャージを着る龍が後ろにいたので下り区間を牽いて前を走る愛三の早川さん達に追い付こうとする。
しかし緩やかな登り区間は終わり、残りのKOMまでは自分のペースで淡々と。
KOMは単独で通過。トンネルで車に抜かれる。このチームカーが本当に邪魔で、早川さん達が下りで邪魔されているのが見える。
とはいえ一車身ちょっとしかない道幅でクネクネしてるので抜けない。
どうしたもんかと思っていると後ろからアイラン登場。何事かを喚いて車の脇を抜いていく。すげぇ。
それに倣って「わー!わー!」言いながら下る。やっとこさ長い下りが終わり、土井さんが追いついてくる。

千枚田を下り、二回目の千枚田を登るべく右折。集団で下っていると前にメイン集団が見える。
「もしかして先頭か?」
と謎の淡い期待が湧いてきたけど残念ながら、まだ逃げは捕まっていない。折り返しで5人が見えて、まだペースが落ちないことに絶望する。
UKYOの牽く集団は千枚田の麓を高速で駆け抜け、一列棒状のまま登りに入る。当然僕は速攻で千切れて自分のペースに。

前を走る落ちてきた選手をパスしながら、GUSTOのマリオと共にKOM。ご褒美コーラをもらう。キンキンに冷えててうまい。
下りで離されたけどトンネルの中で合流する。千枚田で少し前にいたはずのアジアチャンピオンは消えていた(魔法の絨毯かな?)。
そこからはマリオと二人でトロフェバラッキ。向かい風が吹いていて僕はペースを上げられなかったし長くも牽けなかったけど、マリオは見捨てないでくれた。
下りもフルームスタイルで超速くて、ついていくのが本当にしんどい。肘クイッがこないことをこれほど望んだことはない。
残り5km手前の長い坂をマリオが先頭で下り、登り返しで僕が出ようとしたら
「ヘルプ…ヘルプミー」とフルームスタイルで言ってくる。えっ、なにどうしたの?とテンパる僕。
少し待っていると体を起こした。どうやらジャージのチャックがサイコンの台座にひっかかってしまったらしい。それは焦るわ。
そんなアクシデントがありながらも最後まで一緒に走って、最後は意味ないけどゴールを譲って25位でフィニッシュ。

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マリオ、ありがとう。男前でした。日本が大好きだそうです。皆さん応援しましょう。

イナーメは僕以外全滅。ボッチとなってしまった。この日だけで24名がDNFとなった第二ステージは昨年よりも7分速いそうで。
例年と違う熊野。サバイバルを呈してきた。総合は24位。実質このステージの総合がステージレース全体の総合なので、目標とする18番以内は難しそう。

帰りは道の駅で寿司を食べて宿へ。最終日は三年ぶりの白鯨。
明日走らない皆は次の日の試走に行き、明日走る僕は伊賀先生のマッサージを受ける。

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今回はマッサージに加えて太ももの電気もやってもらった。強制的に筋肉が動くのって気持ちいい。
ハンマースプリントの序盤で眠くなってきたので就寝。

DAY4に続く。