『飯田忠司 トライアスリートへの道』⑩~複合トレーニング~

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皆さんこんにちは。FELTサポートライダー、トライアスリートの飯田忠司です。

今年もあっという間に10月。もう日本のトライアスロンシーズンもかなりの終盤です。

気候的には寒くもなく暑くもない、今が一番トレーニングしやすい時期かと思います。これからは朝晩は速く暗く寒くなり、そして、忘年会シーズンになってからだと、思っていたようにはなかなかトレーニングができない・・・そのような事態にならないようにする為にも、今のこの過ごしやすい時期にトレーニングをしっかり習慣づけていきたい所ですね(笑)

 

さて、いよいよ第10回となった今回は「複合トレーニング」についてお話ししていきたいと思います。

トライアスロンには、「種目が切り替わる」場面があり、しかもそれが2回あります。

そう、こここそ、多くの方が「トライアスロンは辛い!」と感じると思われる場面です(笑)

 

スイムからバイク。そしてバイクからラン。

 

この種目間の切り替えを「トランジッション」と言います。

第4の種目とも言わる「トランジッション」

エリートレースではこの「トランジッション」も第4の種目とも言われているほど素早く行う事が必要とされ、様々な工夫がなされています。

それは仮にトランジッションで10秒差がついたとしたら、その10秒をランニングで詰めるのはとても大変な事だからです。

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皆さんの場合は、まずレースを完走する事が目的なので、そこまでシビアにやる必要はないですが、エリート選手が素早くトランジッションをする為のちょっとした工夫や智恵は皆さんにも十分活用できます。是非エリート選手のレースのトランジットエリアで、選手がどのようにシューズやヘルメットを置いているか、どのようにトランジットをしているかなど見てみてください。ヒントがたくさん詰まっているはずです。

また種目間の切り替え時は、身体の使い方が急激に変化する為に、次の動きに慣れるまで動きが重く感じ、ぎこちなくなり、そのままリズムが掴めずに、本番で思ったような走りができない事が多いです。

こうした点からもトランジッションの練習、すなわち「複数の種目の連続トレーニング」も本番前にやっておき、身体を慣らしておくと、本番で焦らず、力を発揮できます。

ではトランジッションの場面を改めてまとめてみます。

1:スイムからバイク

2:バイクからラン

のこの2つの場面になります。

 1 スイムからバイク

この場面では、スイムで身体が水平になっている状態から直立になるので、ふらついたりする危険性もあります。

また最近はスイムを2周回にするレースも増えていますので一度上陸して、2周目のスイムに入る際も直立から水平に戻り、リズムも変わるので息苦しさ、疲労感を急に感じ、辛くなってしまう方も多いです。

理想は、プールサイドにローラー台をセットしてバイクを置いて、泳ぎ終わったらプールから上がって、ローラー台でバイク・・・なんてトレーニングは国内ではほとんどできませんが、バイクを使わずに、種目間の切り替えを体感する練習はプールで行う事ができます。

例えば

100×5~8本を泳いだ後すぐにプールサイドを1周歩くまたはランニング

その後、再びプールに入り50m~100mを1本泳ぐ。これを1セット、または休憩を挟んで2セット。

といった練習ができると良いです。

しかし、公共のプールではなかなかプールサイドを走るという事もできませんし、転倒の危険もあるのでウォーキングでも構いません。また始めのうちは感覚を確かめる程度に、ゆっくり確実に行う事をお勧めします。

そこでお勧めの一つのパターンとしては、

100×5~8本を泳いだあと、すぐに25m水中ウォーキングをして、残りの25mはスイムで帰ってくる。

これだとプールサイドを走る必要がなく、転倒の危険性もなく比較的安全でプール内で全て完結できます。

水中ウォーキングも本気でやると結構負荷がかかって、とても実践的になりますよ(笑)

私が主宰しているスクールのスイム練習でもこうした練習を定期的に取り入れて、少しでも本番で自分の力を出せるよう練習を工夫しています。(下画像はメインスイム後の水中ウォーキング中のもの)

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2 バイクからランニング

次にバイクからランニングの場面

 1 通常のバイクトレーニングを行った後、そのままランニングをする。

2 短い距離で区切ってバイク→ランニングまたはランニング→バイク→ランニングのトレーニングを繰り返す。

 

この二つの方法が考えられます。

これらの場合、特にランニングは必ずしもレースと同じ距離を走る必要はありません。

通常のバイクトレーニング後なら10分~15分程度のランニングだけでも、バイク後の足の重さなどを体験でき、十分効果はあります。10分位から始め、30分くらいまで走れるようにしておくと自信になると思います。

バイクトレーニング出発時にランニングシューズを用意しておいて、バイク終了後にさっと走り出せる状態にしておくといいでしょう。

 

2の場合は

5~10㎞バイク+1~3㎞ランニングを2,3セット(セット間に休憩を挟む)

1~2㎞ランニング+5キロバイク+1~2㎞ランニングを2,3セット(セット間に休憩を挟む)

 

といった例が考えられます。

もちろんこの距離は自分のやり易い範囲で調整して頂いて構いません。

これらも始めは、スピードは気にせず、種目間の切り替え時の慣れ、スムーズな道具の付け替えなどに重視して行い、慣れてきたら徐々にスピードを上げていくと良いでしょう。本番のレース1週間位前までに2,3回できるといいですね。

仲間と競い合ってやってみると、とてもいい練習ができるはずです。(但し安全性が確実に確保できる場所、環境でおこなってください。)

バイクの安全性が確保できない場合はバイクローラー台を用いる方法もあります。

(下画像 公園でローラー台+ランのトレーニングシーン。スイムから上陸したと想定した場面からヘルメットを着用して実戦さながらに行った。)

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尚、スポーククラブのジムでトレッドミル+エアロバイクで同じようなトレーニングをすることもできます。

重要なのは種目の切り替えに慣れる事。

是非、ご自分の環境に合わせてオリジナルのトレーニングを作ってみてくださいね。

 

今回はここまで。
次回はいよいよ「大会準備編」です!

 

 

飯田忠司(いいだ ただし)

プロトライアスリート
日本トライアスロン連合指導者養成委員
トライアスロンスクールI-STORM代表

主な成績
2011年 佐渡国際トライアスロンAタイプ 優勝
2012年 佐渡国際トライアスロンAタイプ 2位
2013年 五島長崎国際トライアスロン エリート2位
2015年 五島長崎国際トライアスロン エリート3位

スクール情報(I-STORMサイト)
www.i-storm-tri.com/

オフィシャルサイト
www.iidatadashi.com