今回は 6 月に栃木県で開催された全日本選手権についてです。
【全日本選手権って?】
まず、全日本自転車競技選手権とは、日本国内における自転車競技の 国内選手権大会です。
日本人プロロードレース選手の誕生と 世界の自転車競技界のプロアマオープン化の流れを受けて、 1990 年代に入ると全日本プロ選手権自転車競技大会(全プロ)ロードレース(2007 年限りで終了)が競輪以外の選手の出場を認め、オリンピック予選を兼ねるようになるなど、日本一決定戦として注目されるようになりました。
世界選手権をはじめとする世界のカテゴリー区分が、プロ・アマから年齢別に変わったことに対応し、全アマロード男子エリートに代えて 全日本選手権ロードが開催されることになりました。
2003 年からは日本人女子プロロードレース選手の誕生に伴い、女子競技も全アマから全日本選手権に移管されました。
全アマロードレースは U23 カテゴリーの大会として継続していました。
【全日本選手権初出場】
このように、全日本選手権の歴史は長い訳ですが、私は 2012 年の全日本選手権から出場し始めました。
この年開催された会場は岩手県八幡平市でした。
まだその頃は高校生だったので、今の女子エリートカテゴリーではなく
女子ジュニアカテゴリーでした。
男子の場合は U15・U17、ジュニア、U23、そしてエリートとカテゴリーが細分化されていますが、女子の場合はそれがなく、ジュニアの後はそのままエリートカテゴリーになります。
【今年の全日本は今までとちょっと違う!】
今年度の全日本選手権大会は、関東で初開催として栃木県那須町・那須塩原市でロードレースを、大田原市でタイムトライアルロードレースが開催されました。
今年の全日本選手権は今までとは違い、地元の協力がとても大きい大会でした。
ロードレースのコースにはコースにブルーラインを引いてあったり、
タイムトライアルのコースの一部の路面を完全にアスファルトを張り替えてあり、整備がとても細かな所までされていて、選手としてはとてもいい環境でレースをすることが出来たと思います。
6 月 21 日には全日本選手権個人タイムトライアルロードレース、 28 日には全日本選手権個人ロードレース大会が開催されましたが、 タイムトライアルとロードレースの間の平日にも、那須サイクルフェスタとして、たくさんのイベントが行われていました。
歴代のロードレース日本チャンピオンが全日本選手権について 熱く語り合い、また元日本チャンピオン自らによる各種の講義を まとめて無料で受講することができる 「那須サイクルアカデミー」が 開催されていたり、サイクルナビゲーター絹代氏による女性限定のトークイベント 「絹代の女性のためのディープなお話し 自転車お悩み解決トークショー&スイーツビュッフェ」も開催されました。
こういった面で、選手のみでなく、観戦者もとてもワクワクする大会になっていました。
【全日本選手権に出てみませんか?】
今年の全日本選手権に参加する女子選手の人数はとても多く、 タイムトライアルの女子エリートは 21 人、 ロードレースの女子エリートは 43 人のエントリーでした。
これはとてもいいことだと思います。
やはり、マイナースポーツである自転車競技は、全日本選手権で女子の出場人数が少ないと種目全般の競技人口も上がらないです。
ですが、最近はヒルクライムの大会やサイクリングのイベントなど
にたくさん女性の方も参加されています。
イベントレースに参加されている方で「全日本選手権に出てみたいけど、 自信がない・・・」とか、「出場の仕方が分からない・・・」という戸惑いを 持っている方も少なからずいると思います。
【全日本への切符は意外にたくさんある!】
女子の出場資格の対象となるレースは、
・ジャパンカップサイクルロードレース オープンレース 20 位以内
・全国都道府県対抗自転車競技大会 ロードレース 30 位以内
・チャレンジサイクルロードレース 30 位以内
・西日本チャレンジサイクルロードレース 15 位以内
・九州チャレンジサイクルロードレース 15 位以内
・全国 8 地域道路競走大会 10 位以内
・経済産業大臣旗全日本実業団ロードチャンピオンシップス 30 位以内
・JBCF 石川サイクルロードレース 30 位以内
・JBCF 輪島ロードレース 30 位以内
・日本大学対抗選手権自転車競技大会 ロードレース 30 位以内
・全日本学生選手権個人ロードレース大会 30 位以内
・日本学生個人ロード TT 自転車競技大会 10 位以内
・修善寺カップ女子 ロードレース 30 位以内
・全日本選手権自転車競技大会ロードレース 完走者
・全日本選手権自転車競技大会ロード・タイムトライアル 20 位以内
があります。
意外にもたくさんのレースが資格対象になっています。
今から資格対象レースに出場して、来年の全日本選手権に
チャレンジしてみてはいかがですか?