こんにちは!
Team-Eurasia-IRC TIRE所属の鈴木史竜です。
僕は先週、今シーズンの上半期ベルギー遠征を無事終え、日本に帰国しました。
約2ヶ月の期間で14レースを走り、ベルギーの自転車文化とレース環境の中で、とても価値ある時間を過ごすことが出来ました。
その中でも、4月中旬に行われたArden Challenge (アルデンヌチャレンジ)という5日間のレースは、展開に加わりながらもリザルトに繋がらない悔しいレースであったと共に、前期の欧州遠征の中で、とても良い走りが出来たレースでした。
レースレポートの一部と共に、レース参戦の状況をご報告させて頂きます!
2019/4/17 ~21 Arden challenge (アルデンヌチャレンジ)
<レース概要>
4月17日~21日までベルギーの南東部、アルデン地方で開催された5日間のステージレース。ベルギーのケルメスと呼ばれる一般的に広く行われているレースは、当日エントリーが可能な大会が多いものの、この大会は年明け早々にエントリーが開始され、人気が高いためすぐにエントリー締め切りになってしまうよう人気の高い大会です。
リタイアしても翌日ステージ以降も出走が可能という1dayレース5連戦という位置づけになっており、5日間を通じて全てのステージを完走した選手のみ、個人総合成績、ポイント賞、山岳賞、U23賞の対象となります。過去の優勝者には、現UCIワールドツアーチームに所属するイェーツ選手なども顔を揃えています。
<各ステージ概要とリザルト>
以下、全5ステージの概要と、一番良く走れていた第3ステージの詳細なレースレポートです!
Etape1 Erzee
コース 66kmの大周回×1+8kmの小周回×6=114km 今大会最小距離のレースだが、大周回にそれぞれ5km.10kmの登りがあり、小周回の序盤に最大12%の登りも含まれ、獲得標高は1700mを超える。毎年、非常に厳しい展開で、今大会のクイーンステージとなるコースが第1ステージに設定されていた。
結果 DNF(小周回残り3周地点DNF)
Etape2 Rachamps
コース 39km×1+45km×1+12.3km×3=121km
アップダウンの中に、GPMは8か所置。その内1つは、リエージュ・バストーニュ・リエージュでも使われる激坂Mur st roch。小周回には吹き曝しの登り区間も含まれる。
結果 メイン集団完走98位/168
Etape3 Leglise
コース 42.5km3=127.5km
大きな登りは1か所だが、前半の大通り区間から狭いコーナーを抜けて登りに入り、そこからは比較的狭いアップダウン区間が続くコース。
結果 メイン集団完走106位/176
Etape4 Rouvroy
コース 39km×1+43.5km×2=126km
登りのとても厳しいレイアウト。後半の周回には最大勾配27%の激坂が組み込まれている。その後も短いアップダウンが続くコース。
結果 グルペッドFAD(全行程完走)
Etape5 Libramot
コース43.5km×2+19km×2=125km
スタート後登りを超えて、緩い大通りの下り区間。その後に鋭角に曲がり道幅が細くなってから登りが連続で3箇所あり、その間を横風区間で繋ぐ厳しいレイアウト。
結果 DNF(小周回残り1周)
第3ステージの詳細レポート
Etape3 Leglise
コース 42.5km3=127.5km
大きな登りは1か所だが、前半の大通り区間から狭いコーナーを抜けて登りに入り、そこからは比較的狭いアップダウン区間が続くコース。
レース展開 1周目で小さな逃げを泳がせ、2周目からぺースが上がり勝負がかかる動きがずっと継続されたが、集団が繋がり逃げの形成には至らなかった。ゴール直前に飛び出した2名が先行していった。
結果 メイン集団完走106位/176
前日までの反省を生かし、休めるところで休み、勝負がかかるタイミング=自分がきつくなる寸前のタイミングで前に上がり、そこから勝負することを必ず実行すると決めてスタート。
1周目はいつも通りすぐに捕まりそうな逃げを泳がせ、メイン集団でのレースが進行。ここは脚を溜めて、ただただ我慢して走り続けた。そして2周目の登りを前に少し殺気だったので位置を上げて登りに入った。案の定ペースは上がり、先頭から30番手ほどをキープしつつ観察。
アタックに反応してみたが、特別ジャージを着てる選手や総合系も動いて決まらない。ただ、ペースは落ちずにずっと攻撃が繰り返されているので、今が勝負どころなのは間違いないと感じた。身体はよく切れているし、頭も冷静に周りを見れていて、約20番手以内のいつでも飛び出せる位置でレースを展開。すると、組織的に動いてるチーム、統率がとれずに個人で動いてるチーム、完全に個人の動きをしてる選手等、アタックや集団の動きを中心に、集団前方の流れがとても鮮明に空気感からイメージできていた。誰が次アタックをかけそうか、それに対して誰が反応しそうか、その動きに対して集団の反応は瞬時に繋ぎに動けるのか、それともワンテンポ遅れて決まる可能性が高まるのか、等々、次第に想像も出来るようになってきた。なので、安定して前をキープ出来て、位置を下げることもなかった。
最初は少しやみくもにアタックをかけてしまっていたが、それが見えるようになってからは、決まる可能性が高いものに少しずつ絞って動いていった。
予想が当たって追走がワンテンポ遅れたタイミングで、僕を含め数人で抜け出せそうな場面もあった。さらに、前でハイペースをずっと刻んでいたので、コーナーで振り替えると集団分断が起こっており、どこで先行集団が形成されてもおかしくない展開だった。自分もきつかったが、間違いなく後ろはもっとキツいし、有力選手が動くタイミングや、そのカウンターも特に狙って、とにかく本気でプッシュを休まずに続けた。
しかし、ギリギリ分断も先行も決まらず、集団が繋がる形になってしまい、逃げが形成される事はなかった。
最後には2名飛び出しを成功させたが、最終局面でスプリントにめがけて動く集団から飛び出すほどの脚は僕に残っておらず、集団後方でのゴールとなった。
今までのレースと比較して、とても大きな手応えのあるレースだった。
本気で飛び出すことやトップ10を狙って動いていたし、現実的目標として狙えるのではと本気で思っていたので、結果としてとても悔しかった。
そして、勝った選手は逃げが決まらないことも察知して最後の1発に備えていた事も想像でき、最終局面で1人で飛び出してゴールまで先行するほどの力が僕になかった事は、しっかりと受け止め、今後のトレーニングをしていく。
以上です!
アルデンヌチャレンジは、上半期の欧州遠征の大事なレースと位置付けて準備をしてきました。そして、アルデンヌチャレンジを通して、昨年と比べてレースの見え方、感じ方や考え方が180度違っていて、とてもいい動きが出来たステージもあったと思います。
ただ結果は、総合にもステージにも残せず、リザルト的に見れば何も残せてない事実は変わらないので、それを受け止め、再度練習とレースに集中していきたいと思います。
そして、下半期の欧州遠征を見据えつつ、国内のレースに全力で挑んでいきます!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
今後も、レースレポートや日常生活をアップさせて頂くので、是非よろしくお願い致します。
鈴木史竜(すずきしりゅう)
1998年4月16日生まれ
静岡在住
> 2014年 全日本選手権ロードU17:13位
> 2015年 Team Eurasia-IRC TIREサイクリングアカデミーで欧州遠征
> 2015年 四日市全国ジュニア自転車競技大会:12位
> 2016年 全日本選手権TT(ジュニア):9位
> 2016年 Team Eurasia-IRC TIREサイクリングアカデミーで欧州遠征
> 2017年 Team Eurasia-IRC TIRE 正式加入
> 2017年 Tour de Nouvelle-Caledonia (10日間のステージレース)完走