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Felt F1x を全日本チャンピオンの前田公平選手がインプレ
Felt シクロクロスバイク F1x を、2018年シクロクロス全日本チャンピオンの前田公平選手(弱虫ペダル サイクリングチーム)がインプレしてくれました。
フェルト F1x フレームキット
Fxシリーズと言えば、現2018年世界チャンピオンのヴァンアールトが、世界選手権を制したシクロクロスバイクです。
シクロクロス世界選手権2018男子エリート ファンアールトが3年連続の世界王者に ファンデルポールはオランダの期待と共に3位に沈む-Cyclowired
そして、前田公平選手の優勝で、同時に日本チャンピオンバイクにもなりました。
シクロクロス全日本選手権2018 男子エリート 白銀のマキノ高原で前田公平がシクロクロス全日本チャンピオンに輝く-Cyclowired
残念ながら、前田公平選手が使用するF1xフレームキットは販売がありません。
ただし、F5x完成車がF1xと同じフレームで、UHC Advanced + TeXtremeカーボンです。※フォークは異なります。
Textreme というのはスウェーデンの素材メーカー Oxeon社しか作れないカーボンシート。
自動車のF1や航空宇宙産業で使われる非常に高価なカーボンを奢っています。
前田公平選手
チーム:弱虫ペダルサイクリングチーム
体重:60kg
戦歴:
2017
全日本MTB選手権大会 XCO エリート:3位
全日本シクロクロス選手権大会エリート:3位
実業団ロード Jエリートツアー:11位
2018
ジャパンカップ オープン:3位
Raphaスーパークロス野辺山 Day-2 UCI-1:優勝
全日本シクロクロス選手権大会エリート:優勝
MTB XC とシクロクロスで国内トップのオフロードライダーですが、ロードレースでも成績を残しています。
全体的な印象はどうでしたか?
初乗り時の乗り出しが舗装路だったので、その時はえらい柔らか快適仕様だなという第一印象とともに、荒れた路面への期待値が高まりました。
簡易舗装の荒い路面に入ると、その振動吸収性能の高さがより感じることができました。
ライダーへの負担が少なくなると同時に、バイクが跳ねにくいことでトラクションを掛けた時にしっかりとタイヤが地面に接地しており、余計なスリップをし難く、荒れた路面でもパワーを推進力に変えてくれました。
より細かいトラクションコントロールが求められるシクロクロスにおいてはキャンバーや登り返しでその恩恵を強く感じました。
全体的な感覚としては、オフロードで「真っすぐ走る」「止まる」「曲がる」の基礎動作がやりやすい、扱いやすいバイクだと思います。
良かったところを3つ教えてください!
①シクロクロスバイクに必須の振動吸収性
前述のとおり、まずは振動吸収性能の高さです。
ロードのように固く仕上げたフレームは加速性能が高く舗装やハードパックの高速セクションでは速さを発揮しますが、その反面路面のギャップをいなすスキルやトラクションコントロールが高いレベルで求められます。
マウンテンバイクと違ってサスペンションも無ければタイヤも細く、エアボリュームも少ないので、振動吸収性能はフレームに依存します。
ライダーの負担が減ることで、不要な消耗をせず最後まで集中力を保つことができます。
②ミスなく最後まで走れる直進安定性
次に直進安定性です。
先に述べた振動吸収性に加え、サイズに対し長めに設定されているホイールベースが安定性を高めています。
寝かし気味のヘッドも相まってどっしりとした脚付きの良さを感じます。
ピーキーなバイクのクイックでスピーディーな操作感はハマれば速いものの、約60分のレース時間の中で、疲労した中でもシビアなライン取りが毎周求められるシクロクロスでは、安定するバイクの方がミスが少なく最後まで走りきることが出来ます。
③担ぎやすい形状のトップチューブ
トップチューブの下側が担ぎやすいように扁平加工がされています。
シクロクロスバイクにおいては以前より鉄板とされている処理ですが、そういった部分まで抜かりなく設計されています。
軽いとはいえ8kg近いものを肩に乗せるわけですから、こういった細かい部分はレースを走るうえで重要です。
Fxはどんな人にオススメですか?
その癖の無い扱いやすさからすべてのシクロクロッサーにお勧めできます。
レースの最後の局面まで、そのライダーのベストな走りを引き出してくれるバイクです。