皆さんこんにちは。FELTサポートライダー、トライアスリートの飯田忠司です。
さて、第4回の今回のテーマはいよいよ3種目のトレーニングについてお話ししていきます。
まずはもっともお悩みの方が多いと思われるスイムからです。
<目指すべき泳力>
51.5㎞のトライアスロンでは1.5㎞を泳ぎ切る必要があります。勿論、レースまでに1.5㎞を完全に泳げるようになる事ができればベストですが、水泳経験のない方にはこの距離は途方もなく長い距離だと感じると思います。
私も始めたばかりの頃は、100m程度しか泳げず、一体いつになったら1.5㎞を泳げるようになるのだろう・・・と途方に暮れてしまったものです。
しかし心配はいりません。レースではウェットスーツを着用する事で浮力が得られ、格段に泳力が増しますし、正しい練習をすれば、誰でもこれくらいの距離は泳げるようになります。
まずは一つ一つ問題をクリアしていきましょう。
当面の目標としてはクロールで200m休まずに泳げる力をつける事を目指しましょう。
25m~50mくらいだと特に男性などは力だけでなんとかなってしまいますが、200mは技術が伴っていないと泳ぎきれない距離です。
また経験上、200m位を休まずに泳げるようになると、それより長い距離も泳げるようになってきます。
まずは25mを8本。1本ごとに休息を入れて・・から始め、徐々に距離を伸ばしていきましょう。
<泳ぎのポイント>
次に泳ぎのポイントです。「少ない力で前に進む」、すなわち水の抵抗を少なく、推進力を得るフォームを目指します。
〇姿勢(ボディポジション)、
〇キック
〇プル(腕の掻き)
の3点でのそれぞれの注意点を挙げてみます。
1:ボディポジション
まずは腰~足をしっかり浮かせる。
指先から足先までが水面に近い位置でフラットに近いのが理想ですが、
多くの方が、肩周りの柔軟性がない為に背中を反る事でこれを補完しており、結果足が、沈んでしまったり、腕に負担がかかっている場合はとても多いです。
姿勢を保つ為にかなりのエネルギーを使ってしまっています。
この場合は、指先を水面から2,30㎝くらい低い位置に落として上げると足が浮きやすくなり、腕も楽になる事が多いので、上記の症状のある方は試してみてください。
浮いている感覚がわからないという方はプルブイという足に挟む道具を使用すると良いですね。
もしプールにプルブイがある場合はそれを挟んで、まずはこの状態でしっかり浮けるようになる事を目指しましょう。
2:キック(足の動作)
「当たる面をたくさん、鞭がしなるイメージ」で。
キックが物凄く疲れて苦手!こんな方はとても多いと思います。このような場合、膝から下だけが動いてしますい太もも前の筋肉を酷使している事がほとんどです。
始めは水中で立った状態からでも良いのでひざ下の意識は捨て、股関節からしっかり動かせるようします。
水にあたる面を増やす。
なるべく多くの水を身体(足)で捉える事も重要です。足の甲、脛の外側で水を触るイメージをもってみましょう。
両足の親指同士が触れるくらいの幅でキックを打ってあげると良いでしょう。
キックの推進力は全体の30%程度で、長距離の場合はあまりたくさん打つ必要なないですが、キックを正しく打つことで、ボディバランスを安定させることもできますので、上手に打てるようになると良いですね。
3:プル(腕の動作、掻き)
キック同様、たくさんの水を腕全体で上手にとらえる事で推進力に変える事が出来ます。
肩幅の延長線上、水面から20㎝くらい低い位置の水を触っていく・・・
水面から20㎝くらい低い所に肩幅くらいの梯子があってそれを昇っていくようなイメージが良いですね。
S字などはあまり意識しすぎると、身体の軸がぶれて蛇行や抵抗に繋がります。
また手を入水してから、すぐに掻かない。水を触ってから掻くこんなイメージにしてあげると、しっかりと水を捉えて、推進力に繋げる事ができます。
ゆっくり泳いでもしっかりと進めると技術が身についていると言えます。
速く泳げることも大切ですが、練習の中でここまでに挙げた意識すべき部分をしっかり意識して、ゆっくり泳ぐ時間も作ってあげると良いでしょう。
<お勧めのドリル>
注意すべき点に特化した練習「ドリル」を取り入れると良いです。
〇げんこつスイム(水を触る感覚、腕全体で水を捉える)
手をグーにしてクロールをする。グーにする事でスカスカになり進みにくくなるが、ゆっくりやってもしっかり進める事がポイント、12.5mをグーにして、残り12.5mを普通のクロールでやってみると違いが分かりやすいです。
〇片手クロール(両手の感覚を整えるなど)
片手でビート板を持ち、もう片方の手でクロール。25mまたは5~10掻きで左右を交代する。
〇キャッチアップ
両腕を前で揃えた状態からクロール。片方の手を掻き終わり、前に戻すときに、前に残っているもう片方の手を必ず触ってからもう片方の手を掻く。沈みやすい人には効果的なドリルです。
<専門家のアドバイスを>
ここまでは一人でできるような事を挙げてみましたが、一人で練習にはやはり限界があります。何が間違っていて、何をやるべきなのか、それを明確にしてくれる第3者の意見を聞く事は上達への近道です。水泳にお悩みの方は、是非、スクールやレッスンに入る事をお勧めします。
私の主宰するスクールでは、レベルベルに分かれたメニューをこなしたり、コースロープを外した状態で泳いでもらい、実戦でもしっかりと力を出せるような練習もしています。仲間で一緒に練習すると、一人ではできないような練習もできてしまうから不思議ですね。
この辺りにも長く楽しむコツがあると思います。
最後に初心者向けのメニューを挙げておきますね。
ウォーミングアップ | 25mx4本 ウォーキング |
キック | 25mx4本 ビート板使用 |
ドリル | 25mx2本 プルブイを挟んで浮く |
ドリル | 25mx4本 げんこつスイム |
スイム | 25mx8本 クロールで(間に他の泳法を挟んでもOK) |
クールダウン1 | 25mx2 プルブイを挟んで浮く |
クールダウン2 | 25mx2 水中ウォーキング |
以上です。次回はバイクについてです!
飯田忠司(いいだ ただし)
プロトライアスリート
日本トラアイスロン連合指導者養成委員
トライアスロンスクールI-STORM代表
<主な成績>
2011年 佐渡国際トライアスロンAタイプ 優勝
2012年 佐渡国際トライアスロンAタイプ 2位
2013年 五島長崎国際トラアイスロン エリート2位
スクール情報(I-STORMサイト)
www.i-storm-tri.com/
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