2017全日本タイムトライアル 中村龍太郎

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金曜日の社食のA定食が唐揚げだったことに舌打ちしつつ、木曜日に定時で上がって、バスで稲毛駅→(総武線快速)→東京駅→(はやぶさ)→八戸。
TTバイクが入ったSCICONと共に、八戸到着は22時。
東京駅で買った駅弁を二つも食べたら隣に座っていたお姉さんに白い目で見られた。駅弁って量少ないよね?
八戸の寒さと、「よぐ八戸さ おんであんした」という なんとなく言いたいことは分かるけど イマイチピンとこない津軽弁に驚きながら、駅前ホテルへ。
事前に青森入りしている監督にレンタカーを受け取っておいてもらったので、自転車を積みこむ。
前日試走が出来ないので、当日の朝しか走れないことを考えると、車は木曜の内に必要だったのである。監督、ありがとうございました。
ちなみにロードバイクはフリーダムの店長が千葉から車でいくとのことだったので、無理言ってお願いして運んでもらいました(帰りも)。店長ありがとうございます!
一時間遅れで八戸入りしたユキを迎え、マッサージをしてもらう。ユキは今回TTに出ないのにサポートとして休みを取ってきてくれた。ありがとう。

5:30に起きて6時に出発。6:30に会場に到着。自転車を組んで試走へ。

コースプロフィールだけ見ると一周の獲得標高は70mと小さく、行って帰ってのコースではないため風向きが決まっていない。

スクリーンショット (33)

スタートして暫し下って、100mほどの登りへ。登りきると弱冠平坦が来て少し下ってまた登り。それが終わって緩いアップダウンを経て左へ。
ここでやっと緩く下れるが、すぐにレの字に左折。コーナーの抜けが一車線になるので下りの勢いは殺される。しかもコーナーの先はちょっと登る。
さらに細かうアップダウンの後、登りながら右折。細いクランクを抜けて畑の直線区間へ。最初は下るけど後はずっと平坦。
左に曲がって緩いアップダウンをこなし、保育園のコーナーでまた左。ここも一車線になるのでブレーキが必要。
学校の横を通り短く急に下った後、登りが二段。左折して最後はロードコースを逆走する形に緩く登って、ゴール前から下る。
一周回って気づく。「休むところが無い!」

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PHOTO BY KUROKUMA

一周13kmを三周の合計39km。午前中のジュニアとU23の選手の一位が16分半で帰ってきたことを考えると、一周17分として50分強のレース。
熊野、那須と足の調子はいいが、長い時間踏み続ける練習はできていない。
加えて、レース前にいつも来る太ももの痛みが出てきて漕ぐのも辛く、早めに会場に着いたのに二周しかできず。
こう大事なレースの前に痛くなることを考えると精神的なものなのか。結局は長時間歩いたりすると痛みが出てくるので、人間をやめてるに等しい。
車に戻ってユキに揉んでもらったり、チビ助に股関節のストレッチを教わったりと試行錯誤してだいぶ良くはなった。
なお、レースになるとアドレナリンが出るのか痛みを忘れるので、尽力してくれた二人には非常に申し訳ない。

スタートは第二ウェーブなのでノンビリ準備。新アイテムのナカガワのエンドワッシャーを装着。
フォークの剛性が上がるというが、果たしてTTでその違いを感じることはできなかった。今度はロードにつけてみよう。
風が出てきたが、帰ってきたU23選手の話を聞くとそこまでの強くないそうなので、勝負ホイールのイオで行くことにする。
というか個人的に未だに2015年のことを引き摺っていて、イオ以外のホイールをつけるのをためらってしまう。
本来風が少しでもあったらイオは煽られてしまうので、危険なのだけど、暴風じゃない限りイオを強行している。
なので今回は何か所か横風に煽られることがあって辛かった。自業自得である。

スタートは前に鰤のアジアTTチャンピオンで後ろにも鰤の絶好調な岡。オセロ的には僕も鰤っつぇん。

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PHOTO BY ナンシーさん

一分差で出ていくのでアジアチャンピオンに追いつくのは難しい。折り返しでもないので他の選手とのタイム差が分からない。
分かったところでどうしようもないのだけど。今回からチームカーが後ろを走ってくれるので、無線があると気持ち的にも心強かったとは、思う。

スタートして登りに入る。向かい風に思えたけどシッティングでグイグイ上る。
ことTTに関してはダンシングを使わないのが自分の考え(コーナーの立ち上がり以外は)。
乳酸の除去という意味ではいいかもしれないが、風を受けてペースが安定しなくなるのが怖い。
最初の周から飛ばしすぎないように意識はしていたが、頭と体がリンクしていない。
レーススピードで走る一周目はDHをどこで離すかを考えながら走る。

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PHOTO BY KUROKUMA

明らかにブレーキするべきは「レ」の字と、保育園のコーナー。それ以外も一周目は一応ブルホーンを持ってブレーキに指をかけてコーナーを回る。
出来るだけTTポジションは崩したくない。個人差はあるがDHもったままコーナーをクリアするのは、割と快感だと思うのである。

一周完了するころには、明らかに残り二周を同じ強度で走れないことを体が訴えてくる。オーバーペースはいつものこと。
やはり休む箇所が少なく、「登り切ったら一休み!」と、頭の中の一休さんが全力で休もうとする。
曲がりなりにも元TTチャンピオンだが、こういう考えに至る時点で向いていないのでは?と自問する。
畑の直線区間で一周目には見えていた黒いバンも、全く見えなくなり、玲との差は広がっていることを確信する。
そうなってくると後ろの岡の足音が聞こえてくるのだけど、怖くて振り返ることが出来なかった。

二周目は「レ」」の字と保育園以外はDHもったままクリア。風で煽られながらも懸命に踏むが、明らかに前の周よりパワーが出ない。
追い風は「レ」の字の後の少しの登りで感じたくらいで、あとは邪魔してくる風だったように思う(被害妄想か?)
一周目完了時点で「あと二周…」と精神的に吐きそうになっていたが、二周を完了時には「あと一周!」と空元気。

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PHOTO BY KUROKUMA

長くは続かず、だましだまし走る。とうとう「レ」の字前で岡が後ろから追いついてきて、「ハイ!」の一言が死刑宣告。
そそくさと端に寄って勢いよくブチ抜かれる。心が折れる音がした。
真後ろに憑いてドラフティングを使うのはルール違反なのでラインをずらして走る。
後ろから見て岡のペダリングは力強く、終盤までこのペダリングができるのは凄いと感嘆する。
長く見ていたかったけどそれも許してもらえず。岡が小さくなってきたら今度はさらに前に愛三の原田君が見えた。
このタイミングでの目標物はモチベーションが上がる。足に力が蘇ってきて、保育園を前に追い抜く。
第一ウェーブの一位が50分台だったので、スタート時間から逆算すると16分台でゴールしなければならない。
原田君を抜いてからゴールを意識するが、二段坂で50分台は無理だ悟り、心のブレーキが半踏み。
残りは出し切ろうと走るけれど、いまいち体がついてこない。
51分36秒88でゴール。暫定6位の放送を受けたが自分の後ろを走っている残りの5人全員に抜かれ全体で11位。

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PHOTO BY 五月女さん

先頭との差は1分57秒12。カップ麺だとちょい硬めくらい。昨年は1分差くらいだったので凹む。
テントに戻ってダウンをするけど脱水なのか異常に体が疲れている。
50分のTTで水を持っていかなかったことによる弊害だろうか?
全日本TTに参加し始めた2015年は雨だったので水分はいらなかったが、16,17年とドライなコンディションだった。
気合いで何とかなると思ってボトルゲージをつけていなかったが、そういうマネジメントも必要なのだろう。

何にせよ、昨年に比べてさらに差がついてしまった。
コースの向き不向きはあるかもしれないが、西園さんも軽量であることを考えると、まだまだ改良点がある。
「もう一度全日本を獲りたい」というやんわりとした目標は、やんわりとしているからこそ、妥当な結果であったと思う。
そろそろ現実を見よう。とりあえず来年の全日本の資格を得たぞ。よし。

車でロードコースの試走をして、2010年のインカレの記憶を引っ張り出す。
DNFだった記憶はあるが、どう走っていたのかほぼ覚えていない。
信大のブログの過去を見てみたけど何も更新していない僕。あのころはただの猿でした。
唯一覚えているのは、一回目の直登でIPUの小村と二人になって(と言っても確か小村は落車したんじゃなかったかな?僕はナチュラルに千切れた)、
ちょっと前にIPUの合宿に参加させてもらっていたので、親しげに話しかけたら、キレられた覚えがある。トラウマである。
その合宿の時に今イナーメでチームメイトのドメさんにも会ったんだよね。自転車界は狭い。
車で走ってもえげつないことが分かるコース。一日空きがあるので回復に全力を捧げようと決意するのであった。

続く