GTのトレイルで楽しめるフルサス2台を乗り比べインプレッション。
ライダー:Kenji Jinno (裏山ライドTokyo)
ヘリオン HELION(右)とセンサー SENSOR(左)。
どちらも、AOSのサスペンション機構を搭載し、登りも下りも楽しめる基本性能を有している。
まずは、SENSOR COMP。
HELIONよりもトップチューブの位置が低く、またトップチューブ長は短くコンパクトな印象。
HELIONよりもヘッドがやや寝ていて安定感がある。
下りでは安定しながらも身体の動きにしっかり反応してくれる。コントロールする楽しさを感じられる。
AOSサスペンションシステムが路面をしっかりと掴んでくれて安心感がある。少し腰を落としたポジションをとると、バイクと一体になってコントロールする楽しさをすぐに感じることができる。
身体の動きに対する反応が素直で、プッシュするとリズムよく反応してくれる。バイクとの一体感を感じやすく、ちょっとしたギャップでも潰して走るもよし、合わせてバニーホップすれば大きく飛ぶこともできた。乗りこなすのが楽しい、遊べる一台だと感じる。
少しスピードを上げてみた。懐が深く、多少ラフに走っても破綻しない。重心が低く安定感がある。それでいて、ちょっと遊びたくなるリズムの良さを感じる。下りでの楽しさはSENSORに乗る誰でも実感できるだろう。
ニュートラルな状態からバイクを押し込んでの「タメ」が作りやすく、サスペンションの挙動も素直でコントロールしやすいので、テクニックがあれば色々と遊べるだろう。身体を大きく動かせれば、上下左右に自在にバイクを動かせる。
身体を硬くしてバイクにしがみつくとこのバイクの良さがスポイルされてしまうので、リラックスして膝と上半身を柔らかくし、バイクの上でリズムをとるように身体を動かすと気持ちよくバイクが反応してくれる。
トレイルの下りでのコントロールのしやすさは素晴らしい。
登りもバイクの挙動にリズムを合わせれば気持ちよく登れる。
次はHELION。
XC寄りの味付けで、登りでも軽快に加速できる設計だ。
SENSORと比べるとトップチューブ位置が高めで、ヘッドアングルが少し立っている。登りもこなせるCX寄りの雰囲気が漂う。
下りの後の登り返し、踏み込んだ時の反応も良く、俊敏なフィーリング。路面を両輪がしっかりと追従し、漕ぎ出す瞬間からバイクがしっかり前に進むのを感じることができた。
やはり、登りでの性能は素晴らしい。路面のギャップをしっかり吸収し、しっかり両輪が路面にはりつきながら、踏んだ分だけグイグイと前に進む。
今回試したモデルには前後ともサスペンションのロックアウト機構も装備されており、手元のレバーで簡単にロックできた。ギャップのない登りではロックさせればさらに効率的に登りをこなすこともできる。
踏み込みやハンドリングの反応が速く、路面のギャップを吸収しながらも思った通りのラインで機敏に動ける。
登りのギャップでも弾かれることなく、路面に食らいつくように追従してくれる一方で、踏み込んだ分だけ前に出る。思わずどんどん踏みたくなる、やる気を刺激する性格のバイクだと思う。
登りでもしっかり前傾姿勢が取れるやや長めのトップチューブと、登りでも狙ったラインをトレースできる適切なヘッドアングル。軽快に動き、狙ったラインどりができて、登りも下りも楽しめる。
27.5ホイールの走破性、AOSサスペンションシステムによるロスのない路面追従性、重心の低さと安定性、そして絶妙なジオメトリによる軽快なハンドリング。アップダウンの多いトレイルで真価を発揮する一台だ。
センサーと ヘリオン 比較インプレッション総評
スムーズに路面をトレースし、登りも下りも前へ前へと進むHELION。
バイクとの一体感を感じながら上下左右にバイクをコントロールして遊べるSENSOR。
どちらもGTがi-Driveを進化させて生み出した最新鋭のAOSサスペンションシステムを搭載し、登りも下りもこなせる十分な基本性能を有しつつも、やや異なる味付けで仕上がっている。
前へ前へと踏み込んでXC的に走りながらトレイルを楽しむならHELION、バイクを大きく動かしてコントロールする楽しさを追求するならSENSOR。
どちらも、乗り手の想像力とやる気を引き出し、乗った瞬間から気持ちを高揚させてくれる。
センサー、ヘリオンは裏山ライドTOKYOでレンタルバイクとして試乗出来ます。
利用可能日などは公式WEBサイトをご覧ください。
http://www.ura-yama.com/BIKE/country/pg290.html