目次
- 1 弊社スタッフが語るFELT FR FRDインプレッション
- 1.1 【FRDとは】
- 1.2 【F5との比較で見えてくる、FR FRDの魅力】
- 1.3 【ライダー情報】
- 1.4 【Fシリーズの印象、特徴は?】
- 1.5 【Fシリーズの唯一のネガティブポイント】
- 1.6 【FRシリーズの印象は?】
- 1.7 【トラクションの向上】
- 1.8 【リアサスペンションのように常に路面と接地】
- 1.9 【コーナーリング性能の向上】
- 1.10 【BBの規格の違い】
- 1.11 【FRの中でも飛び抜けた存在、FR FRDについて】
- 1.12 【新構造の革新的カーボンマテリアル】
- 1.13 【反応性が高く、ロスが少ない】
- 1.14 【F5からFRDのセッティングの変化】
- 1.15 ~サドル前後位置の変化~
- 1.16 【自然な6.8kg】
- 1.17 【FR FRDはどのような人におすすめか】
弊社スタッフが語るFELT FR FRDインプレッション
【FRDとは】
FRDは「Felt Racing Depelopment」の頭文字。
FELTが究極のバイクを作り出すためにすべてを注ぎ込んで開発されたモデルという意味で最新で最高のフラッグシップモデルにつけられる名称です。FRDグレードのフレームを製造できるのは、FRD専門の技術者のみ。そのため、ひと月の製造本数は全世界でなんとわずか25本。
【F5との比較で見えてくる、FR FRDの魅力】
弊社人気NO.1セールススタッフでありながら、ロードレースで実業団登録をして走るシリアスレーサでもあるナカシ氏。ロードレースだけでなくトライアスロンやグラベルライド、キャンプツーリングも楽しむ。
これまでの愛車は2013モデルのF5。入社と同時に購入し、現在まで乗り込んできたからこそわかる、FR FRDとの違いとその魅力について語ってもらった。
【ライダー情報】
FELTセールスチームスタッフ:ナカシ
174cm 59kg
FTP 260w(4.4w/kg)
2018年 JBCF登録レース参戦 E3
細かいアップダウンがあるコースが得意
【Fシリーズの印象、特徴は?】
「Fシリーズはとても乗りやすく、かなり満足感がありました。それもあり6年間乗り続けました。」
「私が乗っていたF5はカーボン素材がPerformanceグレードだったこともあり、反応性はそこまで高くありませんが、巡航性能は高水準。適当に回しても楽にキープできました。そして特に乗り味がマイルドで長距離のライドも楽でした。」
・愛車の2013モデルF5 完成車スペックのパーツはほぼ全て交換されている
【Fシリーズの唯一のネガティブポイント】
「Fシリーズのバイクに共通して言える、唯一あげる不満点としては、スプリントの時、特に登りスプリントでリアが跳ねてしまい、トルクが上手くかけられませんでした。」
【FRシリーズの印象は?】
「FRは、Fシリーズでの不満点を解消しただけでなく、さらに乗りやすくなり感動しました!」
・FR FRDに数ヶ月乗り、感覚を確かめながらポジションやパーツアッセンブルを煮詰めているナカシ氏。
【トラクションの向上】
「トップチューブとシートステーが一体化することにより、路面へのトラクション(路面追従性)が上がりました。」
・シートステーがシートステー横を通ってトップチューブまで伸びている形状がポイント
【リアサスペンションのように常に路面と接地】
「イメージとしてはMTBのリアサスペンションです。常に路面にしなやかに接地している感覚です。スプリントでも跳ねずにしっかり路面をキャッチしてトルクをかけることができます。」
・シートステーの形状の変化が乗り心地に劇的な変化をもたらした
・シートステー上部はボリュームがあるが、スポーク付近は非常に細い
・F5のシートステー上部。振動吸収性能よりもパワーロスを減らすことに重点を置いたデザインに見える。ブレーキを付けるためのブリッジがシートステーをまたいでいるので、よりガッチリした印象となっている。ナカシ氏が言う、「登りスプリントでリアが跳ねる感覚」というのもこの辺りのデザインと関係がありそうだ。
【コーナーリング性能の向上】
「ヘッドチューブも15mm長くなり、フォークオフセットも寝るようになりました。このことにより、コーナリングの安定感がFシリーズより増し、狙ったラインをスムーズに取ることができます。」
・ヘッドチューブがFシリーズよりも長くなった事でハンドリングの安定感が増した。
・F5(510mmサイズ)のヘッドチューブ。撮影しているFR FRDは540mmサイズだが、F5はヘッドチューブが特にが短いのが分かる。
・フォークのオフセットも改良され、コーナーリングがよりスムーズになった。
【BBの規格の違い】
「BB30からBB386に変わったので、BB周りの剛性の変化もあると思っていましたが、そこまで変化は感じませんでした。BB386はベアリングがフレームに直接圧入ではなくなったので、今後乗り込んだ時のメンテナンス性などでメリットが出てくると思います」
・フレームにベアリングを直接圧入するBB30とは異なり、BB386はフレームとベアリングの間に樹脂のカップが圧入される。
【FRの中でも飛び抜けた存在、FR FRDについて】
「F5と比べるとカーボン素材が大きく違うので、全く違う乗り味でした。」
・FシリーズでF5はUHC Performanceカーボン、入門者からシリアスレーサーまで対応する
・FRDは最高グレードのUHC Ultimate +TeXtreme®カーボン。レースで勝つためのバイク
【新構造の革新的カーボンマテリアル】
通常はユニダイレクションと呼ばれる1方向だけの繊維を重ね合わせてフレームは作られるが、TeXtreme®(テクストリーム)はクロス状に成型されたカーボン。
クロスカーボンこれまでにも存在したが、TeXtreme®は高剛性なカーボンをクロス状に作ることができる技術で、今までの化粧カーボンとは異なり、それ自体がフレームの剛性を高めてくれる。
高剛性カーボンをクロス状シートにすることで、同じ性能のユニダイレクションカーボンシートよりも軽く、薄くレイアップできるのが、TeXtreme®カーボンの特徴。FRDグレードだけでなく、段々と下位グレードでも採用が始まっているが、FRDは下位グレードよりもさらに薄いハイグレードなTeXtreme®を採用している。
薄いシートを用いることで、シート積層の自由度を高めて理想のフレーム性能を追求した。
・表面に見える格子柄がTeXtreme®カーボンの特徴でもある。
*FELTのカーボンテクノロジーについては、以下のリンクを参照。
【反応性が高く、ロスが少ない】
「FRDは反応性が非常に高く、パワーロスが少ない印象です。
F5より0.5〜10%増しでワットが出ていました。(220wくらいで踏んでる感覚で240w出てる)ケイデンス110rpm辺りまで上げても、スカスカ感がない、回してるだけで伸びる。
逆にペダリングに注意してあげないと95rpm以下で雑に踏むと進まない感触があります。
FRの快適性のあるフレーム設計とマッチして硬すぎる感覚はありません。」
【F5からFRDのセッティングの変化】
~ステムの変更~
「FRシリーズはヘッドチューブが伸びた事もあり、Fシリーズとハンドル位置を同じにしようとすると、前下がりのステムに変える必要がありました。これにより、Fシリーズとほぼ同じポジションになりました。」※両腕リーチ181cm/身長比104%の手長体質のため
~サドル前後位置の変化~
もともとKCNCのTIプロライトを使用していたナカシ氏、ゼロオフセットのシートピラーを選択していた理由とFRに変更して前後位置の変化について聞いた。
「ゼロオフセットは前乗りが好きだからですね」
「もともとF5はケイデンスで巡行をキープするというより、後からじわじわスピードが乗ってくるタイプなので前乗りで踏む感覚。FR FRDはケイデンスでスピードを維持できるので、少し後ろ乗りにしようかなと考えています。」
ということで、今後はF5→BB~サドル先端後退幅5cmを6cm辺りに変更予定だそう。
・こだわりの逸品、KCNC TI PRO LITE 。ゼロオフセットがお気に入り。カットなしの状態で168gと超軽量
【自然な6.8kg】
「私は軽量ホイールはあまり好みではなく、1500gくらいのホイールで慣性を感じるくらいが好きです。その点もあり、FR1+軽量ホイールという選択肢もありましたが、FRD超軽量フレーム+約1500gホイールで6.8kgをチョイスしました。軽量にこだわり無理やり6.8kgを目指したバイクではない「自然な6.8kgバイク」となります。」
【FR FRDはどのような人におすすめか】
「特に反応性に感動しました。アタックやスプリントに対して自分が思い描いた体の動きができる、人車一体となって走っている感覚が最高に気持ちよかったです。ミドル、エントリーグレードのカーボンですと、あとから乗っかってくる感がありますが、FRDは即座に反応してくれます。登りをダンシングで軽快に登りたい人、アタックに反応したい、スプリントで勝ちたい人におすすめです。」
最初に書いたように、生産本数が非常に少なく、一度機会を逃すと手に入りにくい貴重なモデルがFRD。
詳しい商品情報はこちらから↓
以上、弊社ライダーによるFELT F5との比較から見る FR FRDの魅力
インタビュアー担当と執筆は弊社カスタマーサービス/カマタアツシでした。