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AR FRDを唐見実世子選手がインプレッション
photo Miwa IIJIMA
今年からAR FRDを使う弱虫ペダルサイクリングチーム 唐見実世子選手からインプレが届きました。
チームでは、海外の強い女子選手が使用していることから強い希望を頂いた唐見選手のみAR FRDを使用します。
Felt AR FRD
Feltのエアロロード「ARシリーズ」のフラッグシップモデル。
トライアスロンバイクとエアロロードの先駆者ならではの高いエアロダイナミクスを持ちながら、「フレーム単体908g」とエアロロードとしては圧倒的な軽量性を持ちます。
モデル名の「FRD」はFeltのフラッグシップに冠する称号で、コストに上限を設けず開発が行われています。
フレームの元となるプリプレグ「カーボンシート」は「AR5」の2.5倍、製造には5倍の時間がかかります。
それだけ、薄いプリプレグを緻密に重ねて作られているということです。
唐見実世子選手
体重50kg
唐見選手は、2004年のアテネオリンピックに出場。33歳で引退したものの、2016年に弱虫ペダルサイクリングチームのプレイングコーチとして現役復帰。
そして2年連続でJBCF実業団レースで女子総合優勝しました。
今年2月に開催されたアジア選手権では銅メダルを獲得しました。
2001
全日本シクロクロス選手権大会:優勝
2002
全日本シクロクロス選手権大会:優勝
2004
全日本選手権個人タイムトライアル:優勝
全日本選手権ロードレース:準優勝
アテネオリンピック個人ロードレース:41位
2005
全日本選手権個人タイムトライアル:優勝
全日本選手権ロードレース:準優勝
2016
実業団Jフェミニン(女子)ツアー 個人総合優勝
2017
実業団Jフェミニン(女子)ツアー個人総合優勝
全日本選手権個人タイムトライアル:3位
全日本選手権ロードレース:準優勝
2018
アジア選手権個人タイムトライアル:3位
この機材を選んだ理由はなんですか?
見た目がカッコいい事と海外で強い選手が昨年使用しているのを見たからです。
エアロ形状のバイクは、平地の巡行に特化しているイメージがあり、アップダウンのコースや下り、コーナリングなど、総合的に見ると難があるようなイメージを持っていました。
海外の女子選手がレースで結果を出せている事を目の当たりにして、もちろん選手のタイプにもよるのでしょうが、自分でも扱えるのではないかと思いました。
フレーム単体で908gなので、あまりに軽すぎるという訳でもなく、トップモデルのコンポーネントやホイールを使用しても、UCI規定の6.8kgを割らないというのもポイントでした。
実際に使ってどうでしたか?
昨年も同じFELTバイクでしたが、FR1のオールラウンダーでシャキシャキ走る感覚とは違います。
走りだしたら足が回るというか、回されるような不思議な感じがありました。
体重が軽いせいもあってか横風の影響は感じますが、それ以上に高い巡行スピードを維持できる方が優っています。
コーナリングや下りは全く問題なく、今までと同じような感覚でした。
ダンシングの感じは今までとは異なっています。自転車を振るタイミングも昨年までのバイクとは違っています。縦方向に強いフレームである事とフレーム自体が重厚になっているので、そのあたりの扱いは変わります。
登りはシッティングで登る時間が増えたように思います。力が全てバイクに伝わる感じで、シッティングで自分のリズムで踏んでいけばそのまま進んでいく感じです。
難を言えば登りも平地も力がダイレクトにスピードに変わる分、気がついたら足がなくなっている点です。その辺りは乗り込んで、どの位の強度で自分の体力が限界に達してしまうのか、把握する必要があると思います。
どのようなユーザーに向いていますか?
高速巡行に優れているので、トライアスロンや、逃げを得意とするロード選手に向いていると思います。
またクリテリウムや群馬cscくらいの軽いアップダウンのコースで特にARの良さを発揮できるのではないでしょうか?
また、合わせるホイールは、その選手の持つ出力によって変わってくるのではないかと思います。
ハイエンドモデルならではの重厚さがありますので、柔らかめのホイールを選んで固さを調節するのもありでしょうし、50ミリのディープリムでさらに攻めるのもありだと思います。
私はかなり固いホイールを使用していて、出力もあまり高い方ではありませんが、だからといって固すぎて踏めないという感じはありません。
むしろ少ない出力が全てスピードに変換されているような感覚があり、自分でもびっくりするくらい速く走れます。
Felt AR FRDフレームキット 製品ページ