Felt FRシリーズ ダイレクトマウントブレーキってどうなの?

坂バカスタッフRYOです。

Feltが考える現状で最高の性能を具現化したロードバイクが「FR」シリーズ。

 

そんなFRのリアブレーキは、ダイレクトマウント規格のブレーキをチェーンステーにマウントしています。

「チェーンステーのダイレクトマウントブレーキって実際どうなの??」という質問をよくもらいます。

FRに乗り始めて半年ほどになったので、実際どうなのかというところを書いてみたいと思います。

 

組み付けがかなり重要

いきなり結論となりますが、ダイレクトマウントブレーキで問題となるところは、組み付けだけだと思います。

たしかにポイントを踏まえて丁寧に組み付けないと引きが重くなりがちです。

特にワイヤーの長さが重要です。

ワイヤーの適正な長さについては、コチラのブログでご紹介しています。

https://www.riteway-jp.com/itemblog/%E3%82%AB%E3%83%86%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%83%BC-6757/2016/09/_toshima

アウターワイヤーの末端処理もちゃんとバリを取って妥協せずに施す必要がありますし、ブレーキシューのセンター出しもしっかりやる必要があります。

ただ、これってノーマルブレーキでも同じく必要とされることです。

組み付け作業はノーマルブレーキと比べると少しシビアになりますが、しっかり組み付けさえすれば同等以上の性能が出せます。

作業はダイレクトマウントブレーキに慣れているショップにお願いすることをお勧めします。

 

制動力は変わらない

ダイレクトマウントブレーキは制動力が低いと思われている方がいますが、制動力はほぼ変わらないと感じました。

逆にメーカー的には剛性が高いチェーンステーにブレーキを設置することで制動力は高まるという話ですが、特に制動力が高いとも感じられませんでした。

制動力が低いという噂は、組み付け方の不十分さからワイヤーの引きが重くなり、それが制動力の低さに感じられているのではないかと想像します。

 

ではチェーンステーのダイレクトマウントにした効果は?

ブレーキ性能的には良くも悪くも差は感じられませんでしたが、走行性能は格段に良くなったと感じています。

ブレーキをチェーンステーに移動したことで、シートステーのデザイン自由度が確保できています。

実際、以前のFシリーズから新しいFRシリーズのシートステーはまったく違う形状になりました。

 

①トラクション

乗り込んで感じたのはリアのトラクション性能です。

「もがき」でリアホイールが浮いた、もしくはフワフワした経験は無いでしょうか?

特に荒れた路面やフロント荷重になった時にそうなりやすいと思います。

実はFRに乗り換えてからはそういった場面がまったくなくなりました。

リアホイールが常に路面にしっかり接地してペダリングパワーを逃がさない安心感があります。

 

②振動吸収性

あと、単純な振動吸収性は異常なくらい良いです。

FRはレーシングバイクですが、ゆっくり走る人にもお勧めできます。

こういったレーシングバイクって、ゆっくり走ると不快感があるのですが、FRについては当てはまりません。

特に大きな段差を越えた時の衝撃はタイヤを25Cから28Cに変えたくらい違います。

 

③低重心化

ブレーキがシートステーからチェーンステーに移動すれば、ブレーキ本体が下の方に付くだけでなく、シートステー自体も軽量になります。

おそらく200gくらいの重量物が下に着くことになります。

シートポスト一本分ぐらいですかね。

自転車にとって低重心化は、安定感が高まり、ダンシングの振りも軽くなるはずで、良いことしかありません。

同じバイクでシートステーマウントとチェーンステーマウントを比べたことは当然無いので、実際どの程度の効果があるのかは分かりませんが(笑)

ただ、そうやってほんの少しであっても高性能を目指す姿勢はFeltの開発らしいなあと感じます。

 

よく考えられたワイヤールーティング

チェーンステーのブレーキは引きが重くなりがちですが、FRのワイヤールーティングはよく考えられています。

ヘッドチューブから入って、ダウンチューブ下から出てくるのですが、フレーム内部にはアウターワイヤーも通してなければ、ワイヤーガイドのようなものもありません。

インナーワイヤーのみがヘッドチューブからダウンチューブにかけて真っ直ぐ引っ張られている状態です。

ワイヤー内装ながら構造的には外装と同じシステムで、ブレーキの引きが重くなりにくいです。

ダウンチューブ側の出口の位置と角度も、アウターワイヤーの長ささえ間違えなければブレーキの動きを妨げず、よく煮詰められています。

 

ヘッドチューブ側の入り口は、ハンドルと距離が近いので、ワイヤーのカーブがきつくなりがちです。

私の場合は、右ブレーキを後ろに設定しているので、まったく問題なくスムーズでした。

ただ、左後ろの場合は、ワイヤーの引きを妨げないよう注意して組み付ける必要がありそうです。

 

まとめ

チェーンステーマウントのダイレクトマウントブレーキになって、走行性能が格段に向上したことは間違いないと思います。

必要なのはブレーキの引きが重くならないようポイントを押さえた丁寧な組み付けのみ。

ただひたすら世界最高性能を求めるFeltらしい選択です。

 

商品ページはコチラ

https://www.riteway-jp.com/bicycle/felt/bikes/onsale/