FELT FR 実測フレーム重量と設計のコダワリ

坂バカスタッフRYOです。

FELTのカーボンフレームの他社との違いってなんでしょう?

それはズバリ「レイアップスケジュール」です。

カーボンフレームはカーボンシートを手作業で重ねることで形作られますが、その重ねるシートの種類、大きさ/形状、繊維方向の指示のことですね。

FELTでは他社よりも薄い75FAW(Fiber Area Weight=1㎡あたりの重量)以下のカーボンシートをたくさん重ねることで、細やかな設計を実現しています。

そのためレイアップスケジュールの枚数はエントリーグレードでも他社の数倍、FRDで10倍です。

もちろんコンピューターによるFEA解析やプロトタイプの計測、テストライドを何度も何度も繰り返してレイアップスケジュールは決定されます。

とは言え、レイアップスケジュールのこだわりは外見からはまったく分からないのが辛いところです(笑)

見えないですが、カーボンのグレード以上にフレーム性能を決定付ける要素です。

そんなFRシリーズですが今回はフレーム重量、フォーク重量を実測してみました。

 

目次

UHC Advanced カーボンフレーム (FR5/FR6)実測重量

FR6とFR5は同じフレーム&フォークです。

FRカーボンのエントリーモデルにも関わらず、UHC Advanced というFELTのミドルグレードのカーボンフレーム。

ちなみに以前のF5やF6では、UHC Performance というエントリーグレードのカーボンフレームでした。

 

実測フレーム重量931g (FR6 540mm、塗装、ハンガー、シートクランプ、ワイヤーガイド、ボトルケージボルト込)

塗装、ディレーラーハンガー、シートクランプ、ワイヤーガイド、ボトルケージボルトを含めた重量です。

これは予想を上回る軽さでした…

 

試しに上の画像の状態でも計測してみましょう。

 

フレーム付属パーツを外した状態での計測です。

 

フレーム重量864g !?!?(FR6 540mmサイズ)

軽すぎます(笑)

メーカーが公表するカタログ重量は、このような付属パーツ無し、塗装もしていない状態での計測も多いです。

ちなみに塗装って結構重いです。一般的には100g程度。

あと、フレームサイズもメーカーによりけりで最小サイズで測ってる場合もあります。

FELTのメーカー重量は、欧米人標準の560mmサイズで測る謎のこだわりです。

そんなところにこだわらなくてもいいんですけどねえ(笑)

変なところに真面目なのがFELTらしいですね。

 

実測フォーク重量320g (FR6 540mm、コラム未カット、アンカーナット無し)

FR5とFR6のフォークは共通で、フレームと同じUHC Advanced カーボンです。

 

剛性も抜かりありません

さて、重量がなかなか軽いことは分かりました。

が、剛性も抜かりありません。

FELTのカーボンフレームはすべてのグレードで同じ剛性値になるよう設計されています。

フラッグシップのFRDと同じ剛性値なので、FR5やFR6だから軟らかくてレースで勝てないなんて言い訳はできません(笑)

ただ、この剛性「値」というのが大事なところで、実際に乗ったライダーが感じる剛性「感」はグレードでやはり異なります。

剛性値というのはあくまで計測器で測定した剛性です。

高いグレードのカーボンを使ってより細やかな設計で作られた上位グレードのほうが、実際に乗ってみるとシャキシャキ進んでくれる感覚があります。

もちろん重量も軽いですしね。

ただFELTのカーボンフレームは下位グレードだからといって妥協した設計をするのではなく、より低価格でレースで勝てる性能を提供できるよう努力しているということです。

 

UHC Advanced+Textreme カーボンフレーム(FR1/FR2/FR3) 実測重量

FRDを除いたハイエンド帯はこのグレードのカーボンフレームが採用されています。

その名の通り、UHC Advanced に「Textreme 」を加えたフレームです。

Textremeというのはスウェーデンのマテリアルメーカーが開発したカーボンシート。

成形方法が従来のカーボンシートと異なります。

簡単に言うと繊維と繊維の隙間が小さいので、より軽くて強い構造体を作ることができるんです。

詳しくはコチラ

 

実測フレーム重量900g (FR1 540mm、塗装、ハンガー、シートクランプ、ワイヤーガイド、ボトルケージボルト込)

実測フレーム重量770g (FR1 430mm、塗装、ハンガー、シートクランプ、ワイヤーガイド、ボトルケージボルト込)

実測フォーク重量300g (FR1 540mm、スターファングルナット込み)

FR6のところで説明したフレーム付属小物を含んだ重量です。

こう見ると、下位グレードと重量であまり大きな差はありません。

剛性値も一緒ですし。

ただ、乗った時のフィーリングはかなり違います。

バイクがシャキシャキと圧倒的に軽く振れますし、踏んだ時も重さを感じさせず軽く前に出てくれます。

同じ剛性なのに不思議なものです。

 

UHC Ultimate+Textreme カーボンフレーム (FR FRD) 実測重量

FELTのフラッグシップ!

ベースはUltimateというAdvancedより上のグレードでもちろん最高レベルの高弾性カーボンを使っています。

それだけでなく、新しくマテリアルメーカーから発表された素材をどんどん取り入れていくという、コスト度外視のフレームです。

 

実測フレーム重量750g (FR FRD 540mm、塗装、ハンガー、シートクランプ、ワイヤーガイド、ボトルケージボルト込)

実測フレーム重量730g (FR FRD 510mm、塗装、ハンガー、シートクランプ、ワイヤーガイド、ボトルケージボルト込)

実測フレーム重量720g (FR FRD 470mm、塗装、ハンガー、シートクランプ、ワイヤーガイド、ボトルケージボルト込)

実測フォーク重量300g (FR FRD 540mm、スターファングルナット込み)

実測フォーク重量280g (FR FRD 510mm、スターファングルナット込み)

実測フォーク重量300g (FR FRD 470mm、スターファングルナット込み)

トップレベルの軽さですね。

実は私もまだFR FRDには乗ったこと無いんです。

でも、F FRDは以前に愛用していましたので、そのフィーリングをお伝えできます。

正直感動します。

単純に軽さがというわけではなく、フィーリングが異常なほど洗練されているんです!

「過不足無い剛性」とでも言いましょうか。

剛性がしっかりしているのは当たり前なのですが、無駄な硬さがまったく無いんです。

ペダリングが上手くハマったときの、軽やかさ、気持ち良さが異常です!

是非もっと多くの人にFRDの走りを知ってほしいですね。

 

※この記事の情報は2018年6月現在のものです。