ロングライドへ行こう!~その6 ディレイラーのキャパシティー編~

こんにちは。
ロングライダーのアッキーラです。

皆さんは、楽しい自転車生活を送ってますでしょうか。

長い上り坂に強い味方!
カセットスプロケットを使い分けて攻略しよう☆

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ロングライドに関する小話を気ままに掲載します。
さて、第6回は、ディレイラーのキャパシティーです。

「リアのカセットスプロケットを交換したら、チェーンがたるんでしまった。」
「ギア位置をアウター×ローに変速したら、リアディレイラーが前方に向かって、あり得ない形に変わっている!?」
「ふー スプロケットを32Tに変えようかしら?」
「一番軽いギアで身体を起こしてゆっくり……って、すでに一番軽い!?」
と、考える方は、いらっしゃいますか?

前回のセッティングの件で、

『30T/32Tを使う場合、ロングゲージのリアディレイラーへ交換する必要があります。』

と、カセットスプロケットについて簡単に説明しました。
今回は、その補足です。
前後のディレイラーにある『キャパシティー』について説明します。

このキャパシティーは、前後のディレイラーが正常に変速するために重要な数値です。
と、言っても、簡単な足し算と引き算するだけで、難しいものではありません。

 

FR5は11-32Tを使えない!?
キャパシティーの落とし穴

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例えとして、FELT FR5を取り上げます。
FELTカタログのスペック表を見ると、次のようになっています。

・フロントディレイラー:シマノ105 直付式
・リアディレイラー:シマノ105 ショートゲージ
・チェーンホイール:シマノ105 50-34T
・フリーホイール/カセット(スプロケット):シマノ11スピード 11-28T

このスペックでは、正常に変速します。
シマノさんのコンポーネントカタログを参照していただければ、解りやすいです。
その理由は次の表をご覧ください。

1.フロントディレイラー

キャパシティー01(Fメカ)

2.リアディレイラー

キャパシティー02(Rメカ01)

このように、部品構成が変速条件を満たしているので、正常に変速します。
『トータルキャパシティー』とは、

『【フロントディレイラーのキャパシティー】と【リアディレイラーのキャパシティー】を足し合わせたもの』

です。
逆に言うと、メーカーであるFELTは、ギアが正常に変速させるため、変速条件に合ったパーツを採用しています。

ここで、ヒルクライムに向けて、カセットスプロケットだけを11-32Tに交換すると、どうなるでしょうか?
リアディレイラーは、次の表のように変速条件を満たさなくなるので、変速できなくなります。

キャパシティー03(Rメカ02)

無理矢理に取り付けても、ロー側ではチェーンが張りすぎて、リアディレイラーを引っ張りすぎてしまいます。
最悪の場合、リアディレイラーを破損する恐れがあります。
絶対に止めましょう。
(”>△<”)

 

ここで必要になるのが、ロングゲージタイプのリアディレイラーです。

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11-32Tのカセットスプロケットを正しく使うため、ロングゲージタイプのリアディレイラーに交換しましょう。
ロングゲージタイプのリアディレイラーを使うと、次の表のように変速条件を満たすので、変速できます。

キャパシティー04(Rメカ03)

この時、チェーンは大きなローギア32Tでコマ数を多く使うので、チェーン自体を長くする必要があります。
チェーンも新しく交換しましょう。
チェーンが長くなっても、ロングゲージのリアディレイラーなら、トップ側でチェーンの弛みを解消します。

 

VR5のリアディレイラーはロングゲージタイプを採用済

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次の例えとして、VR5を見てみましょう。
FELTカタログのスペック表を見ると、次のようになっています。

・フロントディレイラー:シマノ105 直付式
・リアディレイラー:シマノ105 ロングゲージ
・チェーンホイール:FSA 46-30T
・フリーホイール/カセット(スプロケット):シマノ11スピード 11-32T

VR5のフロントディレイラーとリアディレイラーの変速条件を見てみましょう。

1.フロントディレイラー

キャパシティー05(VR5Fメカ)

2.リアディレイラー

キャパシティー06(VR5Rメカ修正)

VR5は、ロングゲージタイプのリアディレイラーを採用しています。
このため、リアのカセットスプロケットが11-32Tを最初から使えて、正常に変速します。
予算の面から見ても、FR5と比べて余分な出費が掛からないところがいいですね。
カセットスプロケットだけでなく、ロングゲージのリアディレイラーとチェーンが必要になりますからね。

ディレイラーのキャパシティーを理解しておけば、フロントのチェーンホイールやリアのスプロケットの歯数構成を自分の脚力に見合ったものに変更できます。
また、ロングライドのコース起伏に合ったものに選べば、長い峠道や上り坂で体力の消耗を避けられて、楽に乗り越えられます。
さらに、ディレイラーの構造や変速の仕組みへの理解が深まりますよ。

ディレイラーのキャパシティーに関する説明は、以上になります。
細かい説明を省いて、基本的なところをまとめました。
詳しい事は、自転車専門誌に載っています。
または、最寄の自転車販売店のスタッフさんに相談しましょう。

アニメ版『ろんぐらいだぁす!』
完走おめでとう☆

自転車ロングライドのマンガ『ろんぐらいだぁす!』でもヒルクライムや上り坂の話が多数登場します。
単行本3巻では、葵ちゃん達が長野県で毎年開催される『アルプスあづみのセンチュリーライド』に参加します。
このイベントは、現地特有の丘のアップダウンが多いことで有名です。

葵ちゃんと先輩2人(雛子さん、弥生さん)は、上り坂を悠々と走って行きます。
一方、幼なじみでロードバイク初心者の亜美ちゃんは、かなり苦戦します。

この時、亜美ちゃんの自転車に取り付けられているカセットスプロケットが亜美ちゃんの脚力に見合っていない、と考えられます。
前もって、ヒルクライム用のものに交換していれば、もっとラクに上って行けると思います。

初心者が必ず通る『自転車あるある』を亜美ちゃん自身が体験して成長するマンガなので、この苦労も共感できますね。
逆に、葵ちゃんが本気を出して上り坂を走ったら、どんな走りを見せるのかが気になります☆
スポーツ万能で豪脚らしいですからね。

アニメ版『ろんぐらいだぁす!』が2月で最終回を迎えて終了しました。
マンガ版では表現されてないところが細かく表現されたり、全12話でうまくまとめられていたと思います。

アニメ版では、『アルプスあづみのセンチュリーライド』が『あづみのオータムライド』と表現されていました。
マンガ版では登場しない先輩・紗希さんが自慢の食いしん坊ぶりを発揮して、大活躍でした(笑)
5人が一列になって高速走行する『フォルトゥーナ・トレイン』の場面がお気に入りです。

ブルーレイ&DVDの第2巻のパッケージは葵ちゃんでした。
愛車F55のCGイラストと合わせて気に入っています☆
(///▽///)

続編を期待しています☆

蛇足ですが、私は今年5月に開催される『緑のアルプスあづみのセンチュリーライド』に参加する予定です。
都合がつけば、前日に木崎湖や小熊山を巡っていこうと考えています。
木崎湖に来て、小熊山に上らないなんて、許されないそうです(笑)
今からとても楽しみです。
(≧▽≦)

『I can go… as far as I want!
僕らはどこまでも行く
道が続く限りどこまでも行く
思い出すのは遠い昔、初めて補助輪を外して走り出した時のこと
ロングライドは心の状態
10kmであれ
2400kmであれ
あなたにとって冒険ならば
それは立派なロングライドです』
※自転車ロングライドの同人誌『LONGRIDERS』より抜粋。

いかがですか?
自分の脚力に合ったスプロケットを選択して、ロングライドへ走り出してみませんか?

『ろんぐらいだぁす!』© 三宅大志・一迅社/ろんぐらいだぁす!製作委員会