フロントサスペンションフォークは、かつては非常に高価で、「自転車好き」や「新しい物好き」な方しか装着しないものでした。しかし、現在では多くのマウンテンバイクに標準装備され、見慣れたパーツとなっています。
目次
サスペンションフォークのメンテナンスの重要性
サスペンションフォークはその性能を維持するためにメンテナンスが必要です。特に入門者向けのシンプルな構造のサスペンションフォークでも、定期的なメンテナンスは不可欠です。この記事では、サスペンションフォークの基本的な構造とメンテナンス手順について詳しく説明します。
サスペンションフォークは外観上、アッパー(上側)とロアー(下側)に分かれます。メンテナンスを行うためには、この上下を切り離すことから始めます。
サスペンションフォーク分解手順
ボルトまたはナットを緩める:
フォーク下部のボルトまたはナットを緩めます。
プラスティックハンマーで叩く:
緩めたボルトまたはナットの頭をプラスティックハンマーで軽く叩きます。
ロアーレッグを引き抜く:
ボルトの頭を叩いてボルトが少し動いたことを確認したら、下側(ロアーレッグ※アウターレッグとも言います。)を下に引き抜きます。
この段階でフォークは上下に分かれます。
サスペンションフォークメンテナンス手順
クリーニング:
フォークが上下に分かれたら、全体的に汚れを落としつつ、アッパーがロアーに差し込まれる入口部分にある「ダストシール」の内側を掃除します。
グリスアップ:
掃除が終わったら、ダストシール部のグリスアップを行います。ほとんどのフロントサスペンションのダストシール部には真ん中にくぼみがあるので、ここにグリスを盛ります。
錆防止と潤滑も兼ねて、シャフトにもグリスを塗ります。
再組立:
左右ともに洗浄とグリスアップが終わったら、フォークを元の形に戻します。最後に、最初に外したナットやボルトをしっかりと締め、動作確認を行います。
注意点
フォーク内部に雨水が溜まっていた場合、そのまま放っておくと内部で大量のサビが発生することがあります。
絶えず動いてるサスペンションフォークは知らず知らずのうちにダストシールの隙間から雨水が入り込むことも十分考えられます。
これは異音の原因だけでなく、フォークのシャフト部やスプリングにも影響を及ぼし、部品の破損リスクが高まります。
このような場合、フォークの新調を検討する必要があります。
専門家に相談
ここまでご紹介してきたサスペンションフォークは一例です。さらなる分解や修理が必要な場合、専用の工具と知識が求められることがあります。
また、内部のサビによる破損のリスクなどがあった場合、ご自身でご判断されることは大変危険です。
このような場合は、販売店に相談することをお勧めします。
結論
今回紹介したのは、比較的通勤通学に使われることが多いサスペンションフォークのメンテナンス方法です。定期的なメンテナンスを行うことで、パーツの寿命を延ばし、サスペンションの動きをスムースに保つことができます。梅雨の時期を過ぎれば自転車に乗る機会が増えてきます。雨でも通勤されている方、梅雨でちょっと自転車通勤をお休みの方も定期的なメンテナンスを行って自転車のコンディションを整えておきましょう。
このメンテナンスガイドを参考に、サスペンションフォークのメンテナンスを実施して、快適なライディングを楽しんでください。