Crankbrothersサポートライダーレースレポート NZナショナルチャンピオンシップ 朝倉佑太

2月21日から3月21日までニュージーランドのクイーンズタウンに遠征した朝倉選手から、現地体験記とレースレポートを頂きました。今回は、その遠征中に参加したNZナショナルチャンピオンシップのレースレポートを掲載いたします。

2月21日から3月21日までニュージーランドのクイーンズタウンに行ってきました。

ニュージーランドは南半球に位置しているため季節が日本と逆で、日本のオフシーズンに練習ができる場所です。その中でも僕が行ったクイーンズタウンは山がちな場所なので多くのライダーに人気です。実際に行ってみるとマウンテンバイク以外にもハイキングや川下りなどのアクティビティも盛んで、日本でいう白馬のような場所でした。

2月21日夜に日本を出発して2月22日夕方(現地時間)にクイーンズタウンに到着しました。友人と自転車を2台ずつ持参していたため、バス移動ができず、宿泊する場所まではプライベートシャトルを利用しました。クイーンズタウンはニュージーランドの中でもかなり南側に位置しているため夜の8時ごろでも明るく、その日も近くにあるダートジャンプ用のコースで自転車を乗ることができました。

今まで見たことがない規模のコース、かつとても綺麗な路面にも関わらず、無料で開放されていることに感動しました。

2月23〜25日はニュージーランドナショナルチャンピオンシップに参加してきました。日本でいう全日本選手権のような大会ですが、全日本選手権と違ってその国の国籍を持っていないライダーでも、UCIに選手登録をしているとゴーストライダーとして参加することができます。そのため、各国のプロ選手がオフシーズンに参戦できるその年の最初の大会としてレベルが非常に高くなっています。

今回はゴーストライダーとしてエリートクラスで参加しました。UCIに登録しているだけで参加することができるので、エントリーも簡単でした。

大会はコロネットピークという、クイーンズタウン中心部から15キロほどの場所にあるスキー場で開催されました。初めて会場に入った23日は公式練習日ではなく、時間に余裕があったため、コロネットピークが運営しているシャトル(1人約1000円)で会場に向かいました。

レースコースはNZに来る前にもYouTubeなどで見ており、比較的簡単なコースと認識していました。しかし、実際に走ってみると想像していたよりも路面が滑ったり、コーナーが浅い箇所が多く苦戦しました。なによりも斜度があまりきついわけではないのに、腕が上がって約3分ほどのコースをフルラップできないことに驚きました。これが今回のレースの中で自分にとって一番大きな課題でした。本数をたくさん練習したいのに、30分ほど開けないとまともに走れないというのは自転車を始めたばかりの時以来、久々の体験でした。

翌日はシャトルの運行がなかったため、前日に友達になったラッキースティーブンスマクナブ選手が会場に連れて行ってくれました。話がそれますが、NZはみんながとてもフレンドリーで親切な国でした。僕たちが困っているとみんな迷わず助けてくれることに驚きました。NZはその点でも皆さんに非常におすすめしたい場所です。

 

試走時間は日本のレースだと大体、練習日に4〜5時間、決勝の日に3時間くらいですが、NZのレースは参加者が多いこともあってか、練習日・決勝日ともに2時間でした。コース自体は覚えやすく、難易度もあまり高いわけではなかったですが、常設コースなため、走り慣れているライダーが多い印象を受けました。

ローカルライダーをみていると、ジャンプや一つ一つの動作はそこまで上手ではないものの、圧倒的にスピードが速く、攻めている印象を受けました。

決勝の日には同じくラッキースティーブンマクナブ選手に会場に連れてきてもらいました。この日もたくさん試走をしたかったですが、予選と決勝まで握力を残すために試走を2本で終える決断をしました。普段の国内のレースでは時間いっぱいまで試走をしているため、不安な気持ちが残りました。

予選

予選では焦ってしまい、ミスが目立ったランをしてしまいました。心配していた腕の上がりはあまり酷くはありませんでしたが、それでもフィニッシュ後にはハンドルを持っているのがやっとな状態になっていました。この時点でリザルトは下から2人目。3分ほどのコースでアベレージのタイムからは12〜3秒離されていたと思います。GoProで失速している部分やラインを変えれそうな部分を探し、決勝では7秒縮めることを目標にしました。

決勝

最初の斜度がきつい部分で失速したものの、それ以外に大きなミスはなく落ち着いて降りてくることができました。ただ、3/4を過ぎたあたりからかなり腕がきつくなって、コーナーにブレーキをかけずに侵入したり、コーナーにバイクを当てて曲がることが厳しくなっていきました(指の力がなくて思い切りブレーキをかけることができないため常に減速してないと止まれないから)。また、ハンドルを握っているだけで限界だったため、自分の入りたいラインに入れない場所もありました。「攻めたラン」とは程遠かったですが、一応フィニッシュ。タイムは予選-3秒でエリート37位でした(下からだと4番目)。

今回のレースを通して、海外のレースのレベルの高さを知ると同時に、自分の弱いところを発見することもできました。例えば、今まで何度も登場した腕上がりです。自分は握力が弱い方ではないため、おそらく握力に問題はなく、腕上がりはライディングのフォームが原因であると考えました。自分で撮ったGoProの映像を見ているとフロントが抜けて滑るシーンが目立ち、フロントに荷重が乗っていないと考えました。そのため、レース中もバイクが自分を置いて走ってしまい、制御不能のような状態になっていると推測しました。日本のコースよりも縦横の大きな動作が必要になるため、体を前に出して突っ込んでいくというのがとても怖かったです。

このレースが終わってから25日間NZにいる予定だったため、その後は正しいフォームを意識して乗ることを心がけました。

ペダルについてですが、私は日本のコースではビンディングペダルの2つの目的の「漕ぐ」:「固定する」を6:4くらいの割合で使っています。それに対してNZのコースでは1:9のような割合でペダルを利用していました。そのような違いもあってコースに慣れるのに時間がかかりました。基本的に漕ぐ必要がないためか、常設コースを走っていてもチェーンがない人に会うことが何度もあり、驚かされました。

 

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