ハンス “No Way” レイの進化?!
一昨年、GT50周年イベントで来日したGTのレジェンド、ハンス”No Way”レイがそういえばこんな話をしていました。
「USのMTBライダー達の中では、片方をビンディング、片方をフラットペダルで走るのが流行っている。試してみたら良かったので、この使い方にハマっているんだ。だからこの頃、私は『ハンス”Half Way”レイ』と呼ばれているよ!」常識にとらわれず、様々な事に好奇心を持ってチャレンジするハンスらしいエピソードだと思いました。
余談ですがハンスのミドルネーム”No Way”は「信じられない!」といった意味だそうです。対して”Half Way”は「中途半端」という意味だとか。やはりハンスは”No Way”の方が相応しいですね。
このHalf Wayというアプローチ、例えばビンディングが初めてで両足を固定するのが怖い人に向けて、怖さを軽減する新しい提案になりそうです。そこで、実際にHalf Wayで走ってみました。
Half Wayにおススメのペダル
とはいえ、もしHalf Wayを極めるには1台につきペダルが2種類必要になりますし、見た目もバラバラなのでヘンに目立ってしまいます。
さりげなく取り入れるなら、いいとこ取りの出来る片面ビンディング+片面フラットのペダルはどうでしょうか?
実はCrankbrothersにもダブルショットという片面フラットペダルがあります。しかもラインナップは3種類!
CandyやStampなどに比べると目につきにくいのですが、隠れた名作です!
いずれも片面フラット、片面ビンディングという構造やペダル踏面のサイズはほぼ一緒なのですが
軽量なコンポジット素材のダブルショット1
一体成形アルミボディのスタンダードモデル、ダブルショット2
ピンも調整出来てトレイルにも対応できるプレミアモデル、ダブルショット3
と、用途に合わせてセレクトできるのも魅力的。
今回はしっかりとグラベルも走れるよう、ダブルショット3を使ってみました。
フラット部分はピンの調整も可能な本格オフロード仕様。フラットペダルのSTAMPよりも踏面は狭いですが、前後に8本のピンもありしっかりとしたホールド感が得られます。ビンディング面は片面のみの2面式。ウイングは固定されているのでわずかに回る程度です。
Crankbrothersのビンディングは嵌り方がぬるっと柔らかい感覚で、バチン!という反発は殆どありません。特に初めて使う方には足に優しく、固定される怖さが軽減されるのではないでしょうか。
足先でペダルの間隔を探りながらフラット面を上に向けるのですが、慣れてしまえばそんなに面倒ではありません。
一般的には右足ビンディング、左足フラットになるかと思いますが、迅速に漕ぎ出せて、とっさに足も付けるので、街中の交通が頻繁な所ではとても良いと思いました。
気楽にスニーカーでも乗れるし、ツーリングならビンディングでしっかりと、そしてHalf wayでいいとこ取り、と色々使えるし、Crankbrothersらしいカラーカスタムも楽しめるダブルショットシリーズ、通勤通学にもおススメです!
Half Wayに向いたシューズを考える
さて、シューズの方はどうでしょうか?
当然ながらビンディングのシューズを用意しなければなりません。しかしクリートを付けない状態でフラット用シューズとして使うのは意外と難航します。ソールが固いものがあり、フラット用としてはしっかり食い込まず滑ってしまうかもしれません。
ラバーを使用したソールを採用したものの方がまだ滑りにくいかと思います。しかし、一番ペダルに当たる面積が大きい部分がクリート部で凹んでいるのが痛いところ。この部分にフタの付いているシューズなら良いのですが、付いていないシューズで本格的にフラット対応させるなら、シューグー等のソール補修材を使ってクリート部分を固めてしまう手もあります。しかし残念ながらクリート取付部を再利用するのが困難です。
かといってクリートをつけっぱなしにすると、ペダルをガリっと削ったり、カチカチ音がしてしまいます。もちろんクリートも無駄に減ります。
思い切って片方ビンディング、片方フラットのシューズを履いてみたいところですが、見た目がバラバラだと違和感があります。
それならCrankbrothersのマレットレースまたはBOAモデルではどうでしょうか?ブラック、ネイビーとスプラッターシリーズは外観も似通っているので、片方づつ履いて紐の色をそろえればあまり違和感が無いと思います。
ペダルの使い方の新しい波、Half wey、ぜひ試してみてくださいね!