2023年8月、イギリスのグラスゴーで開催されたUCIスーパー世界選手権のMTB競技にてSR SUNTOURのライダー達がその実力を見せつけた。
イネオス・グレナディアーズのポーリン・フェランプレヴォとトム・ピドコックの両選手が男女エリートで素晴らしいパフォーマンスを見せ、XCC女子とXCO男女で金メダルを獲得した。ワールドカップとは異なり、スタート位置は世界選手権のUCIランキングに基づいて指定されるため、クロスカントリーショートトラック(XCC)は、2人ともクロスカントリー(XCO)の良いスタート位置を得る必須条件では無かった。(*注1)それにもかかわらず、両選手はXCCで実力を試すことを選び、現在のXCC世界チャンピオンであるフェランプレヴォは連覇を目指し、ピドコックは新しいSR SUNTOUR装備のピナレロのハードテイルをレースで試す機会と位置付けた。フェランプレヴォはあっさりと勝利し、ピドコックは多数の有力選手たちをかいくぐってトップから2秒差で銅メダルを獲得した。
続いてのXCOでは、2人は異なるタイプのバイクを選択した。フェランプレヴォは新しいハードテイルにクラシックなSR SUNTOURロックアウト装備のAXON34 WERX EQ RL RCフォークを装着したものを選び、一方のピドコックはSR SUNTOUR TACT装備のフルサスを選択した。
*注1:MTBワールドカップでは、XCOの前に開催されるXCCの順位によってスタート位置が決定される。
猟犬たちが取り逃した狐
“BORN TO RIDE A MOUNTAIN BIKE.” スタート位置、問題なし。
男子XCOでは、XCCで表彰台を獲得することで得られる有利なスタート位置がないため、MTB専業ではなく、UCIポイント獲得の機会が少ないピドコックは見慣れた4列目からのスタートとなった。しかし、彼が何度も証明してきたように、”BORN TO RIDE A MOUNTAIN BIKE.(僕はMTBに乗るために生まれてきた)”と語る彼にとって、スタート位置が悪いことは大した問題じゃない。
そして彼は経験を積んでいた。2021年のアルブシュタット・ワールドカップXCOでの伝説的なスタートと比べると、このレースでのスタートは控えめだった。