FLRのハイエンドシューズ「F-XX Knit」を愛用している坂バカスタッフ・コエサシです。ペダリングが軽く、フィット感も極上でかなり気に入っています。
ですが、ハイエンド以外のモデルもかなり良いんじゃないか?と思うところがありました。今回はFLRのミドルグレードをインプレします。
目次
FLR F-11
ハイエンドのF-XXの次に位置するモデルが「F-11」。アッパーはマイクロファイバーとニットの2種類がありますが、選んだのはマイクロファイバーのモデルです。ハイエンドモデルと遜色ない造りながらコストパフォーマンスの高さに驚きます。
カラー展開は4つ。シンプルなデザインがカッコイイです。
アッパーはワンピースのマイクロファイバー素材。ワンピースというのは複数の生地をつなぎ合わせるのではなく、一枚の生地からアッパーが形作られているということ。なので、つなぎ目はかかとの1箇所しかありません。つなぎ目が最小限なのでフィット感が良くなります。見た目も価格を超える高級感があります。
メッシュのベンチレーションホールも、ただのメッシュではなくハニカムメッシュです。
アウトソールにもベンチレーションホール。
タンの足首に当たる部分は柔らかい素材が配されています。
実測重量は片足で266g。ナイロンソールとしてはまずまず軽い方です。
インソールは11g。
ナイロンソールながらペダリングパワーを逃さない高剛性
FLRのミドルグレードの何が気になっていたかと言うと、アウトソールでした。FLRのアウトソールには、ハイエンドのF-XXに使われるフルカーボンソールと、その他のモデルに使われるグラスファイバーインジェクションナイロンソールがあります。ナイロンソールは耐久性や柔軟性に優れるものの、たわんでしまいペダリングパワーをロスしやすい傾向があります。しかしFLRのナイロンソールは手でこじってみる限りナイロンソールとは思えない硬さがあります。
実際に履いてペダリングしてもその印象通りで、ナイロンソールにありがちなパワーロスがありません。逆にフルカーボンソールだと硬すぎて疲れるという場合もありますが、このナイロンソールはちょうどいい塩梅です。もちろんハイエンドのフルカーボンソールのような一滴もパワーを逃がさない剛性はありませんが、多くの人が満足できる期待以上のソールです。
ちなみにFLRのフルカーボンソールと比べると少し厚みがあります。場合によってはサドル高が変わるかもしれません。私はサドルを2ミリ高くしました。
atopダイアル+ベルクロでフィット感がイイ
固定システムは、足首側のatop(ロータリークロージャー)に加えて、つま先側にはベルクロが備わっています。
クロージャ―が2箇所あるので、固定力の微妙な調整がしやすいです。ガッチリ固定したい時の固定力も十分。
かかともハイエンド譲りの包み込むような形状。ホールド力が高く、かかとが動いてペダリングパワーを逃がす不快感がありません。脱ぎ履きの際はベルクロはそのまま、atopを回すだけでできます。素早く脱ぎ履きできるのも嬉しいです。
アウトソールを守る大きなつま先とかかとのゴム
もう一つアウトソールで気に入ったのがロードシューズにしては歩きやすいこと。
もちろん普通の靴と同じように歩くことはできませんが、つま先とかかとに配置されたゴムが一般的なものより大きく、かなり安心感があります。
フィッティングについて
私は普段、ニットアッパーのハイエンドモデルF-XX Knitの42サイズを履いています。過去に履いていたシューズのサイズは、SIDI、DMTが42。Bontragerが41〜41.5。
今回のF-11は42を選びました。試着の段階では問題無かったのですが、実際に100km以上走ると小指の付け根に痛みが出てしまい、裏技ですがポイントストレッチャーという靴のアッパーを伸ばす工具を使ってなんとか履けるようになりました。(保証対象外になりますので自己責任でお願い致します。)
FLRシューズは全体的に幅広な日本人にもフィットしやすい傾向ですが、F-11に関しては同じサイズでも幅が狭く感じました。(ハイエンドのF-XX、F-XX Knit、エントリーのF-57と比較。)その分、足との一体感は高くパワーロスしにくいので、足形が広くない方におすすめです。幅広な方はニットアッパーのモデルもご検討ください。