ベアリング交換時期
アレックスリムズはカートリッジ式のベアリングを採用しています。使用状況により全く変わってくるので、使用距離や期間での交換時期は特に定めていません。
カートリッジベアリングの交換時期は、
・ベアリングにガタが出た時
・ベアリングの回転にゴリや引っ掛かりがある時
です。
定期的にアクスルを外してベアリングの状態を確認、グリスアップすることをおすすめします。目安ですが3000km毎に実施できると理想です。特に雨天走行後は確認したいです。これを行えばかなり寿命は伸ばせるはずです。
なお、フリーボディ内部のベアリングは交換が出来ません。交換時期になった場合はフリーボディ本体を交換する必要があります。
ベアリング交換に必要なもの
左上から時計回りに、
・ベアリング圧入工具
・ベアリングプーラ―
・パーツクリーナー
・ウエス
・グリス(フィニッシュライン社プレミアムテフロングリス推奨)
・モンキーレンチ×2本(ベアリングプーラ―の仕様に合わせて必要です)
・ヘックスレンチ(ベアリングプーラ―の仕様に合わせて必要です)
・カートリッジベアリング ※交換するベアリングに合ったサイズ、仕様、個数をご用意ください。確認方法は次にご紹介します。
対応ベアリングを確認する
作業の前に新しいカートリッジベアリングを用意する必要があります。ベアリングの型番はベアリングの樹脂部分に刻印されています。小さくて見にくいですが、グリスを拭いてライトをあてると読み取りやすいです。アレックスリムズでは純正ベアリングをご用意しています。
アクスルを取り外す
ベアリングを取り外す
ベアリングプーラーと呼ばれる工具が必要です。アストロプロダクツなどから発売されています。「ベアリングプーラー 自転車」と検索すると同様の製品がヒットします。購入前に取り外すベアリングの内径に対応しているかご確認ください。
ベアリング内径に対応したパーツを選びます。
挿し込みます。
こちらのパーツで挿し込んだパーツをベアリングに固定します。
レンチを2本使って固定します。
ベアリングに固定された状態になりました。
次に必要なパーツはこちらです。
左右のパーツがハブボディにあたる位置で固定します。
傷が付くのでウエスを挟んでください。中央のボルトを手で締まるだけ締め込んでください。
ベアリングを取り外します。ヘックスレンチは固定して、モンキーレンチを時計回りに回します。「コキッ」という音とともにスルスルとベアリングが抜ける感触があるはずです。力は必要ありません。固いようであれば、正しくセット出来ているか確認してください。無理に力を掛けるとパーツを傷める可能性がありますのでご注意ください。
外れました。反対側のベアリングを残した状態で新しいベアリングを圧入した方が正確に圧入ができますので、反対側はまだ外しません。
ベアリングを圧入する
パーツクリーナーでハブはきれいにして、新しいグリスを塗ります。ハブのベアリングが収まる部分に確実にグリスを塗ってください。
もちろんベアリング本体にもたっぷり塗ってください。アレックスリムズのホイールはキャップがはまっているだけのシンプルな構造のため、グリスをたっぷり塗ることで防水加工する必要があります。
ベアリング圧入工具の出番です。「ベアリング圧入工具 自転車」と検索すると同様の製品がヒットします。購入前にベアリングに対応したアダプターが含まれているか確認してください。
圧入するベアリングに対応したアダプターを2個探します。
アダプターの凸側がベアリングにはまる方向でセットしてください。
反対側にセットしたアダプターが外さずに残したベアリングにはまることで、工具のセンターが出て、真っ直ぐに圧入することができます。
締め込んで圧入します。圧入も力は必要ありません。正しく圧入されていれば軽い力でスルスルとはまります。引っ掛かりや固さがある場合は、正しくセットされていないか、斜めに圧入されている場合があります。奥まで圧入されれば明確に手応えがありますので、それ以上は締め込まないようご注意ください。
圧入完了です。
反対側のベアリングを交換する
反対側も同じ作業を行います。注意点としてベアリングの内側に入っていた筒は絶対に入れ忘れないようにお願いします。
フリーのラチェット機構部分もグリスアップしてアクスルを戻せば終了です。ラチェット部分の推奨グリスはフィニッシュライン社のプレミアムテフロングリスです。ラチェットとベアリングは隣接していますので、ベアリング部分にも同じグリスを使用することをおすすめします。画像のようにグリスがはみ出るくらいでちょうど良いです。あまりにはみ出している場合は綿棒で軽く拭ってあげましょう。
ベアリング交換作業は複雑な作業ではありませんが、失敗するとハブ本体を傷めてしまう可能性もあります。自信のある方以外はやはり自転車店へ依頼されることをおすすめします。
書いた人→コエサシ