こんにちは!
レバンテフジ静岡 鈴木史竜と申します。
目次
本日は、“イスラエル発” 日本でもジワジワと話題になっているFLRシューズのご紹介です。
私は今年、日本初上陸となるFLRシューズのハイエンドニットモデルとなる F-XX KNIT、エントリーグレードでありながらシューレースモデルとなっているF-35 KNIT LACEの2製品を長期に渡り定期的に使用させて頂きました。
個人的事情により実際のレースでは使用出来なかったのですが、優しくしなやかなシューズは多くの方にフィットする製品であると感じています。個人的事情も含め、オススメしたい方や、逆に少し合わないかもしれない方について包み隠さずお伝えしていきます。
本記事でご紹介するハイエンドモデルF-XX KNITはもちろん、次回記事エントリーシューレースモデルのF-35 KNIT LACEと併せ、是非最後までお読みいただければ幸いです!
まず、サイクリストがシューズに求めるものは、パワー伝達性、見た目のスマートさ、フィット感、長時間走っても痛くならない快適性…等々、様々な条件があると思います。
私は、適度な剛性で、しなやかな反発を使って自分の力を増幅して推進力に変えてくれるイメージの機材が好きです。また技術的にあまり器用ではないため、そのストライクゾーンが広いものを好んでいます。FLRハイエンドモデルであるF-XX KNITが、これらの条件に非常にマッチしたシューズであると感じています。
ノーマルモデルとニットモデルの棲み分け
FLRのハイエンドモデルは、ノーマルバージョンのFLR F-XXⅡと、ニット素材バージョンのF-XX KNITがあります。今回御紹介する後者は、ワールドツアーレースに出るような選手も使用しているFLR F-XXⅡのニット素材バージョンになっています!
僕自身、ノーマルモデルとニットモデルで履き比べをした後ニットモデルの選択をしました。その理由としては、フィット感の面でニット素材のしなやかさに興味があったためです。ノーマルモデルの方がダイアルを2つ装備し、場所ごとの締め付け感を出す事が出来る事は魅力的でした。そのかっちり感に魅力がある一方で、ニットモデルのストライクゾーンの広さに魅力を感じました。ニットモデルの方がアッパーのしなやかさが高いせいか、ノーマルモデルと同サイズ比較で小指のスペースが広く感じます。
僕自身ニットモデルの1ダイアルへの不安はありましたが、ニットのフィット感+軽量性という点でニットモデルを選択し、それは僕にとっての正解であったように思います。
そういった部分のフィット感に自信があるからこそ、ハーフサイズの無い製品ラインアップになっているのではないかと思います。事実、特にニットモデルはとてもしなやかで、細身の足から幅広にも対応が可能であると思います。
次に、着用感!
1ダイアルなので、部位ごとの締め付け調整ができないものの、ニットのしなやかさのおかげで、足全体を包みこむ安心感があります。踵のホールド感も高いことがポイントで、引き足等を使う時にもブレが生まれません!
踵に関しては、背面に反射素材が付けられていると共に、クランクと接触するリスクのある内側も、しっかりと補強がされているため安心です。
ニットモデルの為ダメージや汚れを心配していたのですが、つま先への保護もあり、タイヤとシューズが擦って傷がつく心配はいりません。
もちろん、歩くダメージ軽減の保護は踵にも。長期間使用する上で、このパーツの安心感も欠かせません。
また、ソールの硬さとしてはハイエンドモデルの中で十分な剛性を持っていると感じました。しかしその中でも、初期のインソールが柔らかいこともあるので、特にコシがあり、しなやかで優しい印象を持ちました。この適度な反発に加えて、日常的に使用している硬めのインソールを入れてみると、安定感も増して一気にフィーリングが良くなりました。FLRのソールのコシ+硬めのインソールの相性がよく、とてもしなやかで、入力した力を大きくしてくれるような反発のある足回りにする事が出来ると感じています。
最後に2点、このシューズをおすすめできない方についてお話しできればと思います。
具体的には、クリートの位置をとても後退させる方、木靴の様にガチガチの高剛性を望む方は、あまりお勧めが出来ないと感じていますので、率直に以下理由を記載します!
まず冒頭でも触れましたが、僕はF-XX KNITをレースでは使用しておりません。
なぜなら、クリート設置可能位置が、少しだけつま先よりであるように感じたからです。
それにより、自分はクリート位置が深めの設定が好きであるものの、クリート位置を後退させる手段が無く、自分に最適と感じる場所への取り付けが難しかったからです。
クリート位置に関しては、母指球と小指球のラインでクリート位置を出すものが一般的かと思います。しかし僕は、正確に計測しているわけではないので感覚的要素もあるのですが、それよりも後退させて第四中足骨の後ろに引っ掛けるくらいの場所(文字にすると正確か曖昧ですが…)に設定しています。そこを出す事が出来ないという理由の1点で、レース使用をしていません。
私の場合は少し特殊な個人的事情ではありますが、とても深めにクリートを設置したい方は実際にどの程度後退が可能か確認して頂いてから購入の検討して頂けたらと思います!
もう1点お勧めできない人としては、木靴の様にガチガチの高剛性を望む方についてです。
よく「軽さと剛性が正義!」といった言葉を耳にすることもあります。一方で、使えない剛性は毒でしかないと考えています。フレームで考えてみて頂ければ大変分かりやすいのですが、エアロでガチガチなフレームは、高出力を掛ければまっすぐに進みますが、その分反発も大きく、パワーが無ければむしろ進ませにくい機材に代わってしまうこともあり得ます。
すなわち、シューズにおいても、お金があれば高剛性の高い製品を買っておけば間違いない!といった選択は私自身大きな疑問です。
特にシューズは、自分自身の体とバイクを繋げる重要な場所なので、自転車を楽しく乗る上でも、その人のタイプに合っていることが非常に重要です。
ソールの硬度については、他社ハイエンドシューズとの比較の中でも見劣りしない硬度がありますが、その中ではしなやかでコシがあるタイプに分類できると感じています。
その為、決してソールの剛性に不満はないのですが、木靴のようなガチガチなダイレクト感を求める方にはオススメが難しいのではないかと思っています。
私自身は木靴のような靴だと反発が大きく、すぐに足裏を始めとした場所に疲労感を感じてしまいます。その為、アウトソールはある程度しなやか+インソールが少し硬めという組み合わせが今まで試した中ではしっくり来ています。これを実現するために、FLRのソールは強度とコシがあり、とても気に入っています。
楽に快適に走れるという事は非常に重要な要素であり、最終的にそれが速さにもつながってきます。体のダメージや跳ね返りを使って短時間の効率を求めるのもいいかもしれませんが、長時間のライドでは一定のしなりが楽さと速さを生み出すと思います。
ただ、ここでの注意点としては、FLRの純正インソールは快適性がとても高く、少し柔らかめである点です。もちろんこのインソールにはしなやかさはありますが、レースとして高強度で踏む人などは、その人自身に合ったインソールに交換する事がおすすめかと思います。
最後に、シューズに合うデザインの靴下はおまけでついてくるところはとてもおトク感があり嬉しいところでもあります!
率直にオススメしにくい方もいますが、シューズの素材自体によるフィット感はとてもストライクゾーンが広いシューズだと感じています。
デザイン、性能共にとてもしなやか且つスマートで、ブランドとしてもかっこいいFLR。ニット素材と相まって、幅広までどんな足形にも柔軟に合わせてくれる優等性なシューズだと感じます!
FLR F-XX KNIT 商品ページ
鈴木 史竜 (すずき しりゅう)
レバンテフジ静岡所属
1998年4月16日生まれ
出身は静岡県で地元チーム レバンテフジ静岡に2021年加入。都内の大学に通学しながらJCLに参戦中。
2014年 全日本選手権ロードU17:13位
2015年 Team Eurasia-IRC TIREサイクリングアカデミーで欧州遠征
2015年 四日市全国ジュニア自転車競技大会:12位
2016年 全日本選手権TT(ジュニア):9位
2016年 Team Eurasia-IRC TIREサイクリングアカデミーで欧州遠征> 2017年 Team Eurasia-IRC TIRE 正式加入
2017年 Tour de Nouvelle-Caledonia (10日間のステージレース)完走
2019年 全日本選手権TT(U23):19位
2019年 UCI ツールド熊野 出場
2019年 ケルメスクルス(Lichtervelde):20位
2021年 JCL第9戦 大田原ロードレース 22位
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