「ふくらはぎが攣りやすい」ペダリングから進化させるポイント ZENクリートの深い解説

昨年の発売以来、大きな話題となったSkopreのZENクリート。

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本国のMauro Testa博士による商品テストでは、ZENクリート使用時は非使用時と比べケイデンス80を維持した状態での11分のライダー平均パワーが5%向上し、ペダル下死点でのトルクが20%向上しているという結果が出ています。

装着するだけでパワーが向上する魔法のようなアイテム、気になると同時に「いったいなぜ?」と思われる方も多いでしょう。

普段からZENクリートを愛用しているプロライディングアドバイザー、「AVENTURA CYCILNG 」代表の管洋介さんにペダリングについて解説して頂いた動画はこちらです。

ZENクリートとは「初心者でも手軽に扱える、メンテナンス性に優れていてライディングを進化させてくれるクリート」

このクリートを使うことで、さほど意識せずに「股関節伸展のペダリング」を効率よく行うことができるそうです。

2つのペダリング 、どう使い分ける?

そもそも「股関節伸展のペダリング」とはどんなペダリングでしょうか?

自転車はあまり体幹を意識せずとも長距離乗れてしまうため、ビギナーだけでなくベテランライダーであっても「関節の伸展をメインで使うペダリング」になりがちとのことです。

関節伸展のペダリング」の特徴はこのようになっています。

「短時間に鋭く加速するのに適したフォーム」ですが、あまり意識せず長時間踏み続けてしまっているケースも多いです。

このペダリングを3本ローラー+片脚ペダリングでデモンストレーションして頂きました。片脚を前に出すことによって、重心が前方になります。

 

もう一つのペダリングフォーム「関節伸展のペダリング」は次のような特徴があります。

この2つのペダリングを状況に応じて使い分けることで、長時間でも効率よく走ることができ、膝などの故障が起こりにくいライディングに進化させることができます。しかし、意識せずペダリングをすると「関節の伸展をメインで使うペダリング」だけになってしまいます。

 

関節伸展のペダリング」に切り替えるには、どのようなポイントがあるのでしょうか?

「股関節伸展のペダリング」も3本ローラーで再現して頂きました。すこし分かりづらいのですが、上半身の前傾がぐっと深くなっています。

同じクランク角度での踵の位置を比較して頂けると違いが分かりやすいです。

「片脚ペダリング」のトレーニングの際は、股関節から足を後ろに伸ばし、踵に重心を持っていくことで、このペダリングのフォームを再現できるそうです。特に、ふくらはぎの攣りや膝の故障に悩むライダーにぜひ取り入れてほしいトレーニングです。

 

ZENクリートでペダリングが進化する

管さんに「ZENクリートを使うことでペダリングにどんな変化が起こるか」のコメントを頂きました。

「持久運動に適した股関節伸展のペダリングでは踵が下がる(背屈)ことが特徴であるが、この時にネックになっていたクランク位置1時あたりの踏み遅れを解消してくれる

また、クランク位置 5時-6時でも踵が上がらないことで11時-12時でも踵が上がり過ぎずに収まり、スムーズに次の一回転につながるのが特徴で、結果的に回転数アップにも貢献してくれる

(股関節伸展でのペダリングは体幹を支点に臀部や裏腿を起動するため、膝を壊しづらく、前腿の疲労を抑えて長距離を走るのに適している。)」

特にトライアスリートにとってバイク後のランで失速しないために、前腿の疲労を抑えることは重要です。

「『股関節伸展のペダリング』をメインに『膝関節伸展のペダリング』をうまく組み合わせ、故障しにくく効率の良いライディングに進化させるのが望ましいが、最初は意識していてもだんだんペダリングが乱れて『膝関節伸展のペダリング』に偏ってしまう。それを自然な形で『股関節伸展のペダリング』に持っていくことができるのがZENクリートの最大のメリット。」

同様にペダリングの効率を上げるアイテムとしては、楕円チェーンリング等が挙げられますが、価格面、パーツの取付が必要、フレームの相性など、導入のハードルがやや高い傾向があり、二の足を踏んでしまうライダーも多いのではないでしょうか。特にビギナーには敷居が高く感じられます。

このZENクリートなら、バイクのセッティングはサドルをわずかに(3~5mm位)上げるだけ。ビギナーでも難しくはありません。

「サドルは従来のポジションから3ミリから4ミリ上げることでフィット感を得ることができた。」

あとはクリートを取り付けるだけでOKの手軽さです。

 

注意点としては、クリートの素材が柔らかいため減りやすいことが挙げられます。歩行等は最小限に留めるのが望ましいです。(サドル位置が変わることによってポジションが変わるため、常時使用することを推奨)

この柔らかい素材もお勧めするポイントの一つになっていると管さんは語っています。

「トルクキャッチがマイルドで踏んでいても脚に負担が少ないため、継続的に力を出し続けるヒルクライムやタイムトライアルなどに適している」

「クリートは振り幅に自由度が大きく、足元の固定感を意識することなくスムーズなペダリングにつながる。真円を描き続けるペダルに対して、足元を柔らかく構えられるのはメリットが大きい」

継続的に力を出す競技において、足元を固定し固い素材を踏み続ければ力の効率は良くなりますが、脚への負担が増します。疲労から来る失速につながりやすいので、結果的にトータルの効率は下がってしまいます。

速くなりたいサイクリスト達は、どうしても「パワーの向上」にばかり目が向いてしまいますが、FTPは一つの数値指標に過ぎず、「楽に効率よいペダリング」を実現することで、結果的にパワーが向上するというのがこのZENクリートを導入する最大のメリットではないでしょうか。

ローコスト、取付が簡単、そして効率的。Look以外のペダルにはシムタイプのZENスリップもラインナップされています。ぜひ、ご自身で「進化したペダリング」を体感してみませんか?