自転車に子供を乗せるチャイルドシートとチャイルドトレーラーの違いと選び方

こんにちは、自転車通勤担当のサキです。

私事ではありますが、我が家に息子が増えて4人家族になりました。
スポーツ自転車好きとして、いかに子供と一緒に自転車に乗れるかというのは家族持ちにとって重大な案件でございます。

クロスバイクやロードバイク、MTBで子供と一緒に走る最適解を研究したのでご紹介します。

チャイルドシート バーレー クロスバイク

子乗せの選択肢は3つ

クロスバイクに子供を乗せて走るには、チャイルドシート、自転車用ベビーカー(サイクルトレーラー)、抱っこ紐の選択肢があります。

 

まず最後の抱っこ紐はある程度の前傾姿勢があるスポーツ自転車としては選択肢から除外です。
抱っこしたまま30分走っても全く楽しくないという理由もあります。

チャイルドシートと自転車用ベビーカーで比較していきましょう。
自転車用ベビーカーは弊社が輸入しているバーレー(BURLEY)を想定して紹介します。

チャイルドシート

自転車用ベビーカー

幼児同乗自転車のルール

詳しい説明の前に、自転車で幼児を乗せる要件を確認しておきましょう。

幼児2人同乗用に製造(要件に合致したもの)された自転車に限り、16歳以上の者が幼児を2人乗せて乗車することができます。
(幼児とは、6歳未満の者をいいます。(道路交通法第14条第3項))

・幼児2人同乗用自転車の要件
幼児2人を同乗させても十分な強度を有すること。
幼児2人を同乗させても十分な制動性能を有すること。
駐輪時の転倒防止のため操作性及び安定性が確保されていること。
自転車のフレーム及び幼児用座席が取り付けられる部分(ハンドルキャリア等)は十分な剛性を有すること。
走行中にハンドル操作に影響が出るような振動が発生しないこと。
発進時、走行時、押し歩き時及び停止時の操縦性、操作性及び安定性が確保されていること。

クロスバイクやロードバイクはこちらの要件には当てはまりません。

・大人1人と幼児1人の場合

16歳以上の運転者は、幼児用座席を設けた自転車に6歳未満の幼児を1人に限り乗車させることができます。

幼児2名乗車の場合は幼児2人同乗用自転車が必要になりますが、1名の場合は普通の自転車に幼児用座席を取り付ければ乗車可能となります。

 

チャイルドトレーラーの場合は自転車に幼児は乗車せず、けん引される積載装置である軽車両に乗車するので、上記のルール外となります。

軽車両 自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のものをいう。
*道路交通法第2条第1項第11号・軽車両の定義

法律状の位置づけとしては、乗車装置を設けた人力車や馬車に当たります。

乗車人数

上記で書いたように、チャイルドシートはクロスバイクやロードバイクの場合、最大1名しか乗車できません。
バーレー(自転車用ベビーカー)であれば、最大2名乗車可能です。


リアのチャイルドシートを取り付けた状態でのけん引も規制対象外ではありますが、かなりの重量な上にバランスも悪くなるのでやめておきましょう。

子供の月齢

チャイルドシートもバーレーも乗車年齢は1歳からが基本です。
お座りと首すわりができて、体が安定する必要があります。

チャイルドシートはフロントは1歳からいけますが、リアは2歳からでないと目が届かないのでスルッと抜けてしまうような事故も考えられます。
自転車用ベビーカーはシートベルト+完全に囲われたシートなので、1歳から乗車しても安全です。

タイヤの幅

MTBだと幅広タイヤなので問題ありませんが、クロスバイクやロードバイクの場合はタイヤが細いとチャイルドシートには向きません。
23Cや28Cの細いタイヤだとホイールやフレームに負荷がかかったり、リムうちパンクのリスクも高くなります。
特にリアのチャイルドシートを付けるなら、35Cぐらいの幅は欲しい所です。

バーレーの場合は、23Cのような細いタイヤ幅でも問題なく使えます。
ほぼすべての荷重がけん引されるシートのタイヤに載るので、後輪への負担はかなり少ないです。

駐輪場のサイズ

チャイルドシートであれば、駐輪場に普通のクロスバイクと同じ感覚で駐輪することができます。
バーレーの場合はそのまま駐輪は不可能なので、集合住宅の場合は自転車を駐輪場に置いて、バーレー本体を自宅に持ち帰る必要があります。
一戸建てで庭があれば、バーレーを連結したまま保管も可能です。

自転車1台分の駐輪場に停めなければいけない場合はバーレーは難しいです。

フレームのまたがりやすさ

フロントやリアにチャイルドシートを取り付けると、乗り出しが結構大変です。
特にリアシートがあると、子供にキックしてしまわないように足を曲げながらトップチューブからまたぐ必要があります。
子供が乗っている状態なので、余計に大変。

バーレーであれば、普段通り後輪側から跨いで乗車できます。

ダンシングのやりやすさ

チャイルドシートを取り付けて乗ると、バイクの上半分に最大の重量物が来るので、バイクの操作が不安定になります。
これはママチャリも同じですが、700Cホイールだとママチャリよりもさらに高い位置に来るので余計です。
この状態でダンシングは無理です!
大人しくシッティングで淡々と漕ぐしかありません。

ベビーカーのバーレーならバイクの動きはほぼ制限されませんので、どんな踏み方でもOKです。
後ろから引っ張られる感覚はありますが、坂道を上っているような感じで、自転車本体はかなり自由に動かせます。

話しやすさ

子供との会話はチャイルドシートの方が距離が近いのでスムーズです。
振り返ればそこに顔がありますので。

バーレーでも大きな声で話せば会話はできますが、ずっと話を続けるのは難しいですね。

価格

チャイルドシート

フロント用:スーリーライドアロング ミニ 14000円

ライド アロング ミニ
リア用:スーリーライドアロング リア 16500円


自転車用ベビーカー:バーレー ハニービー 45990円

バーレーの方は1歳から45kgまで乗せられるので、12歳ぐらいまで乗ることも可能です。*そんな子供はいないと思いますが・・・
2名乗車だと平均体重だとで7歳頃まで使えます。

チャイルドシートの場合は前用を3歳ごろまで使って、そこから後ろ用に移行て、6歳ごろまで使いますので、2つ分のコストがかかります。

合計金額
チャイルドシート:30500円 1名乗車
バーレー:45990円 2名乗車

2人乗せられるメリットを考えると、チャイルドシートよりもバーレーの方がコスパは良いと言えます。
自転車用ベビーカーの一人用で良い場合はミノウというモデルがあり、41990円となります。

安全性

日本では一般的なチャイルドシートですが、安全性の観点では不安があります。
自転車に座席が乗っているので、自転車が倒れると子供も一緒に転倒してしまいます。
走行中は割と安定していますが、停車状態や低速で押している時にパタッと倒れてしまうのが特に心配です。

バーレーの場合は自転車が倒れてもベビーカーは倒れないので安全。
さらにベビーカー全体がアルミのフレームで囲われているので、何かと接触して横倒しになっても子供を守ってくれます。

安全面ではバーレーが断然おススメです。

荷物の積載

チャイルドシートのフロント側であればリアキャリアやバックパックを背負ったりして荷物は運べます。

リアのチャイルドシートをつけると基本荷物は何も持てません。

バックパックを背負っても子供に当たってしまうので、やるならフロントのバスケットやフロントキャリアで運ぶことになります。

バーレーの場合は座席の後ろに44Lの荷室があるので、かなりの荷物が積めてしまいます。
プールに行くときは浮き輪も入ります。
さらに荷物を積みたい場合はリアキャリアにパニアバッグを付けることで対応できます。

積載力勝負はバーレーで決まりです。
嫁の荷物と子供を全部自分で引っ張れるので、嫁からも好評です。

風の抵抗

チャイルドシートは親と子供が一列になってトレインを組んでいる状態になるので、風の抵抗増加はほぼありません。

バーレーは前方投影面積が倍近くになるので、向かい風の日は結構辛いです。

風の抵抗の少なさはチャイルドシートです。

降りた後

バイクを降りた後、チャイルドシートは自転車に取り付けっぱなしなので、テクテク歩くだけです。

バーレーの場合は手押しのベビーカーとしても使えます。

バーレー BURLEY サイクルトレーラー 自転車ベビーカー インプレッション (14)
店に到着し、買い物中に寝てしまっても、そのまま引っ張って家まで帰って来られます。
お昼寝した時にベビーカーが無いと、そのまま抱っこで起きるまで待たないといけなくなるので、手押しベビーカー機能はかなり助かります。

子供が元気でベビーカーを持っていくのが邪魔な場合は自転車の隣に置いて、そのまま駐輪しておきます。

乗り心地

私は体験できないので、娘に聞きました。
結論、どちらも楽しいそうです。
乗り心地というニュアンスが上手く伝えられないので明確な回答はありませんが、バーレーだとよく昼寝をしているので乗り心地も良いかと思います。

雨の日

チャイルドシートは他メーカーでカバーなども販売されていますが、基本はカッパを着て乗ることになります。
バーレーは純正でレインカバーが付属するので、雨の日はシートを下ろしてジッパーを締めるだけで防水仕様になります。

雨の日はバーレーの方が快適です。

結論

いろいろと比較しましたが、トータルで考えた時のライフスタイル別子供乗せアイテムは、

毎日の送り迎えで使いたい、でも家の駐輪場がマンションで自転車1台分しか置けない。
→チャイルドシートを買いましょう。
毎日の送迎のために家からバーレーを持ち出すのは大変なので、チャイルドシートがおすすめです。

週末のサイクリングを子供と行きたい
→バーレーを買いましょう。
チャイルドシートだと走りは全く楽しめません。
バーレーだと子供を2人乗せても抵抗は増えますが、それ以外の乗車感覚は普段の1人乗りと変わりませんので楽しく走れます。

スポーツバイクで送迎したい。自宅にバーレーを連結したまま保管できる。
→バーレーを買いましょう。
保管の問題が無ければ、安全性、積載性、利便性でバーレーが正解です。

以上、MTBやロードバイクに前後チャイルドシート、ロードバイクにバーレーを取り付けて使った感想です。