アイアンマン・ケアンズ2024 飯田選手レースレポート

FELT 契約トライアスリート・コーチ、飯田忠司選手による、アイアンマン・ケアンズ2024参戦レポートです。

海外トライアスロン参戦をお考えの選手の皆様、ご参考ください!


大会詳細

大会名:IRONMAN Cairns

開催日:2024年6月16日(日)

場所:オーストラリア・ケアンズ

距離:スイム3.8㎞、バイク180㎞、ラン42.195㎞

結果:タイム 11時間15分21秒    総合327位 エイジ45-49 27位

 

使用機材

レースウェア:チャンピオンシステムI-STORMオリジナル

スイムゴーグル:スワンズ

ウェットスーツ:メイストーム

バイク:FELT IA FRD DISC

メルメット:BBB マエストロ

サングラス:BBB フルビューHC PH

タイヤ:パナレーサー AGILEST TLR

補給:KODA ジェル+エレクトロライトパウダー

マッサージオイル:WELEDAアルニカマッサージオイル

日焼け止め:WELEDA

 

スイム3.8㎞ 1時間4分36秒

1周約1800mの周回コースを2周回+αのコース。19年に出場した時の記憶では、海はかなりうねり、波が激しいイメージであったが、今年は前日の試泳時からこれはケアンズか?と思うほどのベタ凪。当日も穏やかな状態で、水温は約24度。気持ちよく泳ぎたいのでロングジョン(半袖タイプ)のウェットスーツしか持ってこなかったが、寒さなどは気にならずむしろ丁度良いくらいであった。

当日は3時起床で、朝食などを済ませ、シャトルバスに4時半に乗り、約26キロ離れたスイム会場に5時15分頃到着。バイクの最終セッティング等を済ませて、スイムスタート地点までの導線などを改めて確認。先にスタートしたハーフアイアンマンの様子などを見つつ、陸上でウォーミングアップなどを順調に済ませスタートラインに並んだ。スタートは4人づつのローリングスタート。事前申告するスイム記録順にエリアが設けられており、前方方向の混雑を避けるために先頭列が見えるくらい7,8列目に並んだ。7時50分スタート。スタートして100mは沖に向かって泳ぎ、そこからは右折して浜に並行するコース。ベタ凪で泳ぎやすい。今回はとにかく無理は禁物なので、マイペースを保って泳ぐ。後ろからきた選手に抜かれはするが、1周回を終えた時に疲労感が残っておらず、もう1周終わりかと思えるくらいのペースが適切と常に言い聞かせて、ひたすらマイペースで進む。1周目を予定通りの余裕度で終え、2周回目に入る。2周回目の復路は若干うねりを感じたが、それでも19年に出場時よりははるかに好条件。

予定通り余裕度をもって終えられた。

上陸して時計を見ると1時間4分。1時間位では上がれるかなと考えていたので、少し時間がかかってしまったが、予定通りの余裕度で終えられたので良し。レース後、他の選手の話を聞いみたが皆、以前より少し時間がかかっている選手が多かったので、妥当なタイムで上陸できたと思われる。

 

バイク180㎞ 5時間48分51秒

バイクコースはスイム会場から北上して、また戻るコースを2周回後、26キロ先のT2に戻るコース。海岸線が主体で小刻みなアップダウンがあり、荒い路面が続き、ラストの26キロが向かい風の事が多い、コース。ラストの向かい風区間にどれだけ余力を持って臨めるかがポイントのコース。

トランジッションには少し時間をかけてしまったが、無事にバイクコースに出る。練習時のデータから得た安全圏のパワー値を目安に、適切に冷静に補給(エネルギー、ナトリウム、水分)をしていく事を念頭に淡々とペダルを漕ぐ。当然、序盤から多くの選手に抜かれていくが、現状では冷静に自分の力を出す事だけに集中すべきと言い聞かせてやり過ごす。小刻みなアップダウン、特に登りの練習はほぼ無しといっていいので、大きなパワー値が出てしまう所を軽めのギアでパワーを抑えてクリアしていく。日差しは強いがまだ暑さが気にならない。路面は以前よりは良くなっている区間が多いように感じたが、それでも悪い所は悪く、28Cのタイヤでも路面からの振動が結構伝わってくる。空気圧は4.6~7bar位にしてあったが、もう少し低めにしておけばよかったかなと感じるくらい、なかなか日本の河川敷だけは走っている身では感じる事のない振動。沢山の選手に抜かれたが、マイペースを保っていたおかげで、1周回の往路を終える。

この位から少し暑さが気になったが、エイドでもらった水を身体にかけて冷却。あとはコース上、日陰の区間もあった事がかなり助けられた。1周目の終盤に少し胃の不調感が出てきのたでナトリウム不足と判断し、携帯していたKODAのエレクトロライドパウダーを直に投入。暫くすると元気になってきたので、以降は定期的にパウダーを摂取していった。2周目も大きな疲労感を感じることなく。残りの向かい風区間の26キロ。が、幸運な事に19年ほどの向かい風ではない。むしろ追い風に近い形区間もある。

ここで数人の選手に追いつく事ができ、アベレージ約31キロ。ほぼ予定通りの時間でバイクを終える事ができた。

 

ラン42.195㎞ 4時11分25秒

ランニングは1周約10キロのコースを4周回。ほぼフラットで市街地内を通る。応援が絶えない走りやすいコース。

走り出しはバイクまでの疲労の為、ギクシャクした走りだったが、タイムを見るとキロ5分位と思ったより悪くないペース。しかし、周回コースの一番奥を折り返すくらいには少し苦しくなってしまい、5分20秒~30秒くらいにペースダウン。キロ5分30秒くらいはキープしたい所。1周目の終盤頃には心拍は低いものの疲労感が大きく、あとこれを3周もするのかとネガティブな思考になりつつも、想定ペースは気にせず、自分の行けそうな感覚を探り、さらにフォームも一か所に疲労が集中しないように探りながらなど、ネガティブな思考が増大しないように進める。沿道の多くの応援、すれ違う日本人選手との声かけなどもあり、何とか2周目を終える。この頃にはキロ6分をわずかに割るくらいまでペースが落ち、途中、胃の不調で立ち止まってしまう場面もあったが、徐々に日が暮れ始め、気温が下がり始めた事も幸いし、3周目を終えるともうラスト1周と精神的にも元気になり再びペースが上がり始める。ラスト1周は快調に走り切り、4時間は切りたい所であったが、4時間11分、トータル11時間15分でゴールする事ができた。

 

レースを終えて

今回のレースは直近までの練習状況から11時間を切れれば御の字と考えていたので、その点では若干課題の残るレースでした。想定よりスイムとランにタイムがかかってしまいましたが、現在の練習状況からして3種目すべてで満足のいくトレーニング時間、内容を確保するのは難しく、何かを捨てないといけない状況ではあったので、その中でランニングはある程度犠牲にしても、質はともかく、一番競技時間の長いバイクのトレーニング時間の確保を優先した結果がそのまま出たなという印象です。バイクに隙がある状態で臨むと、もっと疲労感が残る状態でランに移る事になり、さらに時間がかかった可能性もあり、この辺りの判断は難しい所ですが、現状を加味したトレーニングの方向性は概ね間違っていなかったと感じます。

 

一方でchampionshipの権利の獲得となるとロールダウン無しの状態で獲得を狙うとなると、ケアンズでは私のエイジでも10時間を確実に切ってゴールする事が求められるので、今以上のスケジューリング、トレーニングの調整と工夫が必要になってきます。

 

しかし、23年マレーシア、今回のケアンズと19年に出場した時よりもトレーニングできる状況が大分変った中で、失敗もあれば、得られるものをあったので、またチャレンジしてみたいなという思いもあります。

年齢や仕事を理由にせず、これからもできる範囲でアイアンマンにはチャレンジしていきたいと思います。

 

最後に、今回のレース、遠征も多くの皆様のご支援、応援のおかげで実現する事が出来ました。この場を借りて皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。


 

飯田 忠司 選手 バイオグラフィー

1976年12月24日生まれ

トライアスロンスクール I-STORM代表
日本トライアスロン連合 指導者養成委員
埼玉県トライアスロン連合 副理事長 強化委員

<主な成績>
2011年 佐渡国際トライアスロンAタイプ 優勝
2012年 佐渡国際トライアスロンAタイプ 2位
2013年 五島長崎国際トライアスロン エリート2位

小学校1年から高校3年までは剣道に打ち込む。東海大学入学後、いくつかの候補の中から、先輩達のオープンな雰囲気に惹かれてトライアスロンサークル「東海大学BOMBERS」に入会。始めた当初は、走れば30分ほどで歩き、100m以上は泳いだ事がないし、自転車は持っていないから乗れないという状態だったが、3年時に学生選手権に出場。
卒業旅行のつもりで大学の仲間と出場したアイアンマン・ニュージーランドで運良くアイアンマン・ハワイの権利を獲得。翌年初出場したロングディスタンス日本選手権佐渡大会で5位入賞。2005年IRONMAN KOREAで総合6位(日本人1位) 2011年国内最長距離の大会「佐渡国際トライアスロンAタイプ」でメジャー大会初優勝。
現在もロングディスタンスを中心に競技活動を続け、並行してトライアスロンスクール「I-STORM」を主宰し、初心者からエリートまで幅広いレベル、年齢のトライアスリートの指導も行い、JTU(日本トライアスロン連合)指導者養成委員、埼玉県トライアスロン連合理事として、日本のトライアスロン普及にも関わっている。

 

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