Crankbrothersサポートライダーレースレポート NZバイクパーク体験記 朝倉佑太

2月21日から3月21日までニュージーランドのクイーンズタウンに遠征した朝倉選手から、現地体験記とレースレポートを頂きました。今回は現地体験記を掲載致します。ワールドカップ選手もよく滞在するというニュージーランド。日本とは全く異なる環境や規模のパークはどんなものだったのか、ぜひご一読下さい。

レース後は毎日「Skyline Queenstown」に通いました。ここはクイーンズタウンの街の真ん中にあるバイクパークです。コースの長さは10分ほどとそこまで長くはないですが、上級者レベルのコースがほとんどで、コースの本数もとても多かったです。ここでは100回券を買って1日5〜6本乗りました。やはり数を乗ろうとするとすぐに疲れてしまうので、1日に乗れる本数自体は少なくなってしまいました。

日本のコースと比べると、バンク、ジャンプ、ロックセクションなど全てがかなり違っていました。バンクはかなり角度が立ついていてとても深いためブレーキをかけずに走行することができました。とても走りやすいのですが、最初はやはり慣れず、ブレーキをかけないで突っ込めるようになるまで2週間ほどかかりました。スカイラインを走り始めた頃の動画と、しばらく経った後の動画を見比べると重心と腕の角度が補正されていることから、正しいフォームは速く走るために重要かつ、コースがライダーを育てるということを再認識することができました。

ジャンプは基本的にテーブルトップでしたが、30〜40km/hくらいのスピードで飛ぶものが多く、飛距離や浮遊感がかなりありました。このジャンプはカナダのジャンプともかなり違っていて、カナダのものより飛びやすかったように感じます。ウィスラーもジャンプで有名な場所ですが、クイーンズタウンの方がジャンプの練習には良さそうだと思いました。

ロックセクションですが、クイーンズタウンのものは斜度や一つ一つの岩がかなり大きく、「どうやって走るの?」と感じるものばかりでした。日本のロックセクションは基本的に自分の走ってるラインを認識してから走るというイメージです。それに対してクイーンズタウンのものは落差が大きくブラインドになっていたりして、ラインを認識する前に走らされるというイメージでした。また、一個一個のロックセクションが長く、自転車を抑えることで一杯一杯でした。

最後に最も大きな違いはシングルトラックが少ないことです。どのコースに入ってもたくさんのラインが用意されていて、攻略しがいがありました。そして、自然の中に作られているにも関わらず、1番難しいラインが1番速いラインになっているところにコースのレベルの高さを感じました。

もう1つ日本と異なっていると思ったことは、トレイルの豊富さです。スカイラインはバイクパークですが、コースからライダー達が作ったトレイルがいくつも伸びており、バイクパークから簡単にトレイルにアクセスすることができました。一部のトレイルはライダーがパーク内に作ったものですが、パーク側もおそらくこれを容認していました。中にはそのトレイルだけを走りにきているライダーもいて、パークとトレイルが支え合っている状態が素晴らしいと思いました。

どのトレイルもバイクパークのレベルを超えていましたが、無料で走ることができ、上手になる環境が完璧に揃っていました。また、ジャンプトレイルなどではライダーが進んでコースメンテナンスをしており、「自治」のようなものが備わっていたことにも感動しました。

僕は大学でスポーツ科学を学んでいるので、今回の遠征はライダーだけでなく、学生としての自分にとっても有意義な経験になりました。例えば、日本では基本的に、作られたパークの中でパークのルール内で乗るというのがマウンテンバイクの楽しみ方ですが、NZはライダーがコースもルールも作って自由に楽しむというのが当たり前でした。パークなしでは語れない日本のマウンテンバイク界とは異なり、自分たちでどんどん開拓していったマウンテンバイク文化がそこにはありました。ハイカーとライダーが共存している日本のトレイルでは難しいですが、NZのリラックスしたマウンテンバイク環境は日本のマウンテンバイク界でも参考にしたいものだと思いました。

最後になりますが、サポートをしてくださってる方々、いつも応援してくれる両親には感謝でいっぱいです。本当にありがとうございました。

 

#WERIDECB

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