坂バカプロモーションスタッフRYOです。
目次
新しくなったFELTのオールラウンドレーシングバイク FRシリーズをF75と比較した実走インプレッション。
カーボンモデルのファーストインプレッションでは、定評のあったFシリーズの各性能が確実にブラッシュアップされていることが体感できました。
しかし、カーボンモデルの影に隠れてアルミモデルに関する情報は、何故かほとんど発表されていません。
(エンジニアリングの会社であるFelt Bicyclesは自社の技術を公表しようとしない秘密主義な一面がありますね(笑)
今回のインプレッションの前に軽く試乗しただけですが、アルミモデルにはかなり良い感触があり、個人的にはカーボン以上に期待をして臨みました!
インプレッションの詳細
バイク: FR40 540mm 2017モデル
ハイドロフォーミングでチューニングを施した6061アルミニウムフレームにフルカーボンフォーク。コンポはシマノ ティアグラです。
フレーム&フォークはFR30と共通です。FR50/60とはBB規格等の細部の形状が異なります。
インプレをご覧頂く前に、モデル詳細ページのテクノロジー解説をチェックしてもらうと理解が進むかと思います。
ホイールは色々と変えて試しましたので、フレームセットのインプレと考えて頂ければ幸いです。
ライダー: 坂バカプロモーションスタッフRYO
身長174cm、体重58kg
スポーツバイク歴13年。
ヤビツ峠(名古木交差点~)のベストタイムは36分。八王子市和田峠は15分。
JCRCはCクラス。ツールドおきなわ210kmではなんとか完走(笑)
Fシリーズの全グレードを本格的に乗り比べた経験があります。
現在はメインバイクとしてアルミフレームのF75に乗っています。
総走行距離: 502km
片道15kmの通勤、週末の平地朝練、ロングライドと乗り込みました。
軽いダートを含んだ荒れた路面も試しましたよ!
サクサクと軽快なダンシング
走りはじめて感じるのはやっぱりカーボンモデルと同じくバイクのフリの軽さ。
特にこのアルミモデルはカーボン以上に進化を感じます!
以前のFシリーズでは、カーボンとアルミで性能差を感じる部分でもありました。
FRはカーボンモデルと遜色ないフリの軽さです。
Fシリーズはフォークが突っ張るくらい剛性が高いことが特長で、フォークを起点にするようにして操ると良く走るバイクでした。
FRについてはもっとナチュラルなフィーリングです。
ハンドルをガッチリと制御しなくてもスムーズにサクサクとバイクを振ることができます。
フレームとフォークの剛性バランスが良いことがその要因と想像します。
FRは剛性を調整し不要な重量を省くため、フレームサイズによってヘッドベアリング径を変えています。
そこまでこだわった効果がここに出ていますね!
リズム良く踏めるペダリング
正直かなり好みのフィーリング!
個人的にはカーボンモデルより良い印象を持ちました。
フレームに「粘り」を感じ、疲れにくいです。
しっかり感はFのアルミモデルより向上している気がします。
でも絶妙な「粘り」「タメ」のようなものがあり、ペダリングやケイデンスに対する許容力が高いです。
少し重めのギヤを踏んでいくような走りでも脚にキにくく疲れにくい。
もちろん高ケイデンスで回す走りでも良く進みます。
荒れた路面でスプリントしても跳ねなくなったバックセクションはカーボンモデルと一緒ですね。
「パンパンパン」とリズム良く踏んでいくようなダンシングをするとキモチイイ!
FRは各部の溶接ポイントを大きく取るようにしていることが見てとれます。
結果、走りの「しっかり感」が出ています。
一番大きいところでは新しく採用したBB規格、BB386。
かなりインパクトのある大きなBBですが、ダウンチューブ、シートチューブ、チェーンステーとの溶接面積を大きく取ることに貢献しています。
賛否両論のある大径BBですが、FRの走りには欠かせない要素であることを実際に走って体感しました。
必要なのはこまめにメンテナンスを依頼できるショップだけですね(^^)
実はリアエンドも新しくなっています。
こちらも溶接面積を大きく取りガッチリ溶接!
リアブレーキのブリッジやトップチューブに接続される新形状シートステーも溶接面積を改善したポイントの一つですね。
接合部は溶接面積を大きく取り「しっかり感」を出し、パイプ形状を工夫することでフレーム全体で「粘り」を産み出しています。
心地よい振動吸収性
感動的なほど乗り心地が良くなっています!
カーボンモデルのFR2より振動吸収性は高いように感じました。
普通なら「ガガガンッ」とくる振動を「トトトッ」という心地よい振動に変換してくれます。
実際にグラベルや荒れた舗装を走ってみてもかなりストレスが少ないです。
アルミフレームもここまで来たんだなあと感心してしまいました(^^;
FRの一番の特徴である、シートチューブの両側を通ってトップチューブに接続されるシートステーは、間違いなく効いてますね!
また、フロント側の振動吸収性も上がっている感じです。
これもヘッドベアリング径を始めとした剛性の最適化設計の効果でしょう。
内蔵ワイヤーってどうよ?
ブレーキワイヤー、シフトワイヤーともにフロント三角部分に内蔵になりました。
シフトが内蔵ケーブルなのはアルミだけでカーボンは内蔵ではありません。
FELTの考えでは、ワイヤー穴を空けた箇所の補強が必須で重量増と剛性低下に繋がってしまうカーボンに対して、アルミは均質材料のためデメリットが少ないとの判断だそうです。
個人的にはメンテナンスが面倒なので内蔵ケーブル化はうれしくありません(笑)
と、思っていたのですが、実車を観察して考えを改めました。
なんとFR30とFR40はダウンチューブのBB裏側が、ぱっくり空いています。
これによりダウンチューブを大径化し溶接面も広くとれています。
同時に、内蔵したシフトワイヤーをここから出すことが実現。
ダウンチューブのヘッド側から突っ込んだワイヤーはここから簡単に出てくるという寸法です。
外装ワイヤーと比べて砂や埃が詰まりにくいですし、ルーティングも自然で良いことしかありません。
自分の持っていた「内蔵ワイヤーは面倒」という先入観を反省しましたm(__)m
インプレまとめ
FELTを代表するピュアレーシングバイクとしてFシリーズの各部をブラッシュアップしたFR。
ですが、アルミモデルの進化はブラッシュアップどころではなく突然変異レベルだと思います!ホントに。
カーボンモデルと比較して、単純に重量差はもちろんありますが、性能的には劣るとは思いません。
驚いたことにカーボンモデルと同じようにサクサク進む挙動なので、ロードレースで使ってもハンデを感じることはないでしょう。
個人的にも購入しようかと悩んでいます( ゜o゜)
1つ思ったのは、フレーム性能はデュラエースとカーボンホイールを積んでもおかしくないくらいなのに、ホイールが重くて空気抵抗も大きく、もったいないなあということ。(この価格帯のバイクはみんな同じようなホイールが付いてきますが・・・)
付属のホイールはおまけだと思って、良いホイールを履かせることをおすすめします。
写真のホイールはA-CLASSのALX475ですが想像以上に相性が良くて、平地~緩斜面でガンガン踏んでいきたい人にオススメです。
レーシング性能を向上した副次効果として、挙動は軽くてナチュラルに、ペダリングは懐が深く、そして心地良い乗り心地。
レース以外の部分でも扱いやすいバイクになっていますよ!
FELT FRのページはこちら
https://www.riteway-jp.com/bicycle/felt/2017fr/