こんにちは、自転車通勤担当のサキです。
みなさんクロスバイクやグラベルロードにどんなタイヤをつけていますか?
細いレーシング系タイヤはかなり選択肢がありますが、太めのタイヤってコスパ重視のチープな物ばかりでなかなか良い物がありません。
そこで、ライトウェイブランドでタイヤメーカーと共同開発いたしました。
目次
700C タイヤサイズ別の乗り味とメリット
700Cの35Cサイズをおすすめするにあたり、サイズ別の特長を紹介します。
*トータル重量はワイヤービードタイヤ+ノーマル厚のチューブで計算。
700×23C
標準的なロードバイク用レーシングタイヤ。
幅は23mmで、一般的なママチャリの65%。
エアボリューム(断面積)で比べると43% *23Cタイヤ132㎟、ママチャリ306㎟
細い分だけかなり走りは軽くて、高速走行が可能。
タイヤ空気圧は80-100PSIと高圧なので乗り心地は最低レベル、エアボリュームも少ないので適正な空気圧を保つには1週間に1回は補充が必要。
まさにスピードを求めるためだけのタイヤです。
タイヤのグレードも1500円から1万円まで豊富に選べます。
トータル重量 380g×前後 *タイヤ300g+チューブ80g
700×25C
最近ロードバイクのスタンダードになりつつある一回り太目のレーシングタイヤ。
幅は25mmで、一般的なママチャリの71%。
エアボリューム(断面積)で比べると51% *25Cタイヤ156㎟、ママチャリ306㎟
数年前は23Cが主流でしたが、今は25Cがピュアレーサーでも採用されます。
幅にすると1~2mmしか変わりませんが、タイヤの幅が太くなると乗り心地が良くなり、グリップ力も高まるので、23Cタイヤよりも少しマイルドな乗り味になります。
タイヤが太くなると重量が増えて加減速が鈍くなりますが、転がり抵抗は低くなります。
上記の総合的な判断でロードレーサーの主役に躍り出たのが700×25Cタイヤです。
23Cタイヤが入るバイクであれば、25Cもまず問題無く入るので、ほぼ全てのロードバイクに使えます。
32Cや28Cタイヤを装着したクロスバイクのアップグレードにも使えます。
トータル重量 400g×前後 *タイヤ310g+チューブ90g
700×28C
3年前の日本のクロスバイクの標準タイヤ。
幅は28mmで、一般的なママチャリの80%。
エアボリューム(断面積)で比べると64% *28Cタイヤ196㎟、ママチャリ306㎟
一番大事なエアボリュームで比較すると、まだママチャリの半分ちょいしかありません。
ロードバイクブームとクロスバイクブームが一緒にやってきた時に一番人気だった細身のクロスバイクタイヤが700×28Cです。
最大のメリットは軽さで、25Cと比較しても前後で80g程度しか差がありませんので、軽量です。
そのため加速のキレが良いクロスバイクになり、スポーツ感が高い乗り味です。
反面、ある程度高圧にしないとパンクしやすいので、乗り心地は結構悪く、段差がある時は丁寧に抜重しないと強めの衝撃に見舞われます。
コンフォートロードやエンデュランスロード、マルチロードと呼ばれるタイヤが太めのロードバイクにもこのサイズが装着されていることが一番多いです。
トータル重量 440g×前後 タイヤ330g+チューブ110g
700×32C
現在の日本のクロスバイクの標準タイヤ。
やはり街乗りで28Cでは乗り心地が悪いということで、増えてきたのが32Cタイヤです。
幅は32mmで、一般的なママチャリの91%。
エアボリューム(断面積)で比べると83% *32Cタイヤ256㎟、ママチャリ306㎟
かなりママチャリの太さに近づいてきましたね。
重量はかさみますが、段差もある程度ラフに走れますし、空気入れの頻度も少なく済みます。
軽く走れて、乗り心地もそこそこ良いというバランスの良さが魅力です。
トータル重量 540g×前後 タイヤ390g+チューブ150g
700×35C
ママチャリと同じ幅のクロスバイク、ロードバイク用タイヤです。
幅は35mmで、一般的なママチャリと同じ。
エアボリューム(断面積)で比べても同じです。
26インチのw/o表記だと26×1.35です。
昔のスポーツバイクではランドナーのタイヤがこのサイズを採用していて、乗り心地重視のバイクでは35mmが良いようです。
グラベルロードでも結構使われるサイズで、悪路も走れる安定感があります。
乗り心地が良い分だけ重量が重く、加減速のキレは32Cや28Cには劣ります。
トータル重量 790g×前後 タイヤ620g+チューブ170g
700×42C
幅は42mmで、一般的なママチャリの120%。
エアボリューム(断面積)で比べると144 % *42Cタイヤ441㎟、ママチャリ306㎟
26インチのw/o表記だと26×1.5よりも気持ち太いぐらいです。
ママチャリと比べてエアボリュームが1.5倍なので、乗り心地も相当快適です。
多少の段差は気にせず走ることができます。
反面重量がかなり増えるので、あまり一般的では無いサイズです。
トータル重量 1020g×前後 タイヤ800g+チューブ220g
42Cのタイヤチョイスについて、
一部のグラベルロード向けタイヤでは700×42Cが販売されていますが、かなり高価なタイヤだけです。
700cホイールに42cタイヤをはめると、外径が大きくなりすぎて、ジオメトリーやギアテーブルが変わってしまうのであまり使われないようです。
*クロスバイクやコンフォートロードに42cタイヤは、フレームに接触してまず嵌まりません。
現在のグラベルロードのトレンドは外径を変えないために700ではなく27.5インチ(650B)ホイールにワイドタイヤを装着して仮想的に700c外径に合わせる方が主流です。
今回700×35Cタイヤを開発した背景
32Cでは段差が気になったり、すぐに空気が減ってしまったりと、普段使いには結構不便だったりします。
35Cの幅があれば、格段にクッション性が向上しますし、エアボリュームが大きい分だけ空気が減るスピードもゆっくりです。
この35mm幅のタイヤといえば、昔のツーリングバイクのランドナータイヤと同じ幅です。
標準的なランドナータイヤ:26 x 1-3/8 *ETRTO35-584
この35mmという幅が乗り心地の良さと軽さの絶妙なラインです。
35cタイヤの課題
今販売されている35Cタイヤを使ったのですが、以下の点が課題でした。
・重い 1本600g以上もある。
・グリップ力が低い
・幅の割に乗り心地が悪い
・見た目がママチャリみたいでダサい
ライトウェイアーバンフルグリップタイヤの特長
上記課題を全部解決すべく、タイヤメーカーと一緒に新しいモールドを作りました。
軽い!458g
ワイヤービードで作っているにもかかわらず、一般的な35Cタイヤと比較すると、約30%も軽量化。
32Cタイヤと同等レベルの重量で作りました。
タイヤの接地部分の厚みは普通のタイヤと同じで、耐久性は変わりません。
軽さの秘密はフルスリックにしたことです。
35Cクラスのタイヤでフルスリックのタイヤはほぼ存在しませんが、ライトウェイのフルグリップタイヤでは完全なフルスリックを実現しました。
タイヤサイドにトレッド(溝)をつけると、どうしてもトレッドの溝の分だけゴムを厚く張る必要が出てきます。
トレッドが無いことで、余計なゴムを最小限にして大幅な軽量化が達成できました。
トレッドが無いとハイドロプレーニング現象で滑らないか心配になるかと思いますが、全く心配いりません。
ロードバイクのレーシングタイヤもツルッツルですが、雨でもハイドロプレーニングは発生しません。
自転車は車やバイクと比べて接地面積が小さく、走行スピードも遅いので、ハイドロプレーニングが発生することはありません。
航空会社が調べたところによると、空気圧60psiで時速130km出せばハイドロプレーニングが起こる可能性があるそうです。
https://www.faasafety.gov/files/gslac/library/documents/2011/Sep/57624/110804%20FLYING%20LESSONS.pdf
グリップ力抜群
路面を捉える性能は抜群です。
まず数値で紹介します。
グリップ力を決める要因は複数あり、接地面積、コンパウンド性能、タイヤのしなやかさが影響します。
まず接地面積はトレッドが無い分だけ一般的なタイヤに対して16%向上。
*バンク角15度、荷重20kg
コンパウンド=接地部分のゴムも高性能な素材を使用しています。
一般的なタイヤに対して、6%食い込みの良いコンパウンドを使用しているので路面への密着感が高まります。
実際に様々なコンパウンドを試験しながら、最適な物を使用しました。
タイヤのしなやかさも重要なポイントです。
同じタイヤの空気圧でも、タイヤそのものがしなやかな方が路面のギャップの吸収力が高まります。
ギャップをタイヤが跳ねると、地面とタイヤが接地していない瞬間ができるので、結果的にグリップ力が失われます。
ライトウェイのタイヤは一般的なタイヤの2倍しなやかな性能で、荒れた路面でも接地感が非常に高いのが特長です。
乗り心地が極上
幅の太いタイヤが欲しい人は快適性を求めているのですが、幅広タイヤは初心者向けの物がほとんどで、カッチカチの乗り心地が良くないタイヤばかりです。
せっかく重量を犠牲にして乗り心地を求めているのに、タイヤの剛性がありすぎて高性能な32cタイヤの方が乗り心地が良いと感じることもあります。
グリップ力の所でも紹介しましたが、ライトウェイのタイヤはしなやかさを追求してケーシング、ゴム配置をしていますので、縦剛性が従来の半分という数値になっています。
*空気を入れない状態で、ビードを固定して垂直方向から荷重した時のタイヤ変形量。
縦剛性が低いほど、空気のクッション力を最大限発揮できるので、同じ空気圧でも乗り心地が良くなります。
剛性が半分というのは乗り心地の違いを明確に感じ取れるほど違いがあります。
35Cタイヤのエアーボリュームを最大限活用できます。
余談ではありますが、タイヤがしなやかなほど細かなギャップを吸収するので、転がり抵抗も低くなるという論文も発表されています。
見た目が素敵
フルスリックにしたことで、見た目がシンプルで、レーシーな雰囲気を醸し出してくれます。
トレッドタイヤとの比較↓ 実はライトウェイのタイヤは実測34mm、右側のタイヤは実測35mmなので右の方が太いはずなのですが、スリックタイヤの方が太く見えるのは目の錯覚です。
そのため、同じ太さのタイヤでも迫力あるバイクに仕上がります。
実は幅広のフルスリックタイヤを作るのは意外と大変です。
タイヤは金属の金型にゴムを熱しながらトレッド面を作るのですが、この工程でエアーを抜かないといけません。
トレッドがあるとエアー追い出しやすく、残っても目立たないのですが、フルスリックだとエアーが逃げにくいので、いわゆるヒゲをたくさん配置してエアーを逃がしてやる必要があります。
せっかくのフルスリックなのに、ヒゲがボーボーなのもカッコ悪いので、タイヤメーカーと金型を工夫して、最小限のヒゲでツルツルのフルスリックタイヤを作る事成功しました。
WTBから販売されているツルツルワイドタイヤのシックスリックが高価なのも製造工程が難しいからだと思います。
トレッド面のクローズアップ
ロングタームインプレッション
実際に延べ3か月間、800km、通勤やツーリングに使用しました。
元々のタイヤが700×28Cで700×38cタイヤに交換して使っていました。*38Cというメーカー表記でも、実際は2~3mm狭いことが多いので、FELTのVRには使えました。
その後で使ったのがライトウェイのアーバンフルグリップタイヤです。
まず乗り心地の良さに衝撃を受けました。線路を横切ったり、段差に乗り上げた時の衝撃が少なくなり、不快なロードノイズもほぼ感じなくなりました。
グリップ性能については、タイヤの限界までオンロードで攻めるような走りはできないので何とも言えませんが、ウェット路面のグリップ感は良くなった印象です。
特にタイヤロックして滑りだしてからグリップ力が戻るまでの反応が良くなった気がします。
結果的に足回りの安定感が向上したので、ツーリングに出かけても疲労が少なくなりました。
グラベルロードのオンロード向けタイヤや、クロスバイクの通勤タイヤには非常にお勧めできます。
ジャイアント エスケープにもOK
フロント、リアともの問題無く装着できます。
ジオスミストラルにもOK
こちらもフロント、リアともに装着できます。
実は29インチのMTBにも結構イケます
29erのマウンテンバイクを買って、ブロックタイヤが重いな・・・と思ってきたら、この700×35Cタイヤに交換がおすすめです。
29×2.0のスリックタイヤも売っていますが、重量が900g近くになるのでブロックタイヤと交換してもそれほど劇的な差は感じられません。
かといって、32Cとかの細めにするとMTBらしさが無くなってしまいます。
29erMTBに装着しても大丈夫な軽さと見た目の絶妙なバランスが35Cです。
スペック
サイズ : 700×35C , ETRTO 35-622
実測幅 : 34m m( 空気圧60psi リム幅19mm)
指定空気圧 : 50-75PSI 350-525kpa
参考重量 : 458g
ケーシング : 30TPI
価格:2900円(税抜)