※ジロのステージ初優勝を飾ったジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ)
ジロ・デ・イタリア2013第5ステージ
アルゴス・シマノのデゲンコルブがジロ初勝利を飾る。
前日の第4ステージで今大会の最南端に達したジロは、ドロミテやアルプスに向けて北上を開始する。第5ステージはカラブリア州のコゼンツァからバジリカータ州のマテーラまで203km。難易度の低い平坦ステージに指定されているものの、終盤にかけて4級山岳と標高差300mほどの緩い登りが登場する。
この日もUCIプロコンチネンタルチームを中心に逃げを作る動きが活発化。ステファノ・ピラッツィやラファエル・アンドリアート、トマス・ヒルマルティネスを含む6名が集団から飛び出し、長靴(イタリア半島)の足裏を東に向かう。総合に関係のないメンバーが逃げたため、カチューシャは追撃に興味を示さず、タイム差は10分を越える。レース中盤に入ると、オリカ・グリーンエッジやオメガファーマ・クイックステップが集団コントロールに合流。海に沿った真っ平らな幹線道路でタイム差は縮小の一途をたどった。
BMCレーシングチームやバルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックスがハイペースを刻むメイン集団は、マテーラに向かう緩斜面で80名ほどに縮小。スプリント勝負に持ち込みたくないチームによるアタックは続き、今度はラスト5kmでユベール・デュポンがアタックする。勢いのある走りでリードを広げたデュポンだったが、雨に濡れたマテーラ市内でメイン集団に吸収された。
決定的なアタックが生まれないままラスト3km。集団スプリントでの決着が濃厚となってくる。集団内で登りをクリアしたデゲンコルブやゴス、ヴィヴィアーニ、ブアニ、ベントソ、ニッツォーロ、ベンナーティ、ポッツァートらにチャンスが回って来た。
ゴールに向かう3%ほどの登りで、ラスト200mでデゲンコルブが先頭に。ラスト1kmから踏み続けた脚に今一度ムチを打ち、喘ぎながら先頭でフィニッシュラインを駆け抜けた。
ゴール後、デゲンコルブは苦しみながら地面に倒れ込む。「落車のあとバルディアーニの選手(カノーラ)が飛び出した時、これは一か八かの勝負になると思った。周りに誰もいなかったので、ラスト1kmからスプリントを開始。本当に本当にハードだった。かなり苦しんだよ」。
デゲンコルブは昨年ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ5勝。初出場のジロで、持ち前の登坂力&スプリント力を見せつけた。「スプリンターは勝ってこそ評価される。ブエルタ以降しばらく勝てていなかったから、これは自分にとって大きな意味のある勝利だ」。