第9ステージ終了後すぐ、選手たちは空路でイベリア半島を横断してガリシア州に入った。休息日明けの選手たちを待っていたのは、スプリンター向きの平坦ステージ。複雑に入り組んだ美しい湾(リアス式海岸)を縫うように走り、海沿いの街サンシェンショにゴールする。
全日本チャンピオンの土井雪広選手は、デゲンコルブのサポートを言い渡された選手の一人。アルゴス・シマノは完全にデゲンコルブのスプリント勝利&グリーンジャージ獲得にフォーカスしている。
59km地点で逃げた二人とメイン集団のタイム差は6分42秒まで広がる。メイン集団のコントロールを担ったのはやはりアルゴス・シマノで、土井選手もローテーションに加わる。
オリカ・グリーンエッジの集団ペースアップに伴って、逃げのリードは縮小しゴールまで32kmを残して逃げの二人は吸収。チームスカイが主導権を握った状態でラスト10kmを迎えたが、その後方ではアルゴス・シマノやレディオシャック・ニッサンが着々とトレイン形成の準備を整える。土井選手はラスト7kmからチームメイトを引き連れて集団前方に上がっていく。ゴール地点サンシェンショが近づくにつれてスプリンターチームの攻防戦は更に激化。中切れによって幾分人数を減らした集団がゴールに向けて突進した。
クーン・デコルトに強力にリードされたデゲンコルブは、ラスト250mで早めに仕掛けたダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)のスリップストリームに飛び乗る。緩やかに登るゴール前で、伸びないベンナーティに代わってデゲンコルブが先頭へ。ゴール直前でナセル・ブアニ(フランス、FDJ・ビッグマット)が並びかけたが、デゲンコルブは先頭を譲らない。最後まで伸び続けたデゲンコルブが4本指を立ててゴールした。
ゴール直後、駆けつけたチームメイトを抱き寄せるデゲンコルブ。大集団のゴールスプリントで負け無しの4勝目。スプリントポイントもしっかりポイントを稼ぎ、18ポイント差でポイント賞トップの座をホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)から奪い返した。
これでアルゴス・シマノは10ステージ中4勝。チームとしてもシーズン21勝目を掴んだ。