
ユニディレクショナルカーボン


TeXtremeは何が特別か
TeXtremeは自転車業界で初めてFelt Bicyclesが製品に採用したことから、Feltが生み出した、あるいはFelt独自のカーボンであると考えている方もいるかもしれません。しかし、そうではありません。TeXtremeはスウェーデンの素材メーカーOxeon社が開発した織物状のカーボンファイバーで、航空宇宙やモータースポーツなど幅広い業界の数十のブランドに提供されているものです。カーボン素材の中でも高価なため、自転車用としてはまだ希少価値の高い素材です。しかし、すべてのサイクリストに最高のライディングエクスペリエンスを提供するという私たちのミッションのもと、世界で最も優れた自転車を作るために、金銭的な妥協を捨て、FELTではこの素材を採用しています。では、なぜTeXtremeが自転車に最適なのか。ズバリ、強度と重量です。



フレーム設計とサイズ毎の調整
CAD(コンピュータ設計支援)、FEA(有限要素解析)、そしてフェルト契約プロライダーによるプロトタイプテストを通じて、エンジニアはバイクにどの種類のカーボン繊維素材を使うべきかを見極めることができます。その目的は、フレームが持つ特性を最大限に発揮するために、適したカーボン素材を正確に狙った効果を得られる場所へ配置するためです。フレームの部位によって、例えば、剛性と強度に理想的なバランスを保たせるために、中弾性素材を使用することもあります。剛性を高めるために高弾性素材を使用する場合もあります。そして、余分な重量を増やさずに強度と耐久性を高める方法として、多くのFELTモデルではTeXtremeが使用されています。
また、同じモデルでもフレームサイズをそのまま縮尺すると違う乗り味となり、形作るカーボン素材のレイアップも変わってしまいます。そのため、私たちは数十年にわたり、同じモデルですべてのサイクリストが同じライディング体験を共有できるよう、サイズ毎に独自に設計したフレームを製造してきました。
これらの要素によるフレームへのカーボン素材の配合は、条件によって大きく変わることがあります。通常、例えば、より硬いファイバー・プライは、ボトム・ブラケットやダウン・チューブなど、最大限の剛性を必要とする部分に使用されます。衝撃を受けやすい部分には、より強度の高いファイバーが最適です。しかし、FELTではフレームサイズの変化にも同様の注意が払われており、チューブの直径や交差点が変われば、プライの方向や材料の仕様も変わるなどの臨機応変さが肝要となります。これらの決定には、あらゆるバリエーションを考慮し、最終的に決定するまでに数カ月から数年を要しています。理想的な材料の組み合わせとプライの方向性が決まると、すべての生産プロセスを網羅したレイアップスケジュールが作成されます。そして、工場でフレームは試作され実際にテストライディングがなされた後、最終的にマスプロダクションが行われるのです。

FELTカーボングレードについて
では、なぜ、FELTではこのことについて言及するのか。それは、すべてのブランドが、このような複雑な製品を作る努力をしているわけではないからです。実は航空宇宙産業などであっても、ユニディレクショナルカーボンファイバーを使ったシンプルな構造しか設計していないケースが数多くあります。「UHC 」には、最先端の素材から最高のクオリティを追い求めるというFELTのこだわりが込められています。下図をご覧いただくと、UHCの用語やカーボンファイバーの特徴について、より詳しくご理解いただけると思います。


