INTERVIEW – 2015 Z Carbon Series

写真:Zシリーズを開発したDAVE
 モデルコンセプトは?
ロングライドの走破性を追求中、低速域の安定性を重視することで、ツーリングやヒルクライムで高いパフォーマンスを発揮。Fシリーズに比べて、高いハンドル位置でリラックスした姿勢で走行可能。
 どういった使い方を想定していますか?
できるだけ楽に遠くへ行きたいと考える、ソロツーリストです。プロ選手向けに開発されたF シリーズのテクノロジーはそのままに、瞬間的な速さよりも、いかに高いパフォーマンスを長時間引き出すかという点にウェイトを置いています。プロ選手と同じ姿勢を、週末にツーリングやホビーレースを楽しむライダーに望むと、逆にパフォーマンスを落とすことになります。普段はサイクリングロードで汗を流して、時々ヒルクライムレースにチャレンジするような人に向けて開発しました。
 こだわりのポイントは?  開発に苦労した点は?
楽な姿勢とは対照的な、抜けるようなペダリングの軽さを体感できる、ボトムブラケット周りの設計です。乗ってみるとバイクの重量以上に走りが軽いと実感してもらえるはずです。ライダーの入力に対して限りなくリニアに反応するため、シートチューブ、ダウンチューブ、チェーンステーとの接点を最適化しています。ボトムブラケットを覆うシェルも何重にも補強を入れて、蜂の巣のような内部構造にしています。 フレーム内部の余分なカーボンを徹底的に排除して軽量化しています。強度、剛性に関係無い部分を1つづつ丹念にコンピューター解析し、サンプルを作ってテストを繰り返しました。過剰な剛性を削ぐことで、結果的に疲れにくいというメリットも出てくる重要なプロセスです。コンピューター上だけでは正解が出てこない所で、本当に地道な作業なので大変でした。
『ロングライドをサポート』 『ソロライドに合わせた速度設計』
Fシリーズに比べて高いアップライトポジションのハンドル位置により、上体が起きた姿勢が取れます。プロ選手と同じ姿勢で長距離を走った時に生じる、体幹や首の疲れ、痛みを軽減。風の抵抗は増えますが、結果的に楽に遠くへ走ることができます。 フォークの角度、ホイールベースを中~低速向けに設計。Fシリーズの時速30km以上を重視する設計に比べて、時速15~30kmの安定性を高めています。特に低速域のふらつきを抑えることで、スピードロスを大幅に低減。ソロツーリングや山岳コースでの平均速度アップに貢献します。
『圧倒的な快適性』
その理由はシートステーのデザインです。サスペンション効果を出すために、特別な設計をしています。Fシリーズと比べて、シートステーが寝かせています。より地面と平行にして、しなりやすくしています。
さらにリアエンド部分をリンクのような形状にしています。これにより、さらにシートステーの可動性が向上。フレームがしなやかに衝撃を吸収してくれます。
前輪も衝撃吸収性を高めています。左右のしなりは抑えつつ、地面からの突き上げを吸収。ブレーキを固定してフォークを前後させると、その動きが体感できるほどです。一見堅そうなストレート形状ですが、カーボン繊維の方向性と形状を最適化することで、ペダリングは軽く、走りはしなやかな理想のフォークです。
ロングライドの走破性を追求した最速コンフォートロードのZシリーズです。