2012販売店スタッフ インプレ
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KONS CYCLE山科店 |
2011/11/14更新 |
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今まで26インチのチタンバイクで楽しくトレイルライドしていたのですが、尊敬する周囲のベテランバイカーが次々と29erに乗り換えてレースなどで良い結果を出しまくっているので、脚力の差を機材で補うべく、この「ZASKAR CARBON 9R PRO」に勝利の夢を託しました(笑)。
組んで直ぐに、その軽さと鮮やかに輝くブルー、カーボンバイクが持つレーシーな雰囲気が相まって、これでいかなる状況でも誰よりも速く走らなければならないというプレッシャーを強く感じました(汗)。
まずは舗装路で飛ばしてみたのですが、よく言われる漕ぎ出しの重さは全く感じませんでした。むしろ漕ぎ出しから巡行速度に達する時間が短く感じられ、その上スピードも維持しやすいので、トレイルまでのアプローチが非常に楽になりました。漕ぎ出しの軽さはトリプルトライアングルによるリア三角の高い剛性とカーボンの軽さ、巡行性の高さはノブが低く転がりの軽いタイヤと29erホイールの慣性の大きさによるものでしょう。
キツい登りにおいて激しくダンシングしても、全くヨレを感じずグイグイ進みます。扁平加工されたフレームチューブの横剛性の高さが伺えます。それにある程度縦にしなってくれるので、ダートにおいて路面の突き上げを適度に吸収してくれるので、長時間乗っても疲れが溜まりにくいです。自由な設計が許されるカーボンフレームの勝利と言えるでしょう。
フロントがダブルギアであることも忘れる位に、ほとんどの所は軽快に走ります。あまり言われませんが、軽さのメリットはロードバイクよりもMTBのほうが大きいです。それは舗装路ではあり得ないような斜度のダートを登ったり担いだりすることも(たまには)ありますし、ガレ場などではトルクに任せて突っ切らないといけないからです。その点でもカーボンは29erの重量増を補って余りある軽さを備えています。
連続したドロップオフやガレた下りにおいて、今までのオーバーヘッド・9mmアクスルだとどうしてもヨレを感じて怖い思いをしていましたが、テーパーヘッドコラム・15mmスルーアクスルという最先端の剛性のおかげで、全く不安を感じずに走り切ることができます。フォークのねじれ剛性が上がっているので、ブレーキをかけたまま下ってもスムースにサスが動くので非常に安定感があります。ホイールが大きいので、窪み・木の根っこなどもあまりテクニックを使わずに通過できるので、下手になりそうです(笑)。
よく言われる「もたつき」や「曲がりにくさ」ですが、むしろ安定感を感じました。26インチではコーナーでハンドルが切れ込みすぎることがありましたが、それが無くなり、接地面が多いので路面を舐めるような安定したコーナリングが可能になりました。曲がりやすさだけでいけば26インチですが、コーナー手前のラインどりさえしっかりすれば大きな差は無いのでは無いでしょうか?生粋のXCレーサーでありながら高い剛性を確保しているので、そのままXCレースでも戦えますし、フロントタイヤをもう少しハイグリップのタイヤに履きかえれば登りも下りもこなせるトレイルバイクとして活躍することでしょう。レース以外では後者の使い方をするのがいいかと思います。今年も29erは人気があります。少しでも多くの方に体験して頂きたいと思います。
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